ミニのクロスオーバー試乗レビュー、
ディーゼルモデル「クーパーD」の、
走りの部分に迫っていきます。
以前試乗した、
3ドアのクーパーSと比べると、
ボディが一回り大きくなっています。
ディーゼルエンジンは、
トルクフルなのが特徴ですが、
乗り味はどのように違うのでしょうか。
ディーゼル感の薄い車内
ブレーキを踏み込んで、
赤いエンジンスイッチを押すと、
エンジンに灯がともります。
エンジン始動時には、
心地よい振動が伝わりますが、
アイドリングは非常に静かです。
少し前までのディーゼルといえば、
ガラガラという音が常に聞こえ、
誰でもすぐに分かるくらいでした。
しかし、
クロスオーバーはとても静かで、
ガソリンエンジンとほぼ変わりません。
この辺りは、さすがDセグメントって感じしたよね。
雑音はしっかり遮断されてたね。
また、
軽くアクセルを踏んでみても、
ディーゼルらしい音は聞こえません。
ナチュラルな加速感が好印象
公道に出て、
クッとアクセルを踏み込むと、
リニアな反応で加速していきます。
3ドアのクーパーSと比べると、
300kgほど車重に差があるため、
やはり重みはそれなりに感じます。
しかし、
150ps/330Nmと高トルクであるため、
グイグイと車を引っ張ってくれます。
出足の感覚としては、
鋭いと感じる一歩手前くらいで、
非常に心地よい加速感です。
あまり出足が敏感過ぎても、運転しづらくなっちゃうもんね。
ゴルフRとかはそんな感じだったかも。
さらに深く踏み込んでも、
均質な加速感がしばらく続き、
非常に扱いやすいフィーリングです。
40km/hくらいから、
少し刺激が足りなく感じ始め、
より深く踏み込みたくなります。
ただ、
踏み込んでもディーゼルなので、
高揚感はそこまでありません。
まぁでも、上までエンジン回したい人はディーゼルエンジン買わないよね。
ここが物足りないんだよなぁ…。
さらに80km/h以降は、
惰性でゆるゆる加速する感じで、
パワフルな感覚はありません。
普段の乗り方として、
急発進や急加速をしないならば、
十分に快適に走ることが可能です。
しかし、
ググッと追い抜きをしたい時や、
峠を走る時は不満が残ると思います。
スポーツ性能も求めるなら、
ガソリンエンジンの「クーパーS」で、
バリバリ走るのが良いと思われます。
ゴーカートフィーリングは健在
ミニクーパーといえば、
ハンドル操作がダイレクトに伝わり、
キビキビした反応が特徴です。
この操作感の特徴を、
ゴーカートフィーリングと呼び、
ミニの代名詞となっています。
クロスオーバーモデルは、
3ドア・5ドアモデルと比較して、
大柄で背も高くなっています。
それでも、
ゴーカートフィーリングは健在で、
リニアなレスポンスを楽しめます。
直進走行中に、
ハンドルをクイッと切ってみると、
すぐに車の向きが変わってくれます。
全高1,595mmと、
SUVらしい高めの設定ですが、
ロールはほとんど感じません。
また、
タイヤが車体の端寄りに設置されていて、
座面が低くスピード感が強まります。
機敏な操作性と、
スピードを感じるデザインにより、
ゴーカート感が演出されています。
全力で踏み込んでみると…?
次に、
信号で前が空いていたので、
フル加速を試してみました。
エンジンの吹け上がりは、
鈍さを感じるゆっくりさで、
スポーティとは言い難いです。
また、
シフトアップもゆっくりなので、
毎回0.5秒くらい加速が途切れます。
0-100km/h加速は、
8.9秒という遅めのタイムで、
時速100kmまでは長く感じます。
やはりディーゼルエンジンは、
街乗り専用エンジンといった感じで、
あまり振り回す仕様ではありません。
まとめ
クロスオーバーは、
ミニの中では大柄なモデルで、
走行性能は多少の不安がありました。
しかし、
思ったよりロールも少なく、
ゴーカートフィーリングは健在です。
2.0Lディーゼルエンジンは、
太い低速トルクが心地よく、
均質な加速感が特徴と言えます。
急加速には向きませんが、
穏やかでも十分な加速なので、
街乗りでは不満は無さそうです。
では最後に、
これまでの項目をすべてまとめて、
総合的な評価をつけてみます。