【2013(平成25)年9月~2021(令和3)年4月モデル】
A3スポーツバック試乗レビュー、今回は30と呼ばれる1. 4TFSIエンジンを加速感や乗り味について詳しくご紹介します。
馬力の割には軽快に走るところがA3の魅力ですが、1.4TFSIだとやはり非力と言わざるを得ずバリバリ走り込むには不十分な性能です。
しかし、アウディらしい質の良い足回りや段差のいなしは味わうことができるため、良いクルマ感は十分に得ることができます。
- 出足
⇒非常にスムーズで静かな出足。弾けるような加速感は無いものの、上質で自然な加速フィールは高級感を感じられる。
※ 新型A3 30TFSI(2021)は、マイルドハイブリッドにより先代の1.4Lエンジンを上回る加速を見せる。
- 加速感
⇒街乗りでゆったりと乗る分には全く過不足ない印象。ただ、強く踏み込むとサウンドばかりが先行して加速がついてこない感覚がある。
※ 新型A3 30TFSI(2021)でも、3気筒の限界があり加速性能は大きな差を感じない。
- ハンドリング
⇒国産車からの乗り換えでも違和感なく乗れる上に、上質さ溢れるステアリングフィールは魅力的。しかし急ハンドルの追従は弱く、プログレッシブステアリングが欲しかった。
※ 新型A3 30TFSIはコチラ
◎サイズ…全長4,325mm×全幅1,785mm×全高1,450mm
ひと言…全幅1,800mmに収まっている。2021年のモデルチェンジでは1,815mmへ大きく。
◎エンジンスペック
1.4TFSI…122ps/200Nm(1,400~4,000rpm)
1.8TFSI…180ps/280Nm(1,350~4,500rpm)
2.0TFSI…190ps/320Nm(1,500~4,180rpm)
◎ホイールベース…2,635mm
◎最小回転半径…5.1m
◎トランスミッション…7速乾式DSG
ひと言…S3になると6速湿式となるが、実際ダイレクト感はそこまで違わない。ただシフトアップの速度が段違い。
◎車両重量
1.4TFSI…1,320kg
2.0TFSI…1,460kg
◎JC08・WTLCモード燃費
1.4TFSI…19.5km/L(JC08)
2.0TFSI…16.0km/L(JC08)
ひと言…実燃費は大体カタログ値の60~70%が目安です。
◎タイヤサイズ…16インチ 205/55、17インチ 225/45
◎特長…バーチャルコックピット初搭載
ひと言…オプションで40,000円。ちなみに2021年以降の新型ではMMIナビ+バーチャルコックピットのセットとなった。
◎価格…税込330万~500万前後
※アウディA3用キーカバー5選
A3スポーツバックを中古車で探しているなら、年式や走行距離から相場価格をまとめた記事もあるのでぜひ参考にしてください。
コンテンツ
街乗りでは十分な加減速
車に乗り込んで、
エンジンを始動させると、
静かな音とともに灯がともります。
アイドリングは、
遠くでエンジンが鳴っているようで、
車内は静かな印象があります。
ただ、
遮音が優秀というよりは、
単純にエンジン音が小さい感じです。
A3のボディだと、A4以上とは違ってまだ外の音もそれなりに入ってくるもんね。
S3でも結構音は入るからねぇ。
S3の場合は、
さらにエンジン音も大きくなるので、
車内の静粛性はもう少し落ちます。
A3の1.4Lエンジンは、
出足で踏ん張る感じもあまりなく、
穏やかなレスポンスが特徴です。
少し踏み込んでみると、
トルクが出るまでラグがあるものの、
そこまでパワー不足は感じません。
この点2021年以降の新型A3では、
48Vマイルドハイブリッドが効き、
非常にスムーズな発進を実現します。
トルクが出るまでのラグが、
上手くモーターにより打ち消され、
心地良いドライブフィールです。
うん、出足は1.0TFSI+48Vマイルドハイブリッドの方が優秀だね。
3気筒なのにホント凄いよねぇ。
しかし1.0TFSIも1.4TFSIも、
強く踏み込んだときの反応は、
やはり力不足は否めない印象です。
エンジンは上まで回っていても、
トルクが増えている感じが無く、
サウンドばかりが大きく響きます。
スペック上は、
1,400rpm~4,000rpmの間で、
200Nmの最大トルクを発生します。
ただ感覚としては、
3,000rpm前からトルク感は弱く、
車を引っ張る感じは薄くなってきます。
また、
加速時のエンジンの吹け上がりは、
かなり遅く制御されている印象です。
もっとスパンッ!て回りそうなのにね。
出だしはいい感じなのにね。
スポーティなSモードに変えても、
印象は同じ鈍いままだったので、
内部制御が原因なんだと思います。
ドライブセレクトがあったら変わるかな?
もう少し軽快になる気はするね。
それでも、
70キロくらいまでは加速感も良く、
日常の速度域では気になりません。
少しでも軽快に扱うなら、
パドルシフトを積極的に使えば、
気持ちよく走れると思います。
標準のパドルシフトは小さいので、
大型のアルミ製などに交換すれば、
見た目も機能性も大幅にアップします。
減速については、
ブレーキの効きは余裕過ぎて、
エンジン性能が追いついていません。
強く踏んで確かめるまでもなく、
しばらく踏み込んでから効き始める、
とても扱いやすいブレーキです。
ただ、
ブレーキパッドの交換時には、
それなりの費用がかかると思われます。
中古車なら100万から買える!
2021年にモデルチェンジされたA3では、メインは排気量1.0Lの30TFSIとなりますが、この時代の中古車なら1.4TFSIに乗ることができます。しかも2013年から始まっているこのモデル、発売当初を狙えば100万~150万くらいで十分走行距離の短いクルマがあります。
A3スポーツバックを中古車で検討中の人は、別記事「中古車購入マニュアル」で「8V」のグレード・オプションの解説から、アウディ歴15年超の管理人が選ぶオススメ車種まで詳しくご紹介しています。
さらに、1.8TFSIはめちゃくちゃ希少ですが、180ps/280Nmで0-100km/h加速は6.8秒という俊足なので、今はA3ではなかなか味わえない加速感が得られる上に、価格は200万以下です。
しかもこちらも走行距離3万km以下のまだまだ乗れる車両があるので、中古車でA3を狙う場合は1.8TFSIがオススメと言えます。
この時だけ一時期2.0TFSIが無くなってたんだよね。
そうそう、後で40TFSIとして帰ってくるけどね。
また中古車はカーセンサーやグーネットで選ぶと、希望のクルマが見つからなかったり、既に売り切れの場合がよくあります。
そんな時は「非公開車両」から探せば、希望通りでお値打ちなお宝クルマが見つかります。周囲の人より一歩早く、オークション前のクルマから選べるズバブーンが使いやすくて便利です。
非公開車両とは、中古車販売業者が購入したクルマをネット掲載等で一般公開するまで保管している車両。点検・整備後は他と同様に公開されるが、状態の良い車・貴重な仕様の車は非公開車両の時点で売買されてしまうことも多い。通常は見ること・買うことはできないが、「ズバブーン」等一部のサービスでは誰でも選んで購入することが可能。
穏やかで自然なハンドリング
ステアリングは街中では良好で、
優しく操作する分には追従も良く、
とても自然に運転できると思います。
センター付近の遊びが多く、
ゆるゆると街中を乗り回す分には、
気楽に運転できるのではと思います。
ただし、
急ハンドルへの反応はイマイチで、
操舵からワンテンポ遅れて反応します。
そのため、
峠を走るとなると緩さが気になり、
攻めるような走りはオススメできません。
ガガッてハンドル切ってもシャープに反応してくれないから、どれだけ切れば良いか分からなくなっちゃうね。
A1の方が反応は良かったかな。
この辺りは、
プログレッシブステアリングを持つ、
Q2の方がクイックな印象です。
サイズは大きくなっても、
ギア比が累進的に変わる効果は大きく、
スポーティな操舵が可能となります。
プログレッシブステアリングは、
A3にはどのグレードにも設定はなく、
S3のみの特別な機構となります。
ただ特に峠を攻めたり、
サーキットに持ち込む人で無ければ、
そこまで不満は無さそうです。
まぁでもスポーツ走行したいなら40TFSIは欲しいよね。
うん、同価格帯ならゴルフGTIとか。
足回りはドイツ車らしい硬さ
今回の試乗車は、
「sport」グレードではなく、
サスペンションは通常仕様でした。
A3のサスペンションは2種類あり、
ノーマル仕様を「ダイナミック」、
スポーツ仕様を「スポーツ」と呼びます。
しかし、
ダイナミックでも柔らかくはなく、
ドイツ車らしい程よい硬さです。
逆にスポーツサスペンションは人によっては硬く感じちゃうかも。
ダイナミックも腰は座ってるよね。
路面の凹凸は拾いますが、
これはつまり情報量が多いため、
細かな変化が分かるということです。
ハンドルを握っているだけで、
手に取るように路面が分かるのは、
ドイツ車ならではの魅力と言えます。
ちなみにS3になると、
A3のスポーツサスと比べても、
もう少し締め上げた印象があります。
やはりスポーツ走行となると、
しっかりと追従しないと危ないので、
動力性能に見合う設定となっています。
しかし、
A3のスポーツサスで気持ちよければ、
S3も全然快適に乗れるレベルです。
段差にはそれなりに反応し、
ドドッという突上げは一瞬ありますが、
すぐに姿勢変化が収まって心地良いです。
ただ路面の細かな情報は、
ほとんど拾い上げて伝わるため、
初ドイツ車だと疲れるかもしれません。
ゆったりと乗りたい人は、
レグノ等のコンフォートタイヤなら、
また乗り味は全然異なってきます。
ちなみに輸入車のタイヤは、
国産車とはピッチが異なっていたりで、
スムーズに交換できない時があります。
カタログ等でチェックしたはずでも、
細かなスペックが違ってセットできずに、
交換してもらったという話も聞きます。
輸入車のタイヤって意外と置いてなくて、お店の人も自信なさげだったりするよね…。
こっちは全然分からないのにねぇ…。
そんな時はタイヤフッドなら、
輸入タイヤを豊富に揃えているので、
A3に合うタイヤがすぐに見つかります。
無料6ヶ月パンク保証と、
全国約5,000店舗での無料交換予約付きで、
サクッとタイヤ交換が完了します。
もう1つ有名なオートウェイはどうなの?
アジアンタイヤとかの低価格タイヤなら最安が見つかるかも。
タイヤは知らないうちに擦り減るので、
まずは今履いているタイヤについて、
交換時期かどうかをチェックしましょう。
首や腰が突き上げで辛いなら
A3スポーツバックに限らず、
アウディはドイツ車らしい足回りで、
フォルクスワーゲンよりは硬めです。
初めてのドイツ車だったり、
ゴルフに乗っていたりすると、
結構違うので驚く人もいそうです。
思い通りに操れる点は魅力ですが、
接地感が強く突き上げも強いため、
人によっては腰が辛いかもしれません。
オートバックス等で買える、
シートクッションをお尻に敷くと、
多少はマシになるのではと思います。
しかしそれだけでは、
完全に負担ゼロとはいかず、
身体の疲労が残る可能性があります。
少し値は張りますが、
安心の日本製で50年以上の歴史があり、
医療現場でも人気の商品があります。
その名は「エクスジェル」で、
弾力があるけど不思議と柔らかい、
独自開発の素材が身体を守ります。
医療現場やカーレースでは、
現在も実際に使われている所からも、
その信頼性は折り紙付きと言えます。
値段は張るけど技術に裏付けされたものだし、健康には変えられないもんね。
まぁ一度買えば長く使えるしね。
小物アクセサリーのお買物!
ここでは一旦休憩して、
ドイツ車に関するアクセサリーを、
いくつかご紹介したいと思います。
まずは、
雨の日が楽しくなる純正アンブレラで、
クワトロのロゴがクールな一品です。
傘を広げた直径は130cm前後と、
非常に大きなサイズの傘なので、
大切な人と2人でも十分入れます。
親骨65cmでも直径110cmくらいだから、相当大きいよね。
ゲリラ豪雨でもしっかり使えるね。
ちなみに、
アウディ純正品で無くても良いなら、
様々なデザインが販売されています。
収納が少ないA3ですが、
実は傘のような長尺物であっても、
上手く車内に収納することが可能です。
続いてはアドバンスドキーや、
家の鍵などにつけておける、
クールな純正カラビナです。
こういったキーリングは、
アウディ純正品に拘らなければ、
非常にたくさんの種類があります。
こんなにたくさんあるの!?見てるだけで楽しくなるよね。
純正品は数が少ないからね。
最後は、
自宅でガラスコーティングが可能な、
ピカピカレインのご紹介です。
通常は専門業者に依頼して、
10万円ほど費用がかかりますが、
驚きのたった9,980円で購入できます。
楽天ランキングでも第1位の常連で、
17年も続くロングセラー商品であり、
非常にオススメな逸品だと思います。
まとめ
エントリーグレードの30TFSIですが、
ハンドリングやボディ剛性については、
上位グレードに負けない質感です。
ただやはり、
エンジン性能は残念なところで、
122psでは少し荷が重いと思います。
A3の30TFSIでは、
シンプルにパワー不足な感じなので、
走りを求めるなら40TFSIかと思います。
でも実はA3では30TFSIが1番売れてるんだよね?
いや、実はそうらしいんだよね…。
このブログは、
キビキビ走る車へ軸足が向いており、
走行性能については若干厳しめです。
ただ決して遅い訳ではなく、
サラッと街乗りも高速もこなす点では、
非常に魅力的な1台かと思います!
次の記事では、
試乗レビューの仕上げとして、
総合的に評価してみます。