A35セダン試乗レビュー、
今回はAMGモデルの本領発揮となる、
走行性能をチェックしていきます。
スペックを見ても分かりますが、
完全に走るためにチューンされており、
試乗前からワクワクしていました。
ベンツは高級車の代名詞と言われるメーカーですが、実は意外な欠点もあることを見逃してはいけません。
ドイツ車歴15年超のアウディ・S3スポーツバックオーナーが考える、ベンツの欠点5選を以下のリンク先にまとめましたので、購入検討の人は必ず事前にチェックしておきましょう。
出足からAMGテイスト全開!
運転席に乗り込み、
300psを誇るエンジンに灯をともすと、
意外と静かなアイドリングです。
アイドリング時の音量は、
アウディS3と同じくらいで、
振動もほとんど伝わりません。
逆に言うと、
VWのゴルフRやポロGTIの方が、
音が大きいと感じるくらいです。
うん、ゴルフRは低く響く感じで、ポロGTIは乾いた抜けのいい音だったね。
スポーツモデルらしくていいね。
しかし公道に出て、
アクセルを軽く踏み込むと、
グイッと強い加速Gがかかります。
強いトルク感と、
明らかにスポーツ仕様と分かる、
勇ましいエキゾーストが聞こえます。
また驚くことに、
加速時のラグがほとんど感じられず、
かなり俊敏なレスポンスを見せます。
ここまでのレスポンスは、最近のターボエンジンでは見たことないよ!
踏むたびに身体が引っ張られるね。
もちろん自然吸気には劣りますが、
低排気量ターボエンジンの中では、
かなり心地よくスポーティな印象です。
走行モードは、
最も基本的なコンフォートでしたが、
それでも相当やる気の出る設定です。
ぜ、全然コンフォートじゃないって思ったよね。さすがはAMG!
走りたい感がバリバリ出てたね。
アウディのS3と比べても、
明らかに機敏なレスポンスで、
既にダイナミックモードに近いです。
S3は大人しめなので、
少し反応が鈍く感じることもあり、
加速時の踏み込みの調整が難しいです。
A35セダンは、
0-100km/h加速で4.8秒と、
かなりの俊足となっています。
一方のアウディS3も、
290psの出力で4.8秒であり、
絶対的な速さは同等だと言えます。
しかし、
街乗りでのレスポンスの差は大きく、
A35セダンの方が速く感じます。
踏み込むとグングン加速!
しばらく走っていると、
ちょうど前の道が空いていたので、
アクセルをグッと踏み込んでみました。
すると、
ほぼ出足の鋭さを維持した状態で、
勇ましい音と共に急加速が始まりました。
急加速の時も、
ターボラグはかなり少ない印象で、
リニアで気持ち良い加速感が魅力です。
ホント不思議なほどラグが無いよね。こ、これがAMGのパワー…!
アドレナリンがどんどん出てたよね。
また、
エンジン音もさらに迫力が増して、
相当スポーティな音質となります。
アウディS3のような、
システムで誇張されている訳ではなく、
あくまで自然なサウンドが好印象でした。
アウディS3だと、
激しい音色に誇張されていて、
非常に気持ちイイですが人工的です。
ただスポーツプラスに変更すると、
ますます出足や加速が鋭くなるために、
一般道では使うところがありません。
アクセル反応が敏感すぎて、
街中ではバタバタして大変なので、
峠かサーキット専用のような印象です。
全体的に見ると、
どのモードでも引っ掛かりはほぼ無く、
スムーズながらも鋭く加速します。
どこから踏んでも気持ちいいよぉ、ひええ~!
CO2をばら撒きたくなっちゃう…。
加速を続けて、
100km/hに近づいてきても、
全く加速感が衰えることはありません。
常にとっても元気だから、ホント走ってて気持ちいいね!
余裕たっぷりのエンジンだね。
ハンドリングも軽快かつ俊敏
峠を走ったわけではないので、
ワインディングは試せてませんが、
キュッと急ハンドルを切ってみました。
すると、
コンフォートモードでも反応は鋭く、
クイッと瞬時に車の向きが変わります。
S3の時と同じように髪がなびいたよね。コンフォートなんて絶対嘘だよ!
重厚で正確なハンドリングだったね。
ステアリングの重さは、
確かな重たさは感じるものの、
十分に快適なレベルでいい感じです。
S3よりは重たいものの、
常時使うことも可能なレベルで、
街乗りも許容できるレベルです。
また、
ハンドルの遊びは少なく、
細かな操作にも良く反応します。
スポーツプラスでなくても、
十分に車体を自在に操れるところは、
さすがAMGモデルだなと思います。
しかしこれだけ俊敏だと…?
加速も鋭く、
ハンドリングも敏感で、
スポーツ性能は抜群です。
その点からは、
特に言うことは何も無く、
とにかく楽しい車だと感じました。
しかし、
普段の街乗りを考えてみると、
少し疲れそうな印象があります。
足回りも硬く、
ガシッと締め上げられた印象で、
振り回してくれと言わんばかりです。
30分ほどの試乗でしたが、
乗り終えた頃には少し疲れていて、
首や腰が痛くなりそうな感じでした。
アクセルを踏み込むと、
リニアな立ち上がりは心地よく、
思った通りの加速が可能です。
ただ加速感は強く、
踏み込む度に身体が引っ張られ、
離すとガクッと定位置に戻ります。
気を使って優しく踏んでも、
強い加速感が身体に伝わるため、
あまりコンフォートではありません。
でもこれがAMGじゃないの!?文句ばっかり言っちゃダメ!
ま、まぁそうなんだけどさ…。
アウディS3では、
加速感は少し物足りないものの、
街乗りの快適性はバッチリです。
両立できないかもしれませんが、
コンフォートモードであれば、
もう少し控えめだと好ましいです。
また同様に、
ハンドリングも敏感ですが、
こちらはそこまで気になりません。
直進安定性も素晴らしいので、
街中を流すにも程よく快適で、
問題なくドライブできます。
ただできれば、
コンフォートモードのさらに下に、
もっと大人しいモードが欲しいです。
コンフォートの次はスポーツ・スポーツプラスで合計3モードだもんね。
A35にはエコモードが無いからなぁ。
走行モード別の乗り味は、
車種ごとに全く異なる印象なので、
名称だけでは判断できません。
例えばCLA180の印象だと、
スポーツモードにしたとしても、
A35のコンフォートにも及びません。
まとめ
A35セダンは、
さすがAMGと感じる仕上がりで、
まさにスポーツモデルという印象です。
加速やハンドリングは、
街中ではコンフォートでも持て余し、
なんだかもったいない感じがします。
しかし、
元々が飛びぬけたスポーツ仕様なので、
これくらいが適切なのかもしれません。
では最後に、
これまでの項目を全てまとめた、
総合的な評価をつけたいと思います。