X1の18d M Sport試乗レビュー、今回はBMWのブランドスローガンである「駆けぬける歓び」を体現できているか、大切な走りの部分をチェックしていきます。
2.0Lディーゼルエンジンは150ps/350Nmとドイツ車では標準的な出力で、以前試乗したミニ・クロスオーバーの2.0Lディーゼルと同じエンジンとなります。
確かに走行フィールはかなり似てたよね。目をつぶったら一瞬分からないかも。
でも軽いから動きは機敏だったね。
ミニ・クロスオーバーの2.0LディーゼルはX1とかなり乗り味が似ていたので、比較検討する価値はあります。価格的には100万弱ほど安く手に入ります。
X1も出足から太いトルクでバリバリ加速するので、街乗りで乗る分には何の不満もないハズです。ただ、山道をスポーティに走るというより、「スポーツ風味」といった印象です。
◎サイズ…全長4,455mm×全幅1,820mm×全高1,610mm
ひと言…全高が1,550mm超なので、立体駐車場には入らないことが多いため注意。
◎エンジンスペック
18i(1.5T)…140ps/220Nm(1,480~4,200rpm)
18d(2.0D)…150ps/350Nm(1,750~2,500rpm)
20i(2.0T)…192ps/280Nm(1,350~4,600rpm)
25i(2.0T)…231ps/350Nm(1,450~4,500rpm)
◎ホイールベース…2,670mm
◎最小回転半径…5.4m
ひと言…小回りは十分効くので狭い道でも大丈夫。
◎トランスミッション…7速AT
◎車両重量…1,520kg
◎JC08モード燃費…14.3km/L(JC08)
ひと言…WLTCモードだと13.0km/L。燃費は大体カタログ値の60~70%が目安です。
◎タイヤサイズ…17インチ 225/55
ひと言…大きなタイヤは高くなるので、実店舗より2~3割安くタイヤが買えるタイヤ通販がオススメ。
◎新車価格
18i(1.5T)…4,400,000円
18d(2.0D)…5,230,000円
20i(2.0T)…5,200,000円
25i(2.0T)…6,530,000円
ひと言…中古車で買えば200~350万でも3万km以内の好条件のクルマが狙えます。
- 概要編
- エクステリア編
- インテリア編
- 走行性能編
- 総合評価編
※BMWキーカバー5選
※BMWの欠点5選
残念なエンジンスイッチ…
運転席に乗り込んで、
ブレーキを踏みながらスイッチを押すと、
微振動とともにエンジンが始動します。
インテリア編で触れたように、
エンジンスイッチは押し心地が柔らかく、
スイッチ音が鳴らない点は残念です。
見た目はカッコよくても、
安価な国産車と変わらない触り心地では、
BMWらしくない質感だと感じてしまいます。
さらにエンジンスイッチは、
操作レバーの裏側にあるため、
座った位置からではほとんど見えません。
日本では右ハンドルだから、ウインカーの裏側だね。
どちらにしても見づらい位置だよねぇ。
ハンドルの左側から覗き込んで、
毎回エンジンスイッチを押すその姿は、
何となくダサいような気がします。
トルクフルなディーゼルらしさ
公道に出て、
アクセルを軽めに踏み込んでみると、
クイッと元気に加速し始めます。
SUVなので車重は重たいものの、
意外と軽やかな加速感が味わえるのは、
ディーゼルの高トルクのおかげです。
ただ同じエンジンを積む、
ミニのクロスオーバーと比較すると、
1ランク重たい加速感だと言えます。
ボディ重量は80kg差あるため、
もちろんその影響もあると思いますが、
もう少し身軽に走って欲しい気はします。
40km/h以降は加速が鈍く、
駆け抜ける歓びは失われ、
BMWらしさはあまり味わえません。
特にベンツのGLA200dと比べると、
乗り出しの印象から全くの別物で、
あちらは身軽で飛び出すような加速でした。
同じ2.0Lディーゼルなのに、全然違っててスポーティーだったよねぇ。
意外と上まで回るしビックリだったね。
また強く踏み込んでも印象は変わらず、
0-100km/h加速9.3秒のスペック通り、
刺激はあまり感じない加速フィールです。
ただ加速感は途切れず、
踏み込むと同じペースで加速するので、
扱いやすくストレスは少ないと思います。
足回りはドイツ車的標準
国産車の平均と比較すると、
乗り味は硬めと言えるところですが、
ドイツ車では至って標準的な足回りです。
Mスポーツ仕様だからと言って、
締め上がった感覚はさほど感じられず、
いなしの効いたドイツ車らしい感じです。
他メーカーと比べると、
アウディならS lineの方が少し硬い程度、
ベンツのGLAでもベンツの方が硬いと思います。
ミニのクロスオーバーと比べると、
ミニの方が段差のいなしがキツく感じ、
ダイレクトに腰に響く感覚がありました。
足回りの質感をミニと比較すると、
やはりBMWが一歩上という印象で、
滑らかな乗り心地は街乗りでも快適です。
触る度にシフトレバーが気になる…
試乗中に何度か、
シフトレバーを左側に倒して、
マニュアルモードに切り替えてみました。
するとなぜか、
ペコッというスイッチを押す感触があり、
不思議に思ってシフトに目を向けました。
シフトレバーの横面には、
パーキングからの切替時などに使う、
誤動作防止スイッチが付いていました。
ドライブからバックに入れたりする時に、押しながら操作するやつだよね。
必要なスイッチではあるんだけど…。
マニュアルモードにするために、
シフトレバーの横面に触れるとなると、
高確率でスイッチを押してしまいます。
さらにシフトレバーが小さいことと、
上部までスイッチが縦に長いため、
ブラインドだと必ず触れてしまいます。
走行中であれば、
別に何度押しても問題はありませんが、
何だか毎回ペコペコと残念な感じです。
もう少しスイッチを小さくするか、
レバー形状を変える等工夫をすることで、
操作感への配慮が欲しかったところです。
ま、まぁ大切なのは走りそのものってことなんじゃないかな…?
でもBMWはこういうトコあるよなぁ…。
まとめ
X1の2.0Lディーゼルは、
低速域から高速域まで違和感のない、
落ち着いた加速フィールが魅力的です。
ディーゼルエンジンの特性上、
エンジンを高回転まで激しく回したり、
ガシガシ峠を走る感じではありません。
もしディーゼルでも、
刺激的な加速フィールを求めたいなら、
ベンツのGLAが非常にオススメです。
価格帯は少し上がりますが、
かなり大柄なボディと豪快な加速で、
刺さる人にはドンピシャだと思います。
では最後に、
これまでの試乗レビューを総括して、
総合的な評価をつけてみます。