S3 Sportsbackのオーナーレビュー、今回はディーラー試乗では分からない意外な応答性について詳しく踏み込んでご紹介します。
280ps/380Nmというスペックだけを見ていては分からない、ただクルマが軽いだけじゃないネガティブな部分も正直にレビューしたいと思います。
もうS3スポーツバックには5年以上乗ってるから、隅から隅まで知ってるもんね。
50,000km近く乗ってきたもんねぇ。
S3スポーツバックにはこの記事以外にも、お気に入り3選・残念ポイント3選も記事やアウディの欠点3選といったメリット・デメリットをたくさん紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
0-100km/h加速4.9秒のクワトロ!
S3に乗り始めた頃は、気分もウキウキなのに加えて機敏な反応に大満足していました。特に2,000回転以降はおいしい部分がずっと続いて途切れなく加速させてくれます。
A3とは全く別の車のようで、アクセルに足を乗せるだけで街乗りはこなせます。0-100km/h加速は280馬力の初期モデルでも4.9秒で、名実ともにスポーツカーと言えます。
4秒台だとスポーツカーとしても相当速い部類だよね。
国産車ならほぼ敵なしじゃないかな。
踏み込んだ時の加速感はますます激しくなった印象でバンバン吹かしたくなります。さらに、S3にはquattro(クワトロ)と呼ばれる優秀な4輪駆動システムがあります。
そのおかげでクルマが手足のように動いてくれるため、さらにキビキビした走りを楽しめます。アウディドライブセレクトをダイナミックに変えると相当に機敏です。
フル加速でも全然ホイールスピンしないところは、さすがクワトロ!
FFと比べたら全く別モノだよね。
ダイナミックモードにすると前後の駆動配分が50:50となりクワトロの本領発揮となります。その他にも、ステアリングが重くなったりエンジンのレスポンスが上がります。
S3の本気を見るならダイナミックモードにしないとね。
その分燃費は落ちるけどねぇ。
ただ実はS3のクワトロは、アウディの歴史で受け継がれている本来のクワトロとは少し違います。電子的なやり取りにより接続されており、物理的には繋がっていません。
一方で、A4以上のクワトロでは前輪と後輪が車軸で繋がっているので、より素早くスムーズに動力配分が行われる点でランク分けがなされています。
電子的なクワトロはハルデックス式って言われるんだよね。
うん、そうそう。たまにクルマ好きの間では話題になるね。
加速が鈍い速度域がある
しかし、そんな快速ハッチバックなのに走りが物足りない時期がありました。とてもキビキビと走り何の不満もなさそうなS3ですが、なぜか扱いにくく感じていました。
乗り始めて半年くらい経ったころ、加速しようとアクセルを踏み込んでもクルマが思うように反応しないのです。
例えば黄色信号になった時、急いで信号を渡りきるために強めに加速して渡り切るとします。
あ、そんなことしちゃだめなんだよ!もし黄色だったら止まらないとダメっ!
ほ、ほら、後ろの人にも申し訳ないし…。
こういった時は、アクセルを約半分ほど踏み込んでちょっと強めに加速して渡ります。通常であればドライバーの意図を感じとって、踏み込みに応じた加速をしてくれます。
しかしS3のエンジンは、わずかに強くアクセルを踏んでも吹け上がらない時が頻繁にあります。
急加速の必要はないけどある程度加速したいってことね。
そうそう、ちょい加速っていう感じ。
例えば、40㎞/h程度で巡航していて70km/hまで急ぎ加速するとします。その時に、グッとアクセルを踏み込んでもほとんど反応しないことがあります。
エンジン回転数で言うと、1,500~2,500rpm付近で踏み込むと特に反応が鈍い感覚があります。
少し速度が乗ってきた後はスムーズに加速するので、高速道路での80km/h以降の中間加速ではほとんど不満はありません。
6速時代の私のS3スポーツバックの場合は、高速道路では常時2,000rpmを超えているため、常に最大トルクを発揮している状態なので気持ち良く加速してくれます。
マイナーチェンジしてから7速Sトロニックに変わったんだよね。
7速の巡航用ギアが追加されたんだっけ。
意外と扱いづらいSトロニック
どうして、このような現象が起きるのかと言うと原因はとても簡単なことです。それは、足の踏み込みに上手く車が反応してシフトダウンされないためです。
日常生活で優しく乗る分にはアクセル反応は非常にリニアで、車はとても軽く感じるはずです。しかし急ぎ加速したい時に限って、今度は逆に重たく感じていました。
燃費重視か安全性重視かは分からないけど、せっかくとても速いクルマなのになぁ。
ここは敏感に反応してほしいよね…。
もっと深くまでアクセルを踏むと、今度は突然3速ほどシフトダウンし急加速でシートに抑えつけられます。
■ S3スポーツバックのトルクカーブ
ターボを使った急加速は加速まで約1秒の遅延があり、急いで加速するには少々遅すぎます。もしアクセル調整だけで簡単に1、2速ダウンできれば、思い通りに運転できるのに残念です。
30%~50%ほど踏んだとしてもシフトダウンは1速だけのことも多く、この辺りが反応が鈍く感じる原因です。その一方、交通の流れに乗って走るのであればアクセルに足を乗せるだけでOKです。
そこそこの急加速を試みたり手足のように扱おうとしなければ、最高に余裕のある走りを見せます。
でも流れに乗って走るだけなら軽自動車でいいもん…。
中古でも400万はするもんなぁ…。
対応策としてはパドルシフトを使う方法がありますが、感覚的に応答には0.5秒ほどかかります。
理論値は0.2秒と言われますが、実際にパドルシフトを触ってからレスポンスを感じるまではラグがあるため、そこまで超機敏というワケではありません。
燃費は落ちますが、DynamicモードにすればAutoやComfortより素早くシフトアップしてくれるので、小気味良く操作したい時はドライブセレクトを使うのがオススメです。
小物アクセサリーのお買物!
ここで少し休憩して、アウディに関するグッズ等をいくつかご紹介したいと思います。
最初は、丸型エアコンの吹出口に取り付けるカラフルなアルミ製リングです。取り付けはとても簡単で、シルバー・ゴールド・レッドなど、全5色から選ぶことができます。
続いては、A3・A4・TTなど多くの車種で使えるアルミ製のパドルシフトです。標準のパドルシフトは小さいため、よりカッコよく目立たせたい人にはとてもオススメだと思います。
形状によっては、A1とかQ2とか他のアウディでも使えそうだけど…。
聞いてみるといいかもしれないね。
その他にも多数のグッズ・アクセサリーを50種類以上まとめてご紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
S3を初めて試乗すると、
とても小気味良く運転でき、
A3よりもかなり身軽だと感じます。
ただ実際乗ってみると、
意外とエンジンは抑えた設定で、
出力を上手く操るのは難しいです。
ベンツやBMWにもある、
流行のダウンサイジングターボでは、
よくある宿命なのかもしれません。
次回は、
どうやってこの特徴を克服したのか、
対策方法を検討してみたいと思います。