誰もが知っている高級外車であるベンツ。
とにかく高級車の代名詞といった印象のベンツですが、実は意外とベンツにも欠点があるのはご存じですか?
今回は誰もが憧れる高級車であるベンツについて、15年以上ドイツ車に乗る管理人が感じる代表的な欠点を5つに絞ってご紹介します。
ベンツの欠点・弱点は主に5つあり、お金持ちに思われる・価格が高い・足回りが硬い・電気系の故障が多い・車好きに見えないと言われます。ドイツ車や輸入車を代表するメーカーですが、車両自体の性能より豪華なイメージが先行しており価格にプレミアムが乗っています。最近はラグジュアリー志向からスポーツ志向に移り足回りも硬くなっていたり、四季が明確で温度差が激しい日本では、ドイツと比較して結露によるサビ・腐食が発生がしやすいため電気系の故障が多いのが現実です。
特にここ10年で足回りは随分と硬くなってきたよねぇ。
Aクラスの人気が出始めた頃からじゃない?
また、「他のドイツ車の欠点も気になる!」という人は別記事でまとめていますので、ぜひそちらも合わせてご覧ください。
※アウディの欠点5選はコチラ
※BMWの欠点5選はコチラ
その1:お金持ちに思われる
ベンツと言えば、やはり今も高級車の代名詞として圧倒的な知名度を誇っているため、車両の特徴や性能よりもイメージが先行しているのが現実です。
例えば友達の友達くらいの間柄で初めて出会った人に、「実はベンツに乗っているんだ!」と聞いて多くの人がまず初めに思い浮かぶのは、「この人は金持ちか成金か…?」です。
いやそんなことないよ!さすがに誇張しすぎだって!
ともーじゃん?それがそんなこと無いんだよねぇ…。
現在はベンツといっても、入門モデルのAクラスなら320万から手に入れることができるだけでなく、中古車であればそれ以下でも十分状態の良い車両が狙えます。
以前試乗したお洒落エントリーモデルのCLAシューティングブレークでは、中古車だと200~250万あればボディカラーやオプションも選んで乗ることが可能です。
もちろん友達でお互いに収入を知っている間柄なら、いくらで購入したのか・新車か中古車かといった具体的な話になると思います。
ただ収入を知らない場合やクルマに詳しくない場合は、多くのケースで事情はどうあれ金持ちだと思われてしまう傾向にあります。
確かに国産車より高いのは事実ですが、ベンツだけが高いワケではなく、アウディでもA1スポーツバックで300万からと決して安くはありません。
アウディについては、各モデル&グレード別100種類以上の新車価格を一覧表にして、価格やスペックで自由に並び替えできるページを作りました。
でもやっぱりベンツが頭一つ抜けて高いイメージを持ってる人が多いよね。
確かに50万くらい高い気はするけどねぇ。
ちなみに中古車を探す時は、通常の認定中古車や中古車サイトに出回らない「非公開車両」を狙うことで、低走行・人気グレード・ディーラー試乗車等が手に入りやすくなります。
完全無料でプロの専任担当者に相談できるズバブーンを利用すれば、希望を伝えるだけであなたにピッタリの1台をカンタンに探し出せます。
ベンツは威圧感たっぷりのデザインと贅沢品というイメージが先行し、価格以上にマイナスの印象を抱かれがちなのも残念なポイントです。
ディーラーの対応には丁寧なものの、ある程度ベンツのことを知った上で来店する人を想定された接客の印象で、誰でもウェルカム感は少々薄い気がします。
いいの?ベンツのディーラーの人だってがんばってお仕事してるのに…。
でもフォルクスワーゲンとは明らかに雰囲気違うでしょ?
その2:ドイツ車の中でも高い
先ほどAクラスならまだ比較的リーズナブルとお伝えしましたが、それでもドイツ車の中ではやはり最も高価な部類に入るのは間違いありません。
同クラスのアウディ・BMW・ワーゲンと比較すると50~100万程度高く設定されており、今後ベンツは原点回帰を掲げていてさらなる高価格化が見込まれる状態にあります。
■ ベンツ Cクラスと他ドイツ車の価格比較
メーカー・モデル | 車両価格 | ベンツとの差額 |
ベンツ Cクラス(C200 アバンギャルド) | 6,980,000円 | - |
アウディ A4(35TFSI S line) | 5,940,000円 | -1,040,000円 |
BMW 318i(Mスポーツ) | 6,340,000円 | -640,000円 |
ワーゲン アルテオン(Rライン) | 6,460,000円 | -520,000円 |
さらにエントリーモデルであるAクラス・Bクラスについては2025年を目途に生産終了の予定となっており、今後はCLA・GLA・GLBからのラインナップとなっていきます。
これからのメインストリームとなるCクラスは上記の通り6,980,000円が最低価格となり、先代のW205(2014~2022年モデル)からは一気に200万アップとなります。
参考に先代Cクラス(W205)の新車価格の一覧をまとめると以下の通りとなります。先代なら400万円台から買えたのに、突然の700万超は業界でもかなり話題を呼んでいます。
■ 先代Cクラス(W205)新車価格一覧
グレード | 価格 |
C180 | 4,640,000円 |
C200 | 5,140,000円 |
C220d | 5,640,000円 |
C300 | 6,140,000円 |
C300e | 7,240,000円 |
確かにインテリアの画面をSクラスと同じものを採用したりと、グレードアップはしてるんだけど…。
でも先代ならEクラスも買える価格帯だからねぇ…。
5~10年前までは他のドイツ車との価格差もそれほど無く、アウディやBMWの方が高くなるケースもありましたが、昨今の自動車を取り巻く環境変化により様相が変わってきました。
もちろん堅牢な造りと確かな安全性能はウリではありますが、エンジンや乗り味は他のドイツ車も非常に高いレベルにあるため、A4や3シリーズと価格差ほどの違いは見られません。
ちなみに、アウディについては新車のモデル・グレード100種類以上を価格やエンジン種類・排気量で並び替えできる記事もあるので、ぜひ以下のリンク先より参考にご覧ください。
その3:最近は足回りが結構硬め
私はベンツ・BMW・アウディ・フォルクスワーゲン等のドイツ車を中心に100台以上を試乗してきた経験がありますが、ベンツの足回りは年々硬くなっている印象があります。
15年ほど前は、国産車で言うクラウンやセルシオといったような優雅でふわふわした足回りでしたが、今のベンツはアウディ・BMWよりも硬く感じることも少なくありません。
最近は輸入車の価格が下がり、法人や個人事業主が節税のために乗るだけでなく、個人の趣味としてクルマ好きが乗るケースが増えたことも理由の1つとして考えられます。
法人等であれば役員の接待のためショーファーカーのような用途が多かったものの、近年はよりドライバビリティの高さが求められるようになったように感じます。
AMGじゃなくてもスポーティさを前面に出すことが多いもんね。
C43みたいなお手頃価格のAMGも出てきたし。
ドイツ車全体の傾向として、やはりアウトバーンでの高速走行で高い安定性を発揮することが必須条件なので、高いボディ剛性とある程度のサスペンションの硬さは必要となります。
ただ、ドイツ車の硬さは激しいショックを伴うベニヤ板に乗ったような感覚ではなく、姿勢変化を最小限に抑えるような質の高いものです。
この辺りはまだまだ国産車とは一線を画すレベルにあり、特にアルファード・セレナ・プレマシーのようなミニバンからの乗り換えだと顕著に感じる人が多いハズです。
ドイツでは高速走行・長距離走行が多いため、より安定性や操舵性を重視する傾向にあるため足回りが硬くなる傾向にあります。またドイツは意外と道路の舗装が整っており、硬いサスペンションでも快適に運転できる点も挙げられます。また昔よりスポーツモデルを多く開発してきた経緯もあり、全体的に走行性能を重視するメーカーが多いのも理由の1つと言えます。
またスポーツモデルになると相当ガチガチになるのもベンツの特徴で、以前試乗したA35セダンは私のS3スポーツバックよりもはるかに硬いです。
コンフォートモードでも市街地の段差に敏感に反応してステアリングやお尻に伝わってくるので、約30分の試乗だけでも疲れるほどでした。
前に乗ったRS3スポーツバックと比較してもまだ硬い印象で、「バリバリ走るためのクルマ感」が見た目からも乗り味からも滲み出ています。
1人で乗るならコレでもいいけど、家族を乗せるとなると…。
家族もみんなクルマ好きならいいけど…ねぇ。
BMWと足回りの硬さを比較すると同じかわずかにベンツの方が硬い印象ですが、Mスポーツのスポーツサスになるとベンツと同等以上に硬く感じます。
以前試乗したM135iも路面からの突き上げはそれなりに強く、穏やかでゆったりした乗り心地を求める人には絶対にオススメできません。
ただ、しなやかさを強く感じる足回りで、フランス車の猫足を思わせるような柔らかさも併せ持つところがベンツと異なるポイントです。
でも交差点をスピードを落とさずにクイッと曲がった時の心地よさは、さすがBMWって感じだったよね。
どこまでもナチュラルな操舵感はホント気持ちイイよね。
また、乗り心地はサスペンションや車両の剛性の他、タイヤの種類によっても大きく変化する点も見逃してはいけません。
スポーツタイヤとコンフォートタイヤでは柔らかさがまるで違うので、段差の突き上げ感やステアリングに伝わる情報量、さらに車内の静粛性にも大きく影響します。
タイヤを購入する際は、店舗型よりも通販系が2~3割は安く手に入るので、以下のリンク先にあるオススメタイヤ通販ランキング11選の記事も併せて参考にご覧ください。
スタッドレスタイヤも安く買えるからね。雪道運転は危ないからちゃんと準備しとかないと。
初めての雪道運転で注意すべき点をまとめた以下の記事も参考にしよう。
その4:電気系を中心に故障が多い
ベンツに限らずドイツ車全体の印象として「日本車より壊れやすい」と言われますが、これは確かに国産車と比較するとその通りだと感じます。
J.D.パワーと言う会社が毎年公開している、メーカーごとのクルマの壊れやすさを表した「日本自動車初期品質調査」では客観的な数値を見ることができます。
この指標を見ると、ベンツはレクサスに継いで壊れにくいメーカーとされていますが、実は国産車メーカーの結果は以下の通りです。
割合で比較するとベンツよりトヨタの方がおよそ20%壊れにくいという結果となり、他のアウディやBMWも似たような数値となっています。
アウディとワーゲンは一段と壊れやすくなってるじゃない!
まぁ、確かにちょこちょこ故障はあるよね…。
私はアウディをA3スポーツバック⇒S3スポーツバックと乗り継いでいて、もう15年ほどアウディに乗り続けています。
確かにエンジンオイルやバッテリー以外の消耗品以外の故障も2~3年に一度くらいは出会う感覚はありますが、そこまで多いとは感じていません。
ドイツはある程度日本と似た気候ではありますが、日本の方が寒暖差が激しく梅雨や台風により湿度も高く、自動車には厳しい環境と言えます。
そのため、電気回路や制御系の部分に起きた結露で回路のショートや錆びが発生することによる故障が起こりやすくなってしまいます。
- エンジンオイル漏れ
- ブレーキパッドのセンサー検知・交換
- 足回りのブーツ・ブッシュ等のゴム類の劣化
- ステアリングのセンサー異常
- その他電装系のエラー検知による機能制限
その5:意外とクルマ好きに見えない
ベンツはドイツ車の中でもトップクラスに剛性が高く、車両全体の一体感はアウディやBMWと比較しても勝っていると感じることが多々あります。
一時期は音声認識が随分と話題になったよね。名前なんだったっけ?
M-BUXね。「ヘイメルセデス!」って話すやつ。
しかし、ベンツの印象として1番に来るのはやはり「お金持ち」なので、クルマ好きというよりはベンツの権威性をアピールしたいという風に思われがちです。
BMWなら走りに対する拘り・アウディなら先進性の追求といった感じで明確なコンセプトがあり、周囲に説明もしやすいですが、ベンツは一義的な主義・主張が少し弱い印象があります。
もちろんベンツも上記のような安全性・快適性を追求した多くの技術がありますが、輸入車に興味のない普通の人にはほとんど知られていないというのが実情です。
マジックスカイコントロールとかも結構凄いのにね。
スイッチ1つで変化させられて便利だね。
また、ベンツに乗る人の中にはメカ的な部分よりも派手なインテリアが好きだという人も多くいます。
ピアノブラックを多用したゴージャスかつラグジュアリーな内装や、ダッシュボードからドア・足元に数多く配置されたアンビエントLEDによりパーリーピーポー気分を味わえます。
これはあれだよね…、ベンツのことバカにしてるよね…?
いやいや、そんなことないって!
一方で、AMGモデルに乗っている場合は本当にクルマ好き・走り好きな人がほとんどです。
迫力や押し出し感を求める普通の人は、わざわざ同じサイズにエクストラコストを支払ってまで速いクルマに乗ろうとは思いません。
そのためアウディやBMW、フォルクスワーゲンにしなかった理由を聞いても明確に答えが返ってくる可能性が高いでしょう。同じスポーツ車でもメーカーごとに乗り味は全然違います。
BMWは走行フィールも排気音もより自然な感じ、アウディはちょっと人工的な印象があるかな。
ワーゲンはより乗用車感が残っている印象だね。
まとめ
今回は、高級輸入車の代名詞ともいえるベンツが持つ欠点5選についてご紹介しました。
ただ、ドイツ車に15年以上乗っている私から見てもやはりベンツの造りは非常にしっかりしていると感じます。世界トップの知名度と言われても納得する面もあります。
10年以上前はインテリアにテンキーがあったりして「何か野暮ったくてダサいなぁ…」と感じていましたが、今は全くそんなことはなく他メーカーと並んでオシャレになりました。
もちろん、他の人気ドイツ車であるアウディ・BMWにも欠点はあり、それぞれ同じく欠点5選としてまとめているので、ぜひ以下のリンク先より併せてご覧ください。
※アウディの欠点5選
※BMWの欠点5選