BMWのM135i試乗レビュー、
今回はこれまでの試乗をまとめて、
総合的な評価をつけてみます。
1シリーズの派生版である、
Mパフォーマンスモデルとして、
2.0Tエンジンは306馬力を発します。
ただ純粋なMモデルよりは、
街乗り等のデイリーユースに向けて、
穏やかにチューニングされています。
使いやすさも考慮された、
高出力なホットハッチとして、
その実力を総合評価してみます。
- 概要編
- エクステリア編
- インテリア編
- 走行性能編
- 総合評価編
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高評価なポイント
今回の試乗で、
最も印象に残ったポイントは、
やはり充実した走行フィールです。
Mパフォーマンスにふさわしい、
操る楽しさを存分に味わえる乗り味は、
「駆けぬける歓び」を体現します。
アクセルレスポンスも自然で、
踏み込みと加速感が把握しやすく、
誰でもすぐに扱い慣れると思います。
ハンドリングも重すぎず、
しかしリニアな操作フィールがあり、
上手く調整された印象を受けます。
他のホットハッチを見ると、
アウディS3やベンツA35では、
少々過激な演出が目につきます。
ベンツA35はセダンだったけど、まぁ一緒かな。でも激しかったね~。
ストレス解消にはホント最高だね。
S3は加速時に踏み込むと、
どっかんターボ的なラグが長く、
かなり強烈な加速を感じます。
しかし、
細かな調整が難しいことから、
街乗りでは使いづらい時も多いです。
一方ベンツA35は、
普通に街乗りしてもリニアで激しく、
常時アドレナリンが止まりません。
確かに最高に気持ちいいですが、
人工的な感覚は常につきまとうため、
人によっては好みが分かれそうです。
その点M135iは、
どこまでも自然な走行フィールで、
決して背伸びせず等身大を貫きます。
もしかすると、
刺激が少なく感じるかもしれませんが、
私には非常に魅力的に映りました。
もう一歩なポイント
一方、
ちょっとイマイチだと感じたのは、
インテリアの造り込みの甘さです。
確かに無駄がなく、
シンプルでよく整っていますが、
細部への拘りが不足しています。
スイッチの押し心地が薄かったり、
複数のボタンが同じパネルにある等、
端々に気になる点が出てきます。
せめてエンジンスイッチくらいは、カチッとした小気味よい音が聞きたいなぁ。
無音だと気分が上がらないよね…。
ステアリングには、
M135iのみパドルシフトがあり、
走行中でもカンタンに変速できます。
しかし118i・118dには、
実はパドルシフトが設定されず、
なんとオプションすらありません。
走るためのクルマ造りをしながら、
パドルシフトが付けられないのは、
いかがなものかと思ったりします。
またそのパドルシフト自体も、
機能的には全く問題ありませんが、
見た目や質感はイマイチな感じです。
のっぺりしたデザインで、
形状に陰影がある訳でもなく、
クリック感もあまり強くありません。
アウディもベンツも、もっと凝ったデザインでシャキッとした操作感だよね。
無骨なのはBMWっぽいけど…。
走る時の気持ち良さとは、
加速感やハンドリングだけでなく、
触感や音質も深く影響するものです。
人間的な感覚に対しても、
もっとBMWの走りへの情熱を傾けて、
より磨きをかけてほしいと感じます。
10段階評価すると?
BMWのホットハッチ代表格、
M135iを総合的に評価すると、
10点満点のうち7点です。
Mパフォーマンスモデルは、
通常モデルとMモデルの中間で、
快適性もスポーツ性能も満たします。
確かに以前試乗した、
118iよりは秘めた性能を感じ、
ドライバーの意思を正確に反映します。
ただ決して激しくはなく、
自然な操作フィールを重視していて、
常に穏やかさを忘れない印象です。
例えるならゴルフRに近く、
過激なスポーツ仕様と想像して乗ると、
思わず拍子抜けする可能性もあります。
ゴルフRよりは元気な感じだけど、街乗り寄りのテイストは同じ方向だよね。
でも実際はこれくらいがいいのかも。
ただ、
素直なドライビングフィールは、
クルマと対話している感があります。
0-100km/h加速は4.8秒と、
絶対的な速さは間違いないので、
もっさり感とは無縁な1台です。
一方、
エクステリアやインテリアは、
もう少し差別化が欲しいところです。
エクステリアは、
マフラーが4本出しになっていれば、
よりスポーツ性能を強調できました。
ただもしかすると、
4本出しはMモデルに譲っていて、
わざと抑えてあるのかもしれません。
ベンツもAMGは4本出しだけど、A35は2本出しだったよね。
いや、一応A35は正式なAMGだよ…?
インテリアを見ると、
パネルの共通利用や各パーツの質感等、
細かな箇所への拘りが不足しています。
特にスイッチの押し心地は、
質感以上に音が鳴らないことから、
心地良さが相当に失われています。
逆にミニ系のスイッチの方が、
同じ質感でも小気味良い感触で、
ブランドイメージが確立されています。
何とも言えない「コクッ」っていう強い弾力がクセになるよね。
トグルスイッチとか特に良いよね。
まとめ
BMWの1シリーズでは、
トップモデルとなるM135iは、
Mパフォーマンスと呼ばれます。
搭載される2.0Tエンジンは、
306ps/450Nmのハイパワーですが、
乗り味は穏やかで扱いやすい印象です。
価格は約640万と、
サイズからは割高に見えますが、
他のホットハッチ勢とはほぼ同等です。
こう見ると高く見えるけど、むしろポロGTIやゴルフGTIがかなりお買い得なんだよね。
どちらもドイツ車らしい走りだね。
インテリアにある物足りなさは、
上位モデルの3シリーズも同じで、
今後のバージョンアップに期待です。
ただ自然な走行フィールは、
「駆けぬける歓び」を体現していて、
走りが魅力的な1台には違いありません。