フォルクスワーゲンの人気ハッチバックであるゴルフ7(7.5)とポロGTIを見た目や走りを中心に徹底比較します。
ポロはゴルフの1ランク下ですが、ポロGTIになると価格帯はほぼ同じとなります。結論としては、走りはぶっちぎりでポロGTIが速く気持ちよいです。
ただ、乗り味やインテリアの面ではお兄さんのゴルフ7が快適なので、好みに応じて選ぶとよいでしょう。
- ゴルフ7(2013~2021年モデル)…ドイツ車のコンパクトモデルのお手本。ポロGTIと比較して充実したインテリア装備と、引き締まったドイツ車の乗り味を快適な範囲で楽しめる。後席や荷室もギリギリ実用的な範囲で、取り回しは抜群。
- ポロGTI(2018年~2022年モデル)…全長4m前後のフォルクスワーゲンで最もコンパクトなモデルだが、200psの2.0TSIエンジンは非常に強烈。足回りはドイツ車としても硬めの部類だが、300万円台で味わえるスポーティさとしてはピカイチ。
◎サイズ…全長4,265mm×全幅1,800mm×全高1,460mm
ひと言…全長は4,300mm以下と短いものの、全幅は1,800mmとトヨタクラウンと同等サイズ。
◎エンジンスペック
1.2TSI…105ps/175Nm(1,400~4,000rpm)
1.4TSI…140ps/250Nm(1,500~3,500rpm)
ひと言…1,500rpm前後の低い回転数から最大トルクを発揮する。
◎ホイールベース…2,635mm
◎最小回転半径…5.2m
ひと言…ゴルフ8は5.1mとさらに小さく。
◎トランスミッション…7速乾式DSG
ひと言…DSGには乾式と湿式があり、ゴルフGTI・Rは湿式DSG。乾式の方がダイレクト感があると言われるが、実際はそこまで違わない。
◎車両重量
1.2TSI…1,240kg
1.4TSI…1,320kg
◎JC08モード燃費
1.2TSI…21.0km/L(JC08)
1.4TSI…19.9km/L(JC08)
ひと言…実燃費は大体カタログ値の60~70%が目安です。
◎タイヤサイズ
トレンドライン…15インチ 195/65
コンフォートライン…16インチ 205/55
ハイライン…17インチ 225/45
ひと言…大きなタイヤは高くなるので、実店舗より2~3割安くタイヤが買えるタイヤ通販がオススメ。
◎新車価格
トレンドライン…2,490,000円
コンフォートライン…2,799,000円
ハイライン…3,109,000円
ひと言…中古車で買えば100~200万でも3万km以内の好条件のクルマが狙えます。ゴルフ7の中古車購入マニュアルで選び方をマスターしましょう。
◎サイズ…全長3,995mm×全幅1,685mm×全高1,460mm
ひと言…全幅1,685mmと驚きの小ささ。2018年式以降は1,750mmに拡大。
◎エンジンスペック…1.4TSI 179ps/250Nm(最大トルク2,000~4,500rpm)
◎0-100km/h加速タイム…6.9秒
◎ホイールベース…2,470mm
◎最小回転半径…4.9m
◎トランスミッション…7速乾式DSG
ひと言…2018年式以降は湿式6速となるが、実際ダイレクト感はそこまで違わない。
◎車両重量…1,210kg
◎JC08モード燃費…16.6km/L
ひと言…実燃費は大体カタログ値の60~70%が目安です。
◎タイヤサイズ…17インチ 215/40
ひと言…大きなタイヤは高くなるので、実店舗より2~3割安くタイヤが買えるタイヤ通販がオススメ。
◎オススメカラー…ホワイト・ブラック
ひと言…フロントの赤いライン装飾が特長なので、ボディが赤だと目立たなくて何だかもったいない。
◎新車価格
2021年4月最終モデル…3,755,000円
ひと言…中古車で買えば200万円台でも3万km以内の好条件のクルマが狙えます。ポロGTIの中古車購入マニュアルで選び方をマスターしましょう。
エクステリアはどちらも正統派
まずゴルフ7.5は、
Cセグでは全幅1,800mmと大きめで、
ドイツ車の貫禄をしっかり感じさせます。
一方ポロGTIは、
全幅1,740mmかつ全長4,075mmで、
取り回しの良いサイズ感が魅力です。
小さくてもキュッて締まっててカッコいいよね。
さすがはGTIといった所かな。
ただ全高を見ると、
ゴルフ7.5は1,480mmと少し高めで、
ポロGTIの1,440mmとは40mm差です。
これだけ差があると、
やはり2台を試乗して比較すると、
ポロGTIの方がスポーティに感じます。
ただゴルフ8では、
全高1,456mmと低くなったため、
見た目の印象はずいぶん変わりました。
ポロGTIはコンパクトですが、
カッチリとした正統派ハッチバックで、
GTIらしいデザインも随所に見られます。
そのため、
小さいながらも十分にカッコよく、
特別なポロだと感じさせてくれます。
ゴルフ7.5にこだわりが無ければ、
マフラーも2本出しでよりスポーティな、
ポロGTIはオススメだと思います。
マフラーも太くてカッコいいよね。
ゴルフ7.5はダミーエンドだからね。
インテリアはナビ表示に注目
次にインテリアを見てみると、
どちらもシンプルな造りで、
あまり豪華な印象はありません。
ただポロGTIでは、
赤く派手なパネルが使用され、
パッと見た印象は随分と違います。
実際に使っているパーツはほとんど同じなんだけどね。
パネル1枚でガラッと印象が変わるね。
液晶パネルはどちらも2枚で、
センタークラスターのパネルは、
タッチとジェスチャーで反応します。
ジェスチャーを使うと、
パネルの前で手を左右に振ることで、
ブンッと音が鳴りページが変わります。
この機能、本当に必要だったの…?
意外と反応も鈍かったりするもんなぁ。
次にナビ画面を見ると、
どちらもデジタルメーターですが、
配置が少しずつ異なっています。
ゴルフ7.5では、
中央のナビを全体表示できず、
左右にあるメーターが消せません。
一方ポロGTIでは、
ほぼ画面全体をナビ表示させることで、
かなり広範囲を映し出すことが可能です。
ギアと速度は分かるから情報としては十分だね。
どちらも画面はきれいな表示だったよ。
コックピットのナビ画面が小さいと、
必要な道路情報を得ることが出来ず、
結局はセンターナビを見てしまいます。
ゴルフ7.5の場合は、
左右のメーターはそのままで、
センターナビを使う方法が良さそうです。
走行性能はポロGTIが断トツ!
肝心の走行性能は、
どこをどう比較しても、
ポロGTIの方が気持ちよく走れます。
さすがGTIの名を冠するだけあり、
飛び出すような出足から始まって、
刺激的な加速フィールに溢れています。
エンジン性能は200ps/320Nmで、
50キロ以降の加速は鈍くなるものの、
街乗りではあまり感じないと思います。
ゴルフ7.5は、
初めの出足は敏感ですが、
その後はのんびりした加速が続きます。
0-100km加速を見ても、
ゴルフ7.5の8.7秒に対して6.7秒と、
ポロGTIの方が2秒も速いタイムです。
2秒も違うと乗った感じは全然違うよね。
6秒台だとスポーツしてるなって思うね。
ポロGTIは車両もコンパクトなため、
より軽快感を強く感じさせることから、
ある種のゴーカート感覚すらあります。
「ゴーカートフィーリング」と言えばミニクーパー!
もちろんクーパーの方が鋭いけどね。
ハンドリングも、
ゴルフ7.5の緩い感覚と比較すると、
ある程度はパキパキした反応を見せます。
ゴルフ7.5は、
のんびり乗るには非常に快適ですが、
激しい操作はほぼ無理と考えましょう。
少し速く進路変更をしただけでも、
明らかに反応が遅れる感じがあって、
峠に持ち込んでも危なくて走れません。
ポロGTIなら、
60キロ付近なら十分なレスポンスがあり、
爽快・痛快なドライビングを楽しめます。
唯一物足りない点を挙げるなら、
ドライブモードをスポーツに変えても、
あまり乗り味が変わらないところです。
スポーツモードでも、
エンジンはわずかに鋭い感じですが、
ステアリングの重さはほぼ同じでした。
例えばアウディのS3では、
autoモードとdynamicモードでは、
別の車かと思うほど違う乗り味です。
dynamicモードでは、
普段乗りだと少し疲れてしまいますが、
本気で走りたい時にはバッチリです。
ポロGTIの場合は、
終始スポーツモードのままでも、
日常使用も十分可能なレベルです。
そのため、
街乗りでは刺激的で楽しいものの、
峠を走るには物足りなく感じそうです。
もう少し触れ幅があれば便利だったのになぁ…。
アクセル反応は分かるけどなぁ…。
切り替えながら運転していると、
より過激な乗り味にも出来るものの、
わざと抑えている印象があります。
安全性に配慮したり、DSGを守るために調整してるのかなぁ。
続きはゴルフGTI&Rって意味かも?
ただそれでも、
十分に痛快なドライブを味わえるので、
普段の街乗りが楽しくなると思います。
さらに1ランク上の、
ゴルフGTIはもっと過激かと思いきや、
実はかなりジェントルな車です。
確かに高性能ではありますが、
高級感や快適さに舵を切っており、
軽快さには重点がおかれていません。
そして価格は、
ゴルフ7.5であれば367万円で、
1.4Lターボエンジンが狙えます。
一方のポロGTIも、
プラス20万ほど追加で乗せるだけで、
パキパキのホットハッチが狙えます。
ゴルフ7.5に乗りたいか、
スポーティな走りが欲しいかで、
選ぶモデルは変わってきそうです。
ただ、
気持ちよいドライブを求めるなら、
ゴルフ7.5の走りは結構厳しいです。
街乗りは快適だけど、峠を攻める車じゃないよね…。
スポーティと言うのも微妙かなぁ。
せっかく輸入車に乗るなら、
ドイツ車の気持ちよさが味わえる、
ポロGTIがオススメかなと思います。
新車・中古車を買うよりも、
さらに安くクルマが欲しい人は、
ぜひ自動車サブスクも検討しましょう。
まとめ
車に求めるものが、
車格より走行性能なのであれば、
ポロGTIは相当魅力的なモデルです。
確かに、
ポロとして400万円は高価ですが、
性能を考慮すると非常にお得です。
フォルクスワーゲンらしからぬ、
熱く痛快な走りのポロGTIを、
ぜひ一度は試乗してみてください。
※ポロ・ゴルフのキーカバー5選