今回は、2021年6月に日本販売を開始した新型ゴルフ8の走行性能をチェックします。
試乗したのは1.0eTSIですが、マイルドハイブリッド化されており、モーターによるアシストが効きます。今後の内燃機関廃止の流れを睨んだものだと言われていますが、動力性能の点からも十分にその恩恵を感じることができます。
◎サイズ…全長4,295mm×全幅1,790mm×全高1,475mm
ひと言…全幅-10mmでコンパクト、全高-5mmでスタイリッシュに。
◎エンジンスペック
1.0eTSI…110ps/200Nm(2,000~3,000rpm)
1.5eTSI…150ps/250Nm(1,500~3,500rpm)
◎ホイールベース…2,620mm
◎最小回転半径…5.1m
◎トランスミッション…7速湿式DSG
ひと言…ゴルフ7.5は乾式であるものの、実際ダイレクト感はそこまで違わない。GTI・Rは湿式だが、それでもあまり違わない。
◎車両重量
1.0eTSI…1,310kg
1.5eTSI…1,360kg
◎JC08・WTLCモード燃費
1.0eTSI…20.4km/L(JC08)、18.6km/L(WLTC)
1.5eTSI…18.7km/L(JC08)、17.3km/L(WLTC)
ひと言…実燃費は大体カタログ値の60~70%が目安です。
◎モーター出力…13ps/62Nm
ひと言…ゴルフ8は1.5eTSIでもモーターアシストがあります。A3は30TFSIのみ。
◎タイヤサイズ…16インチ 205/55、17インチ 225/45
◎コンセプトカラー…ライムイエロー
ひと言…フロント下部のオシャレな3本羽は「Active」と「Style」で、「R-line」にはありません。
【参考】VW公式サイト(Golf)
- 概要編
- エクステリア編
- インテリア編
- 走行性能編
- 総合評価編
出足や低速域は全く不満なし
クルマに乗り込んで、コンソールにあるクリック感皆無のエンジンスイッチを押すと、静かにエンジンに火が灯ります。
や、やっぱり押し心地は気にするのね…。
アウディのハプティックチームを見習って!
電気自動車という訳ではないので、普通にエンジンがかかりアイドリング音は聞こえます。静粛性はゴルフ7.5とほとんど同じくらいで、アウディやBMW等のドイツ車のCセグメントとしては平均的です。
ベンツAクラスはもう少し静かな印象があるかな。
乗り比べて初めて分かるくらいだけどね。
公道に出てクッとアクセルを踏み込んでみると、とても滑らかに加速を始めます。
変なモーター音も変な加速感も無く、単純にパワーのあるエンジンだという感覚です。実際には1.0eTSI(110ps/200Nm)と決して高くないスペックですが、十二分な加速感を味わえます。
48Vマイルドハイブリッドは予想以上の仕上がりで、半分くらいまでは踏み込んでもしっかり加速感があります。
同じ48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載するA3と比較してみると、今回はゴルフ8の方が力強く加速する印象があります。
さらに、アシストがかかる速度域を超えた部分でも、A3は踏み込みに対して頭打ち感を覚えるのが早く、3気筒1.0Lエンジンの上限を感じてしまいます。
中間加速も60km/h辺りまではリニアな感覚で、街中での流れをリードすることすらできそうな雰囲気です。80km/h手前からは少し苦しいかなという感覚を受けますが、それでもよく加速します。
DSGのシフトアップは鈍い
ダイレクト感がウリのDSGですが、乗り味としては先代ゴルフ7と同様にさほど機敏ではありません。2,000~3,000rpm付近で静かにシフトアップする分には違いはあまり分かりませんが、4,000rpm以上だとゆっくり回転数が下がって次のギアへと繋がる感覚があります。
ゴルフGTIやRになるにつれて少しずつ速くシフトチェンジするようになりますが、アウディのS3と比較するとパキッと変わる感覚には結構な差があります。
全開加速はエンジン音が良い!
しばらく走っていると前の道路が空いたので、グッと強めに踏み込んでみました。
すると2速までシフトダウンして、なかなか勇ましいサウンドと共に気持ちよく速度が乗っていきます。エンジン回転数を4,000rpm以上まで上げるとさすがに1.0Lの限界を感じますが、それでも同じ1.0LのA3 30TFSIより加速感は上です。
※参考 A3 30TFSI
ただ、それよりも好印象だったのがやる気にさせるエンジンサウンドです。
低く唸るような迫力のあるサウンドは、上まで回る度に高揚感さえ感じさせる魅力があります。本来のエンジンは1.0Lであることを考えると、多少作られているサウンドという印象はありますが、違和感は全く感じません。
3気筒とは思えない気合いの入ったサウンドだよね。
ライバルのA3とは随分違う音だよねぇ。
しかし電動アシストは低速域中心なので、0-100km/h加速は決して速くはありません。
フル加速してもシートに押しつけられるような感覚は無く、冷静に「おぉ〜、やってるやってる」という感じです。ただ、1.0Lと聞いて国産のコンパクトカーを思い浮かべる人からすると、素晴らしい加速とサウンドであるはずです。
ゴルフ7.5の1.4TSIよりイイんじゃないかなぁ。
少なくとも大きな差は感じないね。
ドイツ車らしく足回りは硬め
今回試乗した「Active」は標準サスペンションですが、乗り味はしっかりドイツ車のソレです。
国産車と違いフワフワした感じは一切なく、段差を越えるときもシャープないなしが魅力的です。
タタッ、ドドッ、っていう感じだねっ!トトンッ!
う、うん…それで伝わるかい…?
他のCセグメントであるアウディA3やBMW1シリーズと比べるとおおよそ似た傾向ですが、初めてドイツ車に乗る人にとっては間違いなく硬く感じるハズです。
しかも先代ゴルフ7.5と比べても、何だか少し硬くなった印象すらあります。
そのため、腰や首は振動が伝わり過ぎないようしっかりとケアしておくことが大切です。座り姿勢は立っている時と比較して、身体には1.4倍もの負担がかかると言われています。
シートクッションを使うのが理想ですが、中でも最もオススメはエクスジェルのクッションです。
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運転による腰痛は血行不良が原因と言われていますが、実はクルマ自体に原因が潜んでいる場合もあります。
腰痛予防の対策3選と一緒にご紹介していますので、お金をかけずに解決してみたい人はまずこちらの記事を参考にしてみましょう。
ゴルフ8は中古車も豊富にある
ゴルフシリーズはワーゲンの主力モデルということもあり、市場にはたくさんの中古車が出回っているため豊富な選択肢の中からお気に入りを選ぶことが可能です。
ゴルフ8の中古車の選び方は「ゴルフ8中古車購入マニュアル」として以下のリンク先で徹底解説しているので、人気グレード・仕様を安く手に入れたい人はぜひご覧ください。
例えばガソリンエンジン(eTSI)の中古車相場をグラフにまとめると以下のような感じです。Active Basicを除くと概ね250~350万がボリュームゾーンとなっています。
StyleとR-Lineの価格差は約10万しかないにも関わらず、R-Lineは装備が非常に充実しており中古車相場も高止まりしているため、せっかく選ぶならR-Lineが良さそうです。
■ ゴルフ8中古車(eTSI)の中古車価格相場
ただR-Lineは開口部が大きくて、デザインがStyle以下と違うから好みが分かれるところかも。
意外とフロント部の3本ラインもカッコいいもんね。
他に、上記のリンク先記事ではボディカラーも比較調査してみました。コンセプトカラーはライムイエローですが、実際の中古車を見るとそこまで比率が高くないことが分かります。
定番のホワイト・ブラックの次はレッドとなっていますが、ライムイエローは約6%とデビュー時のインパクトを考えると少なめの台数に落ち着いている印象です。
■ ゴルフ8中古車のボディカラー分布
海外ではグレー系って凄く人気だけど、やっぱり日本では不人気なんだね。
白でも黒でも無い中途半端な感じがイヤなのかな…?
ただ、やはり中古車は状態の判断が大切で、輸入車は維持費がかさみがちです。信頼できる知識のある人に相談して確認しておかないと思わぬハズレを掴む可能性もあります。
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まとめ
新型ゴルフ8は、1.0TSIエンジンにモーターアシストを加えた、48Vマイルドハイブリッド仕様となりました。低速域ではしっかり加速感がアップしていて、1.0Lエンジンとは思えない動力性能を示します。
さすがに全開加速は厳しいですが、50%付近までの踏み込みであればしっかりと操作にも追従してくれます。1.5eTSIまでいかなくても、スポーツ走行を狙うのでなければ十二分な走りをしてくれます。
では最後にこれまでのエクステリア・インテリア・走行性能を総合的に評価して、10点満点で点数を付けてみたいと思います!
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