S3スポーツバックオーナーレビュー、今回はドライブフィールに直結するエンジン性能についてご紹介します。搭載する2.0TFSIエンジンは以下のスペックです。
型式…CJX
排気量…1984cc
出力…280ps(マイナーチェンジで⇒285ps⇒290ps)
最大トルク…380Nm(1800~5100rpm)
0-100km/h加速…4.9秒(最終モデルは4.8秒)
A3との違い…5秒を切る俊足であり走行フィールはA3とは全くの別物で、一緒なのはクリープの速度くらい。サウンドも乾いた荒々しさがあり、排気音も明らかに違っていて車内外問わず迫力バッチリ。
巷の試乗レビューでは、穏やかと形容しているものもありますが、クイッと軽く踏み込んだ所から明らかに鋭く、穏やかと感じるのは高速巡航している時くらいです。
しかしそんな特別な赤バッジだからこそ、
「S3試乗したいけど何か行きづらいなぁ…」
なんて思っている人も多くいるはずです。

もしや走り屋の人なのかな?とか思われそう(笑)。
ちょっと気恥ずかしい感じはあるよね。
コンテンツ
鍛え上げられたエンジン性能
実はS3搭載の2.0TFSIは、めちゃくちゃ多くのモデルに搭載されている超汎用エンジンです。しかし、超汎用ですが超優秀で、エンジンオブ・ザ・イヤーを5年連続受賞していたこともある世界的に有名な直噴ターボエンジンです。
A3以外にもA4・A5・A6以降ほとんどのモデルで使われていますが、実は出力は非常に細かく分けられています。
特に現行モデルで生産終了のTTクーペを見るとわかりますが、3つのグレードの出力がどれも違うというナゾ仕様です。



おぉ~すごい。これって少しずつコンピューターで制御してるってことだよね。
うん、本当は300ps出せるのにケチケチしてるという…。
「イイ物だから高い」は納得できますが、安くできるのにわざと性能を落として売るというのは、アウディ歴10年超の私としては反対です。TTをヒラヒラと走らせるにはTTSレベルの出力が望ましく、40TFSIでは胸のすく加速とまではいきませんでした。
S3のエンジンスペックを同世代のA3と比較してみると、よりS3の凄さが際立ちます。

S3のスペックは280ps⇒285ps⇒290psと、マイナーチェンジの度に5psずつ上がっているので、中古車を狙うときは見ておきましょう。「外せないオプション3選」と合わせてチェックすれば、より上手にS3スポーツバックを狙えます。
また、ハイパワーだと扱いづらいと思いきや、380Nmの最大トルクを1,800回転から発揮するので、日常使用でも機敏で快適と言えます。
シフトアップも1,900回転と同じくらいですが、それでも乗り始めた頃は機敏過ぎて扱いに困るレベルだったので、街乗りでも速さは申し分ありません。

最初は「この加速どこで使うの?」感が凄かったよね。
そう、これがアウディのスポーツかと。
これだけの馬力を生み出しながらも燃費も意外と良く、下道6割・高速4割でエコでもなく普通に乗って9km/Lくらいはあります。下記の参考記事では燃費の他、各ギアごとの回転数もサクッとまとめてみました。

0-100km/h加速は驚きの4秒台!
S3はアウディ自慢の赤バッジモデルだけあって、0-100km/h加速は4.9秒と5秒を切るタイムとなっています。最終モデルの290psでは4.8秒へとコンマ1秒だけ早くなっていますが、感覚としてはほとんど変わりません。
同世代のA3と比較すると、いかにS3が飛び抜けているかが分かると思います。

ベースグレードの1.4TFSI(後の30TFSI)から見ると、実に1/2の加速タイムとなっており、2.0TFSI(後の40TFSI)からも2秒弱速くなっています。新型A3 30TFSIは売れ筋が1.0TFSIとますますダウンサイジングが進み、0-100km/h加速は10.6秒まで遅くなってしまいました。

0-100km/h加速のタイム感は分かる人しか分かりませんが、6秒台でも十二分にスポーティです。一般的には8秒台でも速いと言われるレベルなので、スポーツ志向でない人だとむしろやり過ぎ感を受けるかもしれません。

トヨタのプリウスで大体10秒くらいだよ。
それでもすごく遅いとは感じないからね。
5秒台になると国産車ではシビックタイプR・フェアレディZといった純スポーツモデルでないと達成できないタイムです。アウディならA4やA5の上位モデルで何とか5秒台に入れるかなといった印象で、「しっかり走れるクルマ」がラインナップに並びます。

S3の4秒台の感覚はというと、下道では「踏みたくなっても危なくて踏めない」ほどで、ベタ踏みは高速以外ではほぼできません。周囲のクルマからしても予想だにしない速度となり、普通に目の前で全く気づかずにウインカーを出して車線変更されたりします。

そんな危ない運転しちゃダメ!事故になったらどうするの!?
ごめんごめん、ホントの乗り始めの話だから…。
また、加速中にハンドルを切ると制御できないため、全開加速しながらコーナーを曲がるなんていう走り方も物理法則が許してくれません。さらに昔ながらのタービンが回るドッカンターボなので、微調整は効かずぶっ飛ぶか飛ばないかの2択で扱いづらい感覚があります。
ただローンチコントロールによる停止状態からの0-100km/h加速は素晴らしく、会社でイヤな事があった時のストレス解消にバッチリです。いやほんと。

えっと、何かイヤな事があったのかな…?
ううん、別に…。全くどいつもこいt…
最初は過敏に感じるアクセル反応
S3は280psというスポーツカー顔負けのスペックの割には、普段は比較的大人しくて扱いやすいモデルです。ただそれでも、通常のA3と比べると相当にキビキビしているため、乗り始めはアクセルワークに気を使いました。

初めて乗ったときは、「どうしてこんな敏感過ぎる設定にしたの!?」ってずっと思ってたよ(笑)。
優しく踏んで加速するのが難しいよね。
軽く2〜3割踏み込むだけで身体が後ろに引っ張られるような加速感で、前のA3(2.0TFSI)だと既に半分以上踏み込んだような感覚でした。まるでクルマが羽のように軽く、どこぞの試乗レビューで「高級ジャケットのようだ」と見た時は言い得て妙だなと非常に感心しました。

…しかし私には高級すぎたのか、乗り始めて半年ほどはアウディドライブセレクトで「コンフォート」でないと過敏で乗りづらく感じていました。「コンフォート」にすると出足も幾分マイルドとなり、A3やその前に乗っていた国産車と似た感覚で乗れました。

それでもまだ敏感だったよね。豹変するアクセル開度が上に移っただけというか。
公道でレースするんかいっ!みたいな挙動だし。
半年から1年くらい過ぎて慣れてきて「やっぱりオートに戻してみるか」と思って切り替えてみると、以前ほど違和感は無くなっていました。「オート」ではより踏み込みに対して素直な反応で、やっと本来の俊敏なS3の魅力が分かってきました。
ライバルのドイツ車ホットハッチでは控えめ
これまで乗っていたクルマとは全く違う機敏な走りのS3スポーツバックですが、他のホットハッチと乗り比べると「意外と大人しいのかな?」と感じるようになってきました。
特にベンツのAMGモデルであるA35セダンに乗った時は、公道がレース場かのように錯覚するようなバッキバキの走行フィールで、あまりの違いにビックリしました。

購入後しばらくしてから知りましたが、アウディが熱くない走りだというのは巷ではよく評論されているようです。実際に乗ってみて「確かになぁ…」と思うところはあります。

あくまでオートモードの時だけどね。ダイナミックにすればパキパキ走るよ。
日常使いも重視してるからそう言われるんだよねぇ。
小物アクセサリーのお買い物
ここで少し休憩して、アウディに関するちょっとしたアクセサリー類をいくつかご紹介します。
まずは、クワトロの象徴とされるゲッコー(ヤモリのマーク)を車内用フレグランスにしたものです。付属クリップを使ってエアコン吹出口に装着できるため、オシャレかつ可愛くていい感じです。
次は、炎天下の直射日光を手軽に防ぐことができる、暑さ対策の代表的グッズであるサンシェードです。アウディ純正アクセサリーなので品質も良く、ワンポイントで先ほどのゲッコーもあしらわれており素敵な仕上がりです。
続いては、クルマに乗る人が痛めがちな首・腰・背中を守る高級シートクッションです。今も医療現場で使われている安心の日本製で、激しい加減速やコーナーリングを楽しめるスポーツモデルには必須の逸品です。

最後は、自宅駐車場の空きスペースを登録するだけで、自動的に貸し出してお小遣い稼ぎができる「特P」のご紹介です。
初期費用0円で始められて、サイトに登録するだけでその後は基本的に何もしなくてよいにも関わらず、毎月10万近く儲かる事例がたくさんあります。



まとめ
S3の持つ280ps/380Nmの2.0TFSIエンジンは、1,400kgの車重に対して余裕が有り余っています。もしオーナーになって初めて乗った時は、きっとコンパクトカーのような軽すぎる動きにビックリするはずです。
長く乗るほどにアクセルワークにも慣れてくるので、徐々に素早く移動できる便利さを実感するようになってきます。アウディの赤バッジではエントリーモデルとされるS3スポーツバック/セダンですが、身軽さ・素早さを強く感じることかできる素敵な1台です!

うん、でも高級ジャケットのような身のこなしは魅力だけど、実は物足りなく感じてるトコがあるんだよね?
おっと、それはまた別記事でね!