このシリーズでは、
ドイツ車の人気コンパクトハッチである、
ゴルフ7.5とA3を徹底比較しています。
今回は最終のまとめとして、
これまで見てきた項目を総合的に見て、
どちらがオススメか比較してみます。
これまでの、
それぞれの項目別比較レビューは、
以下の記事をご覧ください。
- 《概要編》
- 《エクステリア編》
- 《インテリア編》
- 《走行性能編》
コンテンツ
モデルごとの総合評価は?
まずは、
モデルごとの試乗レビューにおける、
総合評価を見てみたいと思います。
ゴルフ7.5は、
スッキリしたエクステリアが魅力ですが、
走行性能についてはそれほど期待できません。
加速もそうだけど、それよりもハンドルの戻りの方が気になるかなぁ。
多分激しい操作は想定されてないよね…。
一方アウディA3は、
低くスポーティに構えた外観と、
質感の高いインテリアが好印象です。
好みもあるかもしれないけど、内外装はアウディの方が魅力的かなぁ。
特に内装の質感は高いよね。
インテリアは3点差があるものの、
輸入車を基準にしたスコアなので、
国産車と比較すると質感は高いです。
どちらもドイツ車らしく、
足回りはカチッと締まっていて、
心地良い硬さに設定されています。
ゴルフ7.5のオススメポイント
ゴルフ7.5は、
ドイツ車の魅力を保ちながらも、
リーズナブルな価格が大きな魅力です。
トレンドラインと言われる、
1.2Lガソリンエンジンモデルなら、
税込で約260万から購入可能です。
試乗したハイラインマイスターだと、
1.4TSI+マイスターという豪華仕様で、
価格は税込で約370万まで上がります。
1番お買い得なグレードと比べると、100万以上も価格差があるんだね!
オプションてんこ盛りだからね。
エンジン性能を比べても、
1.2Lと1.4Lは35psも違うため、
乗り比べるとすぐ違いは分かります。
ゴルフ7.5について、
グレード別に価格をまとめると、
260万~400万の範囲となっています。
「TDI」のディーゼルエンジンは、
どのグレードも150ps/340Nmと、
同じエンジン出力となっています。
ゴルフ7.5のもう1つの魅力は、
洗練された印象を与えてくれる、
流れるウインカーの採用です。
最近は増えてきましたが、
まだオプションとなるモデルも多く、
先進的な感じは男子の心を掴みます。
ほんと流れるウインカー好きだよね。そんなにS3にも欲しかったの?
乗るまでは無くていいと思ってたけど…。
A3のオススメポイント
一方A3のオススメポイントは、
インテリアの質感や組み付け精度が高く、
押し心地まで考えられている点です。
エンジンスタートボタンを押すと、
カチッという小気味良い音が鳴り、
それだけで心地よい満足感を感じます。
ステアリングのスイッチ類や、
エアコンのダイヤルも心地よい操作感で、
乗るたびに触ることが楽しみになります。
ハプティックチームがホントにいい仕事してるよね!
感触や音を調整する専門チームだね。
輸入車が高価なのは、
細かな部分にもコストがかけられて、
魅力が磨かれているからです。
もう1つのポイントは、
踏み込みに対する加速感で、
とても自然な反応が心地よいです。
確かに実際の加速は、
0-100km/hで9.6秒なので、
どこをどう考えても速くはありません。
それでも、
ドイツ車の高い剛性と高品質な足回りで、
ドライビングプレジャーを感じます。
出足はゴルフ7.5の方が、
少し敏感で速い感覚はありますが、
巡航中はA3の方が気持ち良く走れます。
また車のスポーツ性能は、
タイヤの性能にも左右されるため、
よく考えて選ぶ必要があります。
オススメポイントを比較すると?
どちらのモデルも、
ドイツ車らしさは十分に感じられ、
価格に見合った性能は持っています。
しかし、
それぞれメーカーのカラーがあり、
購入するユーザー層は異なってきます。
ここでは、
先ほどのオススメポイントを、
両者で比較してみたいと思います。
コストパフォーマンスならゴルフ7.5
まず、
コストパフォーマンスを求めるなら、
やはりゴルフ7.5がお勧めだと思います。
ゴルフ7.5のマイスター仕様なら、
装備が非常に充実していることから、
追加オプションはほぼ不要だと言えます。
- レザーシート
- デジタルメーター
⇒コックピット周りの液晶表示
- Discover Pro(純正ナビ)
- LEDダイナミックターン
⇒流れるLEDウインカー
- パークディスタンスコントロール
⇒バック時のセンサー警告
- ホイールのデザイン変更
⇒Highlineも17インチは同じ
これらが全て装備されていて、
ハイラインマイスター仕様として、
税込370万ほどで購入可能です。
一方A3では、
標準モデルは330万ですが、
MMIナビがオプションです。
大体400万くらいからと思ってたらいいかな。
バングオルフセンも魅力的だなぁ。
S-lineオプションを付けると、
ゴルフ7.5よりも高くなるため、
割安感はあまり無くなってきます。
また、
30TFSIの標準仕様では、
ドライブセレクトがありません。
アウディドライブセレクトなら、
スポーティな設定も選べることから、
より刺激的なドライブが楽しめます。
ダイナミックモードにすれば、
走行性能を限界まで引き出すため、
その車の限界を知ることもできます。
このアウディドライブセレクトは、
「sport」グレードに付帯するため、
その場合さらに価格は上がります。
すると、
342万+36万+38万=416万となり、
ゴルフ7.5より49万も高くなります。
- 「sport」グレード…3,420,000円
- MMIナビ…360,000円
- デジタルメーター…380,000円
合計…4,160,000円
※デジタルメーターはS-lineに含まれる
ゴルフ7.5マイスターにはアウディドライブセレクトに対応する、エンジンやステアリング反応が変わるシステムが装備されてるもんね。
ドライビングプロファイル機能だね。
つまり、
ゴルフ7.5と同じ装備にするなら、
A3が概ね50万ほど高い計算となります。
走行性能を重視するならA3
一方A3の利点としては、
街乗りの速度域では多くの場面で、
A3の方がストレス無く走れます。
信号待ちからスタート後数秒して、
少しアクセルを踏み込む辺りから、
A3はスムーズに速度が乗り始めます。
多少出力が絞られた感じはありますが、
ゆっくり踏み込んでいく限りでは、
そこまで違和感は感じないと思います。
ゴルフ7.5では、
この常用域の加速が物足りなくて、
もどかしさを感じる印象でした。
出足は確かに気持ちいいものの、
全体的にエンジンの余裕が無く、
スポーツ走行はかなり難しいです。
またもう1つ、
両者のトランスミッションの違いがあり、
これは乗り比べないと分かりません。
どちらも名称が違うだけで、
ほぼ同じ機構を採用していますが、
その味付けには大きな差がありました。
ゴルフ7.5では、
全体的にマイルドな味付けで、
シフトチェンジ自体も遅めです。
またシフト間隔は、
1秒弱くらいは空けておかないと、
なかなか入力を受け付けません。
一方A3では、
ゴルフ7.5と比較するとスポーティで、
ある程度の速度で入力可能です。
あれ、でも連続シフトアップはA3も「△」なの?
うん、速いとは言えないからなぁ…。
それでもスポーツ走行も楽しむなら、
A3の加速やシフトスピードの方が、
楽しく走れるのではないかと思います。
まとめ
今回は全5回に渡って、
人気コンパクトハッチバックである、
ゴルフ7.5とA3を比較してきました。
メーカーにより方向性が異なるため、
どちらもプラスとマイナスの両面があり、
後はユーザーの意向次第とは思います。
ただ、
特徴を抜き出して比較してみることで、
違いをより感じられたのではと思います。
購入検討中の方は、
試乗レビューも参考にしながら、
一度は実車を見るのをオススメします!
※2台の詳細レビューはこちら