今回はコンパクトSUVとして人気の、アウディQ3スポーツバック35TFSIとベンツGLA200dを比較してみます。
同じような価格帯ですが、ガソリンとディーゼルの違い以外にもアウディとベンツの違いは色々あります。
エクステリアやインテリアの他、両者を試乗してみての走りの違いを詳しくご紹介してみたいと思います。
※Q3スポーツバック試乗レビュー
※GLA200d試乗レビュー
サイズ・価格の違いをチェック
まずは両者のサイズを比べてみると、やはりどちらも輸入車らしく大きめではあります。
■ アウディ・Q3スポーツバック全景

■ ベンツ・GLA200d全景

- 全長
Q3SB⇒4,520mm
GLA200d⇒4,440mm
- 全幅
Q3SB⇒1,840mm
GLA200d⇒1,850mm
- 全高
Q3SB⇒1,565mm
GLA200d⇒1,605mm
全幅はどちらも1,850mm近く、輸入車ではコンパクトでも国産車ではすでにハリアーやCX8といった最上位SUVと同等サイズとなります。


ハリアーで1,845mm、アルファードやエルグランドでも1,850mmだもんね。
やっぱりドイツ車は大きいなぁ…。
注目すべきポイントは全高で、Q3スポーツバックは1,565mmと抑えられていてGLAより35mmも低くなっているのが特徴です。これによりSUVでも低く構える精悍な印象を与えます。

見た感じは決して小さくはありませんが、あくまでもキュッと美しく整った印象なので威圧感を全面に押し出してはいません。

アウディらしいクールな感じが上手く伝わってくるよね。
やり過ぎない絶妙な迫力と言えばいいのかな。
一方のGLA200dは先代とは随分雰囲気が変わりました。先代はコンパクトで取り回しやすいSUVだったので、どこにでも走りに行ける気軽さが魅力のモデルでした。

今回のGLAはとにかく溢れる量感が魅力で、全高も高くなって立体駐車場には収まらない大きさになりましたが、そんな欠点も吹き飛ばす大迫力です。

おそらくベンツを詳しく知らない人が今回のGLAを初めて見たならば、決してエントリーモデルには見えないと思われます。
もしかすると人によっては、Eクラス相当のSUVだと言われても、納得してしまうかもしれません。それくらい私が初めて見た時もオラオラ言ってました。

まぁGLEになると全長4,9m・全幅2m超っていう信じられないサイズなんだけど…。
ドイツ車のSUVは日本では大きすぎるよね…。
走行性能はGLA200dの勝利!
次に走りを見てみると、
ガソリンエンジンのQ3に対して、
GLA200dはディーゼルエンジンです。

エンジン特性が違うので、
直接の比較はできませんが、
それぞれ順番に見てみましょう。
Q3スポーツバックは物足りない
まずはQ3スポーツバックですが、
1.5Lのターボエンジンを積んでいて、
出力は150ps/250Nmとなっています。


A1とかポロくらい軽かったら150psでもいい感じかもしれないけど…。
最低でも200psは欲しいとこだね。
心地よい加速感を期待して、
クッとアクセルを踏み込んでみますが、
想像したレスポンスは見せてくれません。
ジェントルと言えば、
多少は聞こえが良くなる気もしますが、
外観に似合わず意外ともっさりです。


あーっ、またもっさりって言ってる!
だ、だってあまりに大人しいから…。
スルスルーっと加速するので、
遅いと感じることはありませんが、
パンチのある加速は味わえません。
Q3スポーツバックを、
見た目のイメージ通りに走るなら、
45TFSIが必要だと感じます。

それかディーゼルかなぁ?まだどちらか試乗してみたいね。
やっぱりキビキビ走らせたいよね。
GLA200dはキビキビ元気いっぱい
一方のGLA200dは、
2.0Lのディーゼルエンジンが搭載され、
出力は150ps/320Nmとなっています。

まず走り始めて感じるのは、
アクセル開度に対するリニアな反応で、
出足はかなり敏感に反応します。
少しやり過ぎと感じるくらい、
元気で敏感な加速フィールなので、
ホントに車重1,7トンなのか疑います。


一瞬A35の出足を思い出すくらい気持ちいいトルク感だよね。
足回りはGLA200dの方が柔らかくてイイね。
走り出してからしばらくの間、
おおよそ40km/hまでは相当俊敏で、
同じような加速感が途切れず続きます。
しかし速度が上がってくると、
段々と鈍い加速となってきて、
ボディの重たさを感じるようになります。

またディーゼルエンジンなので、
奥まで踏み込んで全開加速しても、
4,500回転辺りで頭打ちとなります。

ただそれでも、
ディーゼルエンジンとしてはよく回り、
意外とサウンドも良く爽快感があります。

上の方は抑えられた感じがあるのが普通だけど、結構いい感じだったね。
限られた性能で上手く調整してるよね。
両者を比較すると、
Q3SBのガソリンエンジンは魅力ですが、
実際の走りはGLAの方が心地よいです。
たとえエンジンが上まで回っても、
ゆっくりと吹け上がるので快感は薄く、
スポーティに走れる印象はありません。
ハンドリングを見ても、
GLAの方が機敏に操舵することができ、
常用域ではシャキシャキ走れそうです。
ただ静かに乗るのであれば、
Q3SBの方が滑らかな走りなので、
車内も静かで優雅な時間が過ごせます。


まぁファッション重視のクルマだよね。峠を走りたいなら45TFSIかな。
特に斜め後ろからは美しいね。
まとめ
アウディのQ3スポーツバックと、
ベンツのGLA200dを比べてみると、
見た目と走りで優先順位が変わります。
見た目の洗練さを重視するなら、
最近流行りのクーペSUVである、
Q3スポーツバックが魅力的です。
ただドイツ車らしく、
量感のある威圧的ボディがいいなら、
GLA200dという選択もアリです。
走りの点では、
ディーゼルのネガを感じづらい、
GLA200dの方が魅力的に思えました。
ただどちらも、
エントリー寄りのモデルですが、
ドイツ車的な魅力はバッチリです。
※Q3スポーツバック試乗レビュー
※GLA200d試乗レビュー