クルマの運転が好きでも、乗るたびに腰が痛くなると思うように楽しめませんよね。
今回は運転時の腰の痛みを軽減するための方法を幾つかご紹介します。運転が好きだけど腰が痛い人・日頃から長距離運転しなければならない人はぜひご覧ください。
ところでアイキャッチの猫ちゃんは何なの?
ストレッチしてる猫ちゃんをつい…。
腰の痛みを事前に予防するための対策である、シート位置や運転姿勢については別記事でご紹介しているので、そちらも併せてチェックしてみてください。
コンテンツ
厚生労働省データを読み解く
まずは、どれくらいの人が腰痛を訴えているのかを厚生労働省のデータ「国民生活基礎調査(2019年)」を基に見てみましょう。令和2年・令和3年は未実施なので、令和元年版が最新です。
※クリックで拡大
腰痛を見ると男性では1位で91人/1,000人、女性では2位で113人/1,000人と、痛みを訴えている人の10%程度と高い割合を占めているポピュラーな疾患だということが分かります。
経験した人にしか分かりませんが、腰痛はズキズキと痛まずに「鈍い痛み」が継続するパターンが多く、同じ姿勢を続けることで徐々に辛い症状が表れてきます。
クルマの運転はシートの上で運転姿勢を取り続けて動けるスペースも少ないという、まさに腰痛が発生するにはうってつけの条件であるため、しっかりと対策をすることが大切です。
オフィスの座り仕事も原因としては大きいだろうけど、まだ席を外したりストレッチしたりしやすいもんね。
プリンターへ紙を取りにいったりね。
ちなみに有訴者率(病気やケガ等で自覚症状がある者)は以下の割合となっており、平均で302人/1,000人とおよそ3割が何かしらの症状があるということになります。
※クリックで拡大
ザックリと20代で5人に1人、30代で4人に1人、50代以降で3人に1人が自覚症状を訴えていますが、逆に考えると7割以上の人は60代になっても何の症状も無いということが分かります。
意外と高い年齢まで健康なんだ、さすがは先進国だねぇ。
よく見たら入院者は含まれてないけど。
「最近クルマに乗るとちょっと腰が痛くて…」という人でも、早いうちからしっかり予防と対策をしておけば、何も症状がなく健康な70%に入れる確率も高くなるのではないでしょうか。
その一方「ちょっとくらい勝手に治るかな…」と思って放置していると、それが結果として慢性的な痛みに繋がることも多く、特に腰痛は一度症状が出るとなかなか治まりません。
私も10年以上前、A3スポーツバックに乗っていた頃に腰痛を患っていましたが、30分~1時間ほど運転すると痛みが表れる状態が5年近く続いた記憶があります。
しっかりと早め早めの対策を意識して、楽しくドライブできる身体を維持するよう心がけましょう。
運転前に腹横筋を目覚めさせる
腹横筋とは腹筋の一種で、腰部全体を取り巻くインナーマッスルの1つです。この部分を運転前に引き締めておくことで、腰椎への負担を軽減する効果が期待できます。
腹横筋は腹筋群のインナーマッスルとして位置付けられる筋肉で、繊維が横に入っているのが特徴です。ここを引き締めることで腹圧が上がり、コルセットのように腰椎を守ってくれます。
腹横筋
出典:横浜ゴム(長距離運転の疲れや肩こり・腰痛はこれで撃退!)
腹横筋を目覚めさせるストレッチは以下の3ステップで行います。特に長距離・長時間のドライブ前に行うことで筋肉の働きにより腰痛を和らげることができるハズです。
1.両手を挙げバンザイをする
2.お腹がへこんでいるのを意識しながら、息をゆっくり吐ききる
3.これを10回繰り返す
運転中にできる対策
続いて、運転中に「腰が疲れてきたな…」と感じた時に実践できる対策をいくつかご紹介します。
我慢して乗り続けるより少しでも対策することによって、負担が軽減されるだけでなく症状の慢性化も防ぐことができます。
2種類のストレッチ
腰やお尻に効くストレッチを2つご紹介します。
まずは足を組むストレッチです。足元にそれなりのスペースが必要なので、一旦停車してシートを後ろまで下げてから実行しましょう。
<大殿筋(だいでんきん)のストレッチ>
出典:GAZOO(運転疲れを和らげる、6つの簡単ストレッチ)
1.クルマのシートに浅く座り、右足のくるぶしを左足の膝上あたりにのせる。このとき、右足と左足が垂直になるようにする。
2.上半身をゆっくり前に倒し、10~15秒キープする。
3.足の左右を変えて同様に行う。
シートがガコガコ調整するやつだったら、信号待ちでもできそう!
あぁ、マニュアル調整のシートってことね…。
もう1つは広背筋のストレッチです。こちらは信号待ちでも気軽にできるので、疲れたなぁと思った時にしっかり伸ばしておくと長く楽に運転できると思います。
<広背筋(こうはいきん)のストレッチ>
1.シートに浅く座り、ヘッドレストを持ちながら右にゆっくりと体をひねる。痛気持ちいいと感じるところで止めて10秒キープする。
2.同様に左にゆっくりと体をひねり、10秒キープする。
腰痛に効くツボ押し
ストレッチも良いですが、気軽にできるツボ押しで身体の中から血行をよくするのも効果的です。タクシードライバー向けのサイトでお勧めされているツボを2つご紹介します。
1つは足首にある崑崙(こんろん)と呼ばれるくるぶしの後ろ側にあるツボで、ちょうど意識せず足首をつまんだ場所にあるので覚えておかなくてもいつでも実践できます。
下記図のように、外くるぶしとアキレス腱のちょうど間。かかとの骨の上のくぼんだ箇所にあるのが『崑崙/こんろん』というツボです。
親指の指先で優しく押してみましょう。2~3秒押して離す→これを、繰り返し5分程おこないます。
出典:ドライバーズワーク(タクシードライバー・運転手のための腰痛改善ストレッチ)
もう1つは小指の付け根の下部分で、後渓(こうけい)と呼ばれるツボとなります。小指をもう片方の手で掴んで、親指で押す形となります。
手のひらの感情線の終わりの小指側の終点にあるのが、『後けい/こうけい』と呼ばれるツボになります。
ツボを押す側の手の甲を反対の手の親指以外の4本の指で小指を握り、親指の先でツボを押します。その時、圧通が感じる場所を5秒程押し、離す→これを5分程度繰り返してください。
水分補給も欠かさない
身体の水分が少なくなると血流が落ちるため、老廃物が溜まりやすくなってしまいます。車内は常に快適な温度に設定されて運転も座ったままなので、ついつい水分を取るのが遅れがちです。
しかし、病気が原因でない腰痛であれば急性・慢性を問わず9割が水分補給で治ると主張する書籍もあるほど水分補給は腰痛対策には欠かせません。
腰痛タイプ診断や水分を摂るタイミング、1回30秒の「らくらくストレッチ」など便利な情報が盛りだくさん!
手軽に腰痛症状を軽くしたいならオススメ。
クルマに乗る前には1回当たり200ml~250mlの水分を摂取しておくことで、運転中に老廃物が溜まってしまうのをある程度防いでくれるハズです。
運転中もなるべく飲み物を近くに用意して、常に水分補給を意識しておくことは予防としても対策としても非常に有効です。ただし、2時間に1回くらいは休憩も挟むようにしましょう。
大型トラックやバス運転手には2時間につき10分休憩が義務付けられているように、長時間ドライブするなら定期的にストレッチや水分補給を行ってリラックスすることが必須です。
運転後は腰部をゆっくり温める
運転後には温かいお風呂に入って身体を温め、血行を良くして老廃物を流しましょう。お湯の温度は40℃以下のぬるめで30分弱程度の半身浴が最もオススメだと言われています。
湯舟では腰を捻ったり曲げ伸ばしをしてストレッチをしましょう。そしてお風呂から上がる直前には、約45℃の熱いシャワーを患部に当てることでより血行促進の効果が高まります。
最後のもう一押しってことだね。
少し面倒だから余裕のある日でいいかな。
まとめ
運転による腰の痛みを和らげるには、運転前・運転中・運転後のそれぞれで対策することでそれらが積み重なり大きな効果を発揮します。
全てを一気に取り組むのは難しくても、どれもすぐに実践できるものばかりなので、手を付けられそうな所から始めてみるのがイイかなと思います。
乗り心地にはタイヤの違いも大きく関わってくるから、タイヤも交換の時には慎重に選ばないとね。
タイヤ交換時期はこちらで確認しよう。