タイヤのインチアップとは、主にタイヤの外径を変えずにホイールを大きくしてカッコよく見せるドレスアップです。
魅力的なインチアップですが、「外径を変えない」ためには外径サイズを計算して新しいタイヤに適合させる必要があります。

えー、自分で計算するの!?そんなの難しくてできないよ…。
普通はそうだよね、でも大丈夫。
ネット上には無料で使えるタイヤサイズ早見表があるので、どのサイズにインチアップできるかを一覧で見ることができます。
今回はタイヤのインチアップにおけるメリット・デメリットと、実際に適合するタイヤサイズの計算方法について分かりやすく解説します。

オートウェイは検索した適合タイヤをそのまま購入できるね。
1本3,000~7,000円の低価格タイヤがお得意。
ブリジストンのREGNO・POTENZA、ピレリ・ミシュラン・コンチネンタルといった高級タイヤは、人気タイヤ通販の「タイヤフッド」なら格安で手に入ります。


コンチネンタルはS3スポーツバック純正タイヤでとってもイイ感じだし、ピレリはF1由来のテクノロジーが魅力だね。
どちらも値は張るけど高性能なタイヤだよね。
コンテンツ
タイヤのインチアップとは
タイヤのインチアップとは、一般的にタイヤ自体の外径はそのままにホイールを大きくすることを言います。
下の図では、タイヤが15インチ→17インチに2インチアップしていますが、タイヤ外径自体は全く変化していません。
インチアップした分だけホイールが大きくなり、その分タイヤが薄くなるのが特徴です。
■ タイヤインチアップのイメージ図

かなりスタイリッシュな見た目に変わるよね。
2インチは全然印象が違うからね。
タイヤ外径は変化させるとダメ
インチアップに当たっては、タイヤ外径は変化させないことが前提条件です。一定のラインを超えると車検適合外となってしまいます。
タイヤ外径を大きくするとタイヤがホイールハウスに接触して走行できなくなったり、スピードメーターやオドメーターが狂ってしまいます。
特に車検基準ではスピードメーター検査が厳しく、実速度とメーターで6%以上の誤差が出ると車検に通らなくなってしまいます。
スピードメーターが40km/hの時点において、実際の走行速度を30.9km/h〜42.55km/hの範囲内に収める必要がある。例えば、メーターで100km/hでも実際に106km/h出ていれば車検は通らない。
一方、タイヤ外径差は-3%から+2%が許容範囲と言われているので、この目安を超えてしまわないよう気を付けましょう。
ロードインデックス不足も車検に通らない
もう1つ注意しておくべき指標がロードインデックスです。
ロードインデックスとは、タイヤ一本が支えることのできる最大荷重を示しており、タイヤ側面の『225/40R18 92W』等の表記における『92』の部分です。
■ S3スポーツバックのタイヤ(Pilot Sport 4)


あれ、私たちのミシュランタイヤにはロードインデックスが無いよ?
この場合は『ZR』が示しているんだ。
タイヤサイズの見方には色々とルールがあるので、読み方や詳しい説明は以下の記事を参考にしてください。インチ・扁平率で受けるイメージなんかもご紹介しています。
ロードインデックスは以下のような一覧表となっています。インチアップしてタイヤが薄くなると負荷能力も低下するので、純正タイヤの数値を下回らないように気を付けましょう。
■ ロードインデックス一覧表(一部抜粋)
LI | 負荷能力(kg) | 4本の最大荷重(kg) |
60 | 250 | 1,000 |
65 | 290 | 1,160 |
70 | 335 | 1,340 |
75 | 387 | 1,548 |
80 | 450 | 1,800 |
85 | 515 | 2,060 |
90 | 600 | 2,400 |
95 | 690 | 2,760 |
100 | 800 | 3,200 |
ロードインデックスが不足していると、少しのひび割れや劣化に弱くなってパンクしたりバーストする可能性があります。なるべく余裕を持ったタイヤを選ぶようにしましょう。
ちなみに『ZR』は、登場した時に「これ以上高性能なタイヤなんてない!」との自信で、ロードインデックスの表記を省略可としていたためです。
しかし、その後の技術進歩により『ZR』の負荷能力を超えるタイヤがたくさん出てきたので、現在は『ZR』表記の後ろにロードインデックスを加えて表記しているケースもあります。

これ以上の性能のタイヤは出ないっていう意味で『Z』が使われていたんだよね…。
アルファベット最後の文字ね。ドラゴンボールと同じ感じのやつ。
インチアップのメリット3選
近年は様々なデザインのホイールが販売されていて、タイヤのインチアップは手軽にできるドレスアップとして非常に人気があります。
しかし、メリット・デメリットをきちんと把握していないと交換後に後悔してしまうことにもなりかねません。まずはインチアップで得ることができるメリットを見てみましょう。
見た目がカッコいい
やはり最大のメリットは何といっても「見た目の迫力アップ!」コレです。
おおむね18インチくらいになるとサイドビューも迫力が出て威圧感が感じられるようになってきます。例えばワーゲン・ゴルフRだとこんな感じです。
■ ゴルフR(18インチ)

クルマ好きの人が見ると、ゴルフRを知らなくても「お、そこそこ走るやつかな?」といった印象を与えられます。ホイールとフェンダーの隙間が狭くなるほどスポーティに見えます。
次に、私の乗るアウディ・S3スポーツバックだとこんな感じです。こちらも18インチで、おおよそゴルフRと似たような印象です。
■ S3スポーツバック(18インチ)

一方、ほぼ同じ見た目のA3スポーツバックの最廉価グレードだと、ホイールは16インチです。2インチ違うと随分違った印象に感じるハズです。

私たちが前に乗ってた2010年頃のA3スポーツバックだね、懐かしい。
2.0TFSIのS-lineに乗ってたんだよね。
ハンドリング性能が向上する
インチアップするとタイヤが薄くなることから、通常よりサイドウォール(タイヤ側面)のたわみが少なくなります。
そのため、操舵に対するレスポンスが向上して思い通りに操りやすくなるというメリットもあります。履き替えた人なら分かりますが、これは確かに全然違います。

特にフワッフワの分厚いタイヤから履き替えるとビックリするよね。
シャッ!シャッ!って走るよね。
別にサーキットを走ったり峠を攻めたりしなくても、公道でただ曲がる時であっても機敏なレスポンスで気持ち良くドライブが楽しめるハズです。
扁平率が10以上変わると効果がすぐ実感できるレベルになります。ただし『55』⇒『40』というように落差が大きすぎると、逆に硬すぎて不快に感じることもあるので要注意です。
扁平率はタイヤ幅に対するタイヤ側面の割合を表したもので、一般的に『50』より低いと低扁平タイヤ(薄くてスポーティなタイヤ)と言われます。低扁平タイヤに履き替える時は、その差が10程度であれば程よくスポーティになり変化を楽しめます。
走行性能が向上する
タイヤをインチアップするとタイヤ幅は同じでも路面と接する面積が増えるため、踏ん張りが効き加速時に動力が伝わりやすくなります。
コーナリング時に遠心力に耐える力が向上することによるグリップ向上・接地面積が広くなることによるブレーキング性能の向上等の走行性能アップも期待できます。
その他意外なメリットとして、ホイール大径化に伴いブレーキの冷却機能も向上するため、フェード現象等のブレーキ性能低下が予防できるという点も挙げられます。
タイヤのインチアップによる走行性能の向上としては、加速性能・コーナリング性能・ブレーキング性能等の向上が主な要素として挙げられる。インチアップにより路面との接地面積が増えること、ホイール大径化による冷却機能の向上がその理由。
インチアップのデメリット3選
一方、タイヤをインチアップすることによるデメリットも当然存在します。
インチアップしたい人にとってはあまり気にならない点が多いかもしれませんが、車検に通らなくなるとダメなのでそこだけは最低限押さえておくようにしましょう。
足が硬くなり乗り心地が悪化
タイヤをインチアップすると、サイドウォールが薄くなるため地面からのショックを吸収する量が少なくなります。
そのため、ダイレクト感を楽しめる一方で足回りは硬くなり、小さな段差でも拾ってしまい車体が揺すられる場面が増えます。

まぁこれはインチアップする人は全員分かって交換してるよね。
ただ想像以上に硬くなるケースもあるからねぇ。
この場合もメリット3選でお伝えしたように、扁平率の変化幅は10までにしておいた方が無難です。特に元から低扁平タイヤだったものを10以上薄くするのはオススメできません。
例えば『60』⇒『45』なら楽しめるかもしれませんが、『45』⇒『30』はS3スポーツバックに乗る私でも抵抗があるレベルです。『30』はフェラーリやランボの扁平率でガッチガチです。
転がり抵抗アップで燃費低下
タイヤインチアップのメリットとして、路面との接地面積が広くなることを挙げましたが、逆に言うとその分摩擦が増えるので燃費は悪化します。
タイヤ幅の違いによる燃費の落ち幅について、約13,000kmずつ走行した場合に215と235で約7%違うという検証結果があります。詳しくはタイヤサイズの見方の記事をご覧ください。

もし10%違うとすれば、ガソリン代が20,000円/月なら2,000円アップってことかぁ。
1年間積み重なると結構な金額だよね。
ロードノイズが増える
最後のデメリットは、こちらも接地面積が増えることによる弊害です。足元から発生する騒音をロードノイズと呼びますが、実はロードノイズは厳密には2種類あります。
接地面積が増えることで路面の振動から伝わるロードノイズと、タイヤのトレッドパターンを空気が抜けることによるパターンノイズで、これら両方が増加します。

どっちも「ロードノイズ」でまとめちゃっていいんじゃ…?
要は足元から聞こえてくる騒音って意味だからね。
ただこの点はタイヤの性能によって大きく変化します。タイヤをインチアップしたとしても、静粛性に優れたタイヤに変えればむしろ車内が静かになるハズです。
前述の乗り心地についても同様で、プレミアムコンフォートタイヤと呼ばれる静粛性・乗り心地・走行性能全てが優秀なタイヤなら全然気にならないと思います。


ブリジストンならレグノ、ダンロップならビューロだね。
輸入タイヤだとミシュラン・プライマシー4とか。
しかしプレミアムコンフォートタイヤは、性能に優れているだけあって価格も最上級となっています。タイヤは通販が店舗型より2~3割安いので必ずチェックしましょう。
「オススメ人気タイヤ通販ランキング11選」と題して、様々なタイヤ通販をマルッとまとめているのでタイヤを安く手に入れたい人は要チェックです。
タイヤインチアップ対応の早見表
タイヤをインチアップする際には、なるべく外径を変化させずに行う必要があります。自分で変更前と変更後の外径を計算するのは大変なので、無料のインチアップ早見表を使いましょう。
外径が変わると先述の通りメーター誤差により車検に通らなくなったり、ハンドルを全開に切った時にタイヤハウスに干渉することがあり危険です。

車検に適合すればいいだけじゃなくて、ちゃんと安全に走れないとね。
そう、事故が起きてからでは遅いからね。
目安として、インチアップは2インチまで、タイヤ幅は1ランクアップ(165⇒175、205⇒215など)に抑えておくことが望ましいです。
大幅なサイズ変更の場合はオフセット量も調整しないと見た目のバランスが狂ってしまう可能性があり、ネットでサイズだけを見て購入するのはオススメできません。
タイヤのインチアップは2インチまで、タイヤ幅は1ランクアップ(165⇒175、205⇒215など)に抑えておく。それ以上のサイズアップは専門店や整備担当者に相談する方がよい。
それでは以下で、ネットで使える無料のタイヤサイズ早見表を2つご紹介します。どちらも手軽に使えるツールなので、事前にサクッと適合サイズを見ておきましょう。
普通乗用車用タイヤサイズ変更 早見表
タイヤサイズ早見表で最も便利なのは「普通乗用車用タイヤサイズ変更 早見表」です。
現在履いているタイヤ幅・扁平率・サイズを入力するだけで、適合タイヤのサイズを外径差が小さい順に2色の色分けで教えてくれます。
下部の「表示する範囲」は自動選択されるので、上段の3項目だけを入力してみましょう。

試しにS3スポーツバックの純正タイヤサイズ『225/40 R18』を入力して「計算実行!」のボタンを押して検索すると、以下の一覧結果が表示されます。
『225/40 R18』だと外径637mmなので、推奨される±5mm(632~642mm)に収まっている場合に黄色で表示されます。

±15mmに収まっている場合は緑色で表示されますが、基本的には黄色から選択しましょう。元々車高の低いスポーツモデルだとタイヤハウスに干渉するかもしれません。
同じ18インチでは同サイズを含めて3パターン、19インチでは4パターンが推奨範囲内なので、このサイズから好きなタイヤ・ホイールを探すことになります。
- 18インチ…205/45、255/35
- 19インチ…215/35、225/35、255/30、265/30

265/30とかも履けるんだ、迫力スゴそう…。
タイヤ価格もグッと上がるけど…。
オートウェイのタイヤ外径計算機
2つ目のタイヤサイズ早見表は、タイヤ通販最大手「オートウェイ」のWebサイト内にあるタイヤ外径計算機です。
純正タイヤサイズを入力すると外径が表示されます。さらに別のタイヤサイズを入力すると、その下に外径が追加でドンドン表示されます。



公式の使い方では、その中から外径差の小さいサイズを見つけるんだね。
でもこれだとかなり面倒なんだよねぇ…。
実は「計測する」を押下して、ススッと下部にスクロールすると外径が近いサイズの一覧表が記載されます。
誤差±5mmの黄色部分をクリックすることで、上部に該当タイヤ一覧が表示されるのでココから選ぶのが最も便利な利用方法です。

オートウェイはアジアンタイヤを中心とする低価格タイヤが得意なので、18インチでも1本7,000~10,000円と激安です。
ただ、ピレリ・ミシュラン・コンチネンタルといった海外メーカーや、ブリジストンやダンロップの国産メーカーの高級タイヤが欲しい人はタイヤフッドがお勧めです。
ブリジストンやミシュランの一部タイヤでは店舗型の40%OFFで手に入ることもあり、4本で100,000円以上の差が生じるケースもあります。
■ タイヤフッドのタイヤ価格一覧
タイヤ種類/販売店 | 店舗型(※1) | タイヤフッド![]() |
ブリジストン REGNO GR-XⅡ | 60,200円 | 39,900円(-34%) |
ブリジストン POTENZA S001 | 59,300円 | 35,090円(-41%) |
ピレリ CINTURATO P7 | 35,600円 | 26,730円(-25%) |
ミシュラン Pilot Sport 5 | 41,800円 | 23,320円(-45%) |
コンチネンタル SportsContact5 | – | 36,080円 |
※1 オートバックス・イエローハット・タイヤ館いずれかの実売価格
※2 18インチ 225/40(45)にて市場価格を独自調査(2023)

サイズを間違っても無料で交換保証!
ディーラーやカー用品店、タイヤ専門店等どこでタイヤを購入しても、インチアップしたタイヤが履けないからといって交換はできません。
店員さんに相談はできますが、あくまでも購入は自己責任です。乗り味が良くない・思っていたのと見た目が違うといった理由での返品ももちろんダメです。

まぁそりゃそうでしょ…、何でも交換を認めてたら大変なことになっちゃう。
店員さんと揉めるのもイヤだしねぇ…。
しかし、タイヤ通販のタイヤフッドなら「サイズ間違いあんしん保証」という無料保証が全てのタイヤに付き、タイヤが履けない場合は無償で返品可能となっています。
タイヤサイズ(タイヤ幅、扁平率、ホイールサイズ、ロードインデックスのいずれか)の選択を誤ったことが故意でなければ適用対象となります。
■ サイズ間違い安心保証の利用3ステップ
![]() |
STEP1:タイヤ単品を購入し、店舗交換予約を選択(タイヤ・ホイールセットは対象外)。購入時の申し込みは不要。 |
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STEP2:交換店舗でサイズ間違いだと分かった場合は「サイズ間違いあんしん保証」を申請。 |
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STEP3:正しいサイズで再注文。後日、改めて予約店舗にてタイヤ交換。 |
※利用条件1…サイズ間違いによる商品変更はご購入者お一人様につき一回まで
※利用条件2…申請期限は店舗交換予約日から5日以内
※利用条件3…タイヤのみのご購入かつ店舗交換予約の方限定(タイヤ・ホイールセット、自宅配送は対象外)

ただし「タイヤは履けるけど乗り味が良くない」「見た目が好みでない」といった理由では返品できない点は注意です。それでももしもの時の保証としてはとっても安心です。

他のタイヤ通販では似たような保証は無いの?
自分の知る限りでは無いんじゃないかな。
まとめ
タイヤのインチアップは適合サイズをしっかりと見極めることが大切です。
タイヤサイズ早見表を使って、外径はそのままにホイールをサイズアップすることが可能です。外径差は±5mm以内に収まるようにしましょう。
サイズ変更により見た目や走行性能の向上が期待できますが、乗り心地や燃費の低下といったデメリットもあるので慎重に決めましょう。
タイヤ幅が太くなったり、ホイールが大径化したことによりタイヤハウスに干渉する心配がある人は「サイズ間違いあんしん保証」のあるタイヤフッドがオススメです。