近年流行しているサブスクの自動車版ですが、まだまだメインストリームは新車購入です。増えているとは言うものの利用者側の情報が少なく、興味があっても一歩踏みとどまる人が多いのだと思います。
今回は、これまでの新車購入と自動車サブスクの相違点3選をご紹介します。まずは両者の違いを把握して、自分にはどちらが向いているかを検討しましょう。
その後、メリット・デメリットの確認⇒人気の自動車サブスクを選ぶという順番だと失敗せずに決断できるのではと思います。
※オススメのカーリース5選…人気カーリース5社を厳選してそれぞれの特徴を比較
※契約期間の決め方…3年・5年・7年から最長11年まで、ライフスタイルと選び方の基準
※走行距離の決め方…主な月間1,500kmの使用イメージと、必要な距離が分かる方法
※カーリースと任意保険…任意保険が付くカーリースと、自動車保険の保障を簡単に説明
※カーリース契約の流れ…ネット申込みからリース審査、納車までのフローを整理
※契約満了時のクルマは?…返却するかもらうか、その際の精算方法についても言及
※カーリースと新車購入の違い…新しいカーリースとこれまでの新車購入の違いを解説
※カーリースが向いている人5選…クルマの乗り方とカーリースの向き不向き
※カーリースのメリット5選…「カーリースは何が良いのか?」を5つに絞ってご紹介
※カーリースのデメリット5選…「カーリースで気をつけること」を5つに絞ってご紹介
車のサブスクリプションって?
音楽や映画を中心に人気のサブスクですが、まずは「サブスクリプション」という言葉の起源を辿ってみましょう。
最近は自動車以外でもよく耳にする「サブスクリプション」という言葉は、英語の「subscription」から来ています。
元々「subscription」は、定期購読・寄付・賛成・署名など様々な意味を持つ英単語です。その中で雑誌の定期購読の意味が転じて、定額制サービスを指す言葉となりました。
音楽では「Spotify」や「Amazon Prime Music」が有名だよね。
Amazon Musicは月額980円!
自動車のサブスクリプションでは、運営会社に毎月定額を支払うことで手軽に車に乗ることができます。
レンタカーだと1日だけですが、それを3年・5年と月払いで借りるのが「車のサブスクリプション(カーリース)」です。しかも月額には毎年払う税金や数年おきの車検、メンテナンス費用等も全てコミコミの金額となっています。
ふむふむ、つまりレンタカーの超なが~いバージョンってことだね!
でも感覚的には自分のクルマとして乗れるよ。
レンタカーとは違って乗れるのは新車なので、中古車が苦手な人にもオススメです。納車してから返却するまで自分以外の人は乗らないので、契約上は借り物ですが実感としては自分の所有物です。
他には、よく自動車サブスクとカーリースとの違いが話題に上がりますが、これは基本的には同じです。
主な違いはこんな感じです。
自動車サブスク | カーリース | |
いつから? | 2019年頃から | 30年前から |
契約期間 | 1年~11年 | 主に3年~5年 |
メンテナンス | 全て含まれる | 含まれないことが多い |
月額 | 少し高い(メンテ費用分) | 安い(メンテは別途) |
「わ」ナンバー? | 「わ」ナンバーでない | 「わ」ナンバーでない |
任意保険 | 付帯する(※) | 付帯しない |
※実際には付帯しないケースが多くなっている
元々カーリースは法人で利用されることが多く、個人では普及していませんでした。最近は自動車サブスクに影響され、カーリースでもメンテナンスが付いていたり、短期間の契約も増えてきており、両者の違いはほぼ無くなってきています。
任意保険はトヨタの「KINTO」だけが含まれ、他のサブスクは基本的に任意保険は別加入です。本来の定義上は含まれると思われますが、現状とは少し異なっています。
トヨタの誇る任意保険+充実メンテ!
新車購入と違うポイント3選
次は、新車購入とサブスクで異なるポイントを見てみます。
まだサブスクは普及しだしてから2~3年なので、「興味はあるけどよく分からないし…」と踏みとどまっている人も多いはずです。それぞれの違いを知り、サブスクの特長を理解することで判断もしやすくなるでしょう。
5年までならサブスクが安い
まず必要なお金を単純に比較すると、新車購入とサブスク契約だと5年目まではサブスクの方が安くなることが多いです。
新車で購入すると、各種税金や自賠責保険・登録代行費用等といった様々な費用がかかりますが、サブスクだと初期費用も全て月額に含まれて契約期間で平準化されます。
- 自動車税
- 自動車重量税
- 自賠責保険
- 自動車リサイクル料
- 登録代行費用
- 納車費用
- 下取り代行費用
- ディーラーへの謝礼
etc…
…ん?最後の謝礼って何なの…?
いや、これからもよろしくね的な…。
サブスクだと必要な費用は全て月額コミコミで、車検やメンテナンスを受ける時でも別途料金を支払う必要はありません。このお手軽さが、新車購入にはないサブスクの大きな魅力の1つと言えるでしょう。
消耗品交換等のメンテナンスを行うべきタイミングでは、ちゃんとアナウンスしてくれるので交換時期を気にする面倒もありません。自分で決めていると、ついつい後回しにしてしまったりするので安心です。
- 車検…2年に1回(初回のみ3年)
- タイヤ交換…2~3年に1回
- オイル交換…1年ごと推奨
- バッテリー交換…3~4年に1回
- ブレーキパッド交換…4~5年に1回
ここで試しに新車購入とサブスクで金額を比べてみます。輸入車代表として、フォルクスワーゲンのゴルフ8に登場してもらいます。
輸入車サブスクは非常に珍しく、今は「SOMPOで乗ーる」のみであることから、この「SOMPOで乗ーる」の契約期間である3年・5年・7年・9年のそれぞれで支払総額をチェックしてみます。
フォルクスワーゲン・ゴルフ8(1.0eTSI ACTIVE)
新車価格は税込312万。
- SOMPOで乗ーる
3年⇒月額85,820円…支払総額308万
5年⇒月額67,780円…支払総額406万
7年⇒月額61,620円…支払総額517万
9年⇒月額56,340円…支払総額608万
※ライトメンテプラン・走行距離1,000km
試算結果を見ると、5年サブスクで乗ると新車価格+オプションや諸費用とほぼ同じとなりますが、サブスクには車検・税金・メンテナンス費用が全てコミコミとなっているため、総額としてはまだサブスクの方が安いかもしれません。
ただ、新車は売却できるので、その後のクルマの使い方次第では少し新車がお得になります。
サブスクは期間が決まっている
次に新車に無い特徴として、サブスクは「車を借りる」という仕組みなので契約期間があります。多くの場合3年・5年・7年の3パターンから選ぶこととなり、ライフスタイルや状況に応じて選択します。
例えば単身赴任中の3年、子どもが小学校卒業までの5年はワンボックスに乗りたいなど、契約する時に計画的に考えておく必要があります。長期の契約だと「定額カルモくん」のように11年が選べるサブスクもあります。
中途解約も約款上可能ではありますが、かなり割高な違約金を支払うこととなってしまいます。リースという契約上、契約満了までの月額は全て支払わなければならないサブスクがほとんどです。
中途解約金=①(未払リース料)+②(遅延損害金)+③(残期間分リース料)+④(事務手数料)+⑤(残存価格)-⑥(未経過費用)-⑦(車両査定価格)
【各項目説明】
①(未払リース料)
⇒毎月の支払で未支払分があるときのみ
②(遅延損害金)
⇒支払いが遅れたときのみ
③(残期間分リース料)+⑤(残存価格)
⇒残りの期間分は乗ったとして支払う必要あり
④(事務手数料)
⇒それほど高額とならないことが多い
⑥(未経過費用)
⇒【控除】行うはずだったメンテナンス・部品交換費用は差し引ける
⑦(車両査定価格)
⇒【控除】最終的な車両の売却価格も差し引ける
一方の新車では契約期間なんてものはなく、いつまでも好きなだけ乗り放題です。ただ実際は残価設定ローンを使って、3~5年で乗り換えてしまう人も多くいます。
数年おきに乗り換えるなら、同じ新車で手間もかからないサブスクがイイかも。
新車に乗れるのは同じだしねぇ。
サブスクでも長い契約期間では10年以上が選べるものもあります。長期間になると手数料が嵩み割高にはなりますが、メンテナンスの心配が無いのは魅力的です。
私たちが前に乗ってたA3も色々と修理代かかってたもんねぇ。
タイヤも17インチだったしなかなか…。
契約期間が長くなるほど、手間いらずでクルマに乗れるサブスクは便利さを実感する機会が増えると思います。想定している期間より少し余裕を持って期間を設定するのが1つのコツと言えるでしょう。
サブスクは任意保険が付かない
クルマの保険には大きく分けて2種類あり、それは自賠責保険と任意保険です。新車でクルマを買って乗っている人で、任意保険を付けていない人は皆無かと思われます。
しかし任意保険は等級が低いうちは保険料が高く、クルマの諸費用でも高額な部類に入ります。現在のサブスクにはこの任意保険がついているのはKINTO以外ほぼありません。
自動車サブスクは任意保険は付帯していないところがほとんど。自賠責保険(対人賠償)は付帯しているが、死亡や後遺障害といった重篤なケガの場合は補償額が不足する可能性もある。また車両損害等の物損は一切補償されないため、基本的にサブスクの月額負担とは別に保険加入する必要がある。
ただ実際はサブスクに任意保険が無いことが一概にダメなわけではありません。もし、車両を返却した後に自分で新しくクルマを買ったとすると、その保険等級は6等級から始まります。
自分で任意保険に加入していると、次のクルマにも等級を引き継げるので、安い保険料で任意保険を付帯できるというメリットもあります。
また任意保険は確かに高額ですがその分の価値があるので、必ず充実した保障で加入するようにしましょう。車両保障はよく外す人がいますが、お家でぶつけても事故に遭っても使う頻度が高いので、必ず付けるようにしましょう。
もの凄くシンプルに自動車保険をまとめると次のようになります。特約の中では「弁護士費用特約」は1,000円少々で付帯でき、揉めた時にとっても便利なので必ず付けるようにしましょう。
車両補償…自分のクルマ
対人賠償…相手のケガ
対物賠償…相手のクルマ
年齢条件とか家族限定を付ければ保険料が安くなるけど、どうかな?
イレギュラーな時もあるからお勧めできないね。
保険に詳しい人はなかなかいないので、その場合はまず同じ補償内容でまとめて見積りを取り寄せてから、価格と細かい内容を見比べて決める方法が最も効率的です。
保険一括見積りでは業界最多の20社から取り寄せができて、なおかつ無料依頼が最短3分で完了するインズウェブが最初に利用するならオススメです。
\平均で36,682円も保険料が安くなる!/
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まとめ
サブスクは長期間に渡ってクルマを借りることで、意味合いとしてはレンタカーの長期版です。
5年までの短期利用ならサブスクは割とお値打ちですが、それ以上でもメンテナンスや支払いの手間が面倒なら十分メリットがあります。
ただ契約期間が決まっているので、新車購入よりもしっかり見通しを立てておく必要がある点は注意です。途中でクルマを変更することもできないので、事前によく検討しておきましょう。
任意保険の有無は、サブスクの利用後に自分でクルマを買うかどうかで大きく変わるポイントです。今後どこかで自分のクルマを購入する可能性が少しでもある人は、自分の等級が上がるので任意保険無しでも問題ありません。
サブスクと新車購入の違いが分かれば、次は自動車サブスクのメリット・デメリットをチェックしてみましょう。