Q2 30TFSI sport試乗レビュー、
今回はこれまでチェックしてきた、
全ての項目を総合的に評価してみます。
「#型破る」をテーマにした、
プレミアムコンパクトSUVのQ2ですが、
やはり一番の魅力はエクステリアです。
※アウディの記事まとめ
コンテンツ
《概要編》サイズ・価格・スペックは?
コンパクトSUVらしいサイズ
Q2はコンパクトSUVと言うだけあって全長4,200mmと短いので取り回しやすく、住宅地でも大きいと感じることはないハズです。
- 全長4,200mm
(参考)A1スポーツバック 4,040mm
(参考)A3スポーツバック 4,325mm
- 全幅1,795mm
(参考)A1スポーツバック 1,740mm
(参考)A3スポーツバック 1,785mm
- 全高1,500mm
(参考)A1スポーツバック 1,435mm
(参考)A3スポーツバック 1,450mm
SUVとしては全幅も1,800mmを切ってるしコンパクトだね。
Q3以上はそうはいかないからね。
Q2は「2」が付くとおりQ3の1つ弟分という位置付けで、A1やA3と比べても似たようなサイズ感なので少し背が高いコンパクトカーのようです。
A1だとさらに一回り小さいですが、こちらも名車クワトロ的な外観と重厚感溢れる走りがエントリーモデルとは思えない魅力を放ちます。
一方のA3スポーツバックは、低く美しいボディラインによりスポーティな佇まいとなっています。
Q2の全長はA1とA3の間ですが小さい印象はなく、やはりSUVらしく迫力のあるボディデザインであると感じます。
正面から見るとキュッと引き締まっていますが全高1,500mmが程よく効いており、その豊かな量感は非常に魅力的です。
価格・スペックの種類は?
次に価格を見ると、グレードら排気量やエンジンシステムにより3種類に分かれていて、以下のような設定となっています。
エンジン自体は2種類で、
- 30TFSIが3気筒1.0Lターボ
- 35TFSIが4気筒1.4Lターボ
となりSQ2のみ2.0Lターボとなります。
2.0LターボはS3と同じ300ps級なんだよね。
普通の2.0TFSIもあればいいのに。
エントリーグレードである30TFSIは税込312万となっていて、パッと見るとお買い得感のある価格であるように思えます。
しかし30TFSIは他のグレードとはかなり装備が省かれていて、選べるオプションも少なく素の状態だと相当寂しいと思います。
エクステリアでは、ヘッドライト・テールライト共にハロゲンライトとなります。LEDはオプションでも設定されていません。
令和の時代にハロゲンで技術による先進だなんて…。
ほ、ほら、先進的なハロゲンかも…?
エクステリアをカッコよく魅せる「S line plus パッケージ」を付けるとワイド感が強調され、迫力が増していい感じになります。
しかし30TFSIではそもそものオプション設定が無いため、お金をいくら用意しても選ぶことはできなくなっています。
もう1つは、Q2の大切なオシャレポイントであるブレードカラーがボディと同色です。ブレードとはリヤガラス後部のパネルのことです。
この部分はアウディでもA1くらいしか無いレアなデザインで他モデルと差別化できるポイントなのに、ボディ同色だとアクセントが効きません。
走行性能面ではアウディドライブセレクトが無く、シフトノブでSモードに切り替えるくらいしか乗り味を変えることが出来ません。
アウディドライブセレクトで切り替えられる走行モードは車種ごとに異なっていますが、Q2では4つのモードから選択可能です。
- Comfort…長距離移動に最適
- Auto…快適かつダイナミック
- Dynamic…パフォーマンス重視
- Individual…項目ごとに個別設定
もう今はドライブセレクトが無いと、しばらく乗ってると飽きてきちゃうというか…。
ゼイタクな時代になったもんだよねぇ。
乗る前の印象について
Q2はコンパクトと言えどもSUVなので、車重は1,310kgとそれなりに重くA3の30TFSIとほぼ同じくらいです。
かつエンジンは3気筒の1.0Lなので、初めにスペックを見たときはかなり非力かなという印象を持っていました。
ただ、アウディではスポーツモデルにしか装備されないプログレッシブステアリングはどのような感じなのかは興味がありました。
プログレッシブステアリングはハンドルの切れ角を強調してクイックな操作を実現する、私のS3にも搭載されている機能です。
A3では選べないS3だけの限定仕様だったのに、その点ではQ2は優遇されてるよね。
ねぇ、なんだか羨ましいよなぁー。
アウディQ2は、「#型破る」をコンセプトに掲げる、Q3の弟分となる新しいプレミアムコンパクトSUVです。
デビュー当初の企画としてはラーメンで有名な一風堂とコラボして、「型破る」ラーメンが実際に食べられたりしました。
コレ食べたかったんだけど、期間が短すぎて行けなかったんだよね…。
10日間で1日20食だもんね…。
《エクステリア編》新感覚のポリゴンデザインとサイドブレード
Q2ならではの8角形グリル
正面から見ると、
通常6角形のフロントグリルが、
Q2では8角形となっています。
実はQ2は、
従来のラインナップからは外れた、
特別なモデルと位置づけられます。
AモデルやQモデルのヒエラルキーとは無関係って言われてるよね。
Q3の弟分でも無いってことだね。
そのアイデンティティの1つが、
このフロントグリルの違いとして、
示されているのかもしれません。
またフロントバンパーは、
S-lineオプションを付けることで、
ワイド感を強調する意匠となります。
標準仕様だと、
左右のエアインテークが強調され、
コンパクトな印象が強まります。
しかしS-lineオプションは、
「S line plus パッケージ」として、
色々な装備がセットになっています。
その結果、
価格はなんと驚きの83万で、
ポルシェかと思うほどの価格設定です。
- MMIナビゲーション…360,000円
⇒必須オプション。概ねA4以上になると標準装備。
- アシスタンスパッケージ…130,000円
⇒自動的に白線の内側を走る「アクティブレーンアシスト」など。クルーズ機能(ACC)は標準装備なので、このオプションは不要。
- バーチャルコックピット…50,000円
⇒最近のアウディでは非常に人気のデジタルコックピット。在庫モデルではほぼ100%ついている。
- オートマチックテールゲート…70,000円
⇒アドバンスキーなどで自動的にテールゲートを開く機能。雨の日には便利そうだけど、費用対効果はなんとも…。
上記のオプションに加えて、S line(220,000円相当)が付くことによって合計830,000円となる。
わたし、アシスタンスパッケージとオートマチックテールゲートはもったいないからいらない…。
でもそうはいかないんだよなぁ…。
しかも、
エントリーグレードである30TFSIには、
S line plus パッケージはありません。
少なくとも、
30TFSI sportを選んでおかないと、
オプションを付けることすら出来ません。
概要編でも、
30TFSIの差別化に触れましたが、
完全に割り切った設定となっています。
サイドはブレードがカッコいい!
次に側面を見ると、
やはり一番初めに目に付くのは、
シルバーに輝くブレードです。
R8を彷彿とさせる、
Cピラーの特別な装飾パーツは、
非常にカッコいいアクセントです。
このブレードの色は、
30TFSI sport以上ではシルバーで、
SQ2ではマットグレーとなっています。
またもう1点、
ショルダーラインが削られたような、
角ばったデザインもかなり新鮮です。
Q2のポリゴンデザインには、
「角の取れていない上流の石」という、
コンセプトが貫かれています。
サイドの多面的なデザインも、
このコンセプトに倣っているため、
独自性を感じさせるものとなっています。
かなり凹凸のある造りなので、
パッと見ただけで強烈な印象があり、
Q2の突き抜けた個性を感じる部分です。
石を人間に例えて、角が取れていないことを若さに重ね合わせたんだよね。
うん、この造形は若さの象徴だね。
複雑な形状のテールライト
最後に後ろから見ると、
複雑に入り組んだ形状の端に、
丸く可愛らしいライトがあります。
テールライトの形状や、
エンブレム付近のデザインは、
ここでもポリゴンを感じさせます。
ちなみに、
ウインカーは一応流れますが、
距離が短くこれも可愛らしいです。
ポリゴンはカッコいいけど、お尻はいろいろと可愛い感じだよね。
男子からすると少し残念かも?
ポロGTIと同じような、
小さく四角いテールライトは、
実際よりコンパクトな印象を与えます。
A1やA3は横長で、
伸びやかで幅感を強調するため、
パッと見た印象は結構違うと思います。
《インテリア編》美麗なバーチャルコックピットとアンビエントライト
「#型破らない」インテリア…!?
車内に乗り込んで、
パッと全体を見渡してみると、
なぜか不思議と既視感を覚えます。
確かにコックピットはデジタルで、
ドアハンドル付近も違うものの、
やけに見慣れた光景が広がります。
シンプルかつ機能的で、
洗練された雰囲気のインテリアは、
アウディらしくて好印象です。
ただ実はQ2のインテリアは、
基本的にはA3を踏襲しており、
S3ともほぼ同じ造りとなっています。
ある程度の流用は、
どのモデルにも見られますが、
もう少し捻りが欲しいところです。
エクステリアはカッコよかったのに、「#型ハマる」インテリアだなんて…。
そんなウィットに富んだ風刺を…。
ただ造りはしっかりしていて、
スイッチの押し心地も非常によく、
触れるだけで頬が緩んできます。
アウディには、
ハプティックチームと呼ばれる、
触感や音を扱う専門チームがあります。
そのおかげで、
他のドイツ車の追随を一切許さない、
インターフェースは魅力抜群です。
そりゃ「お気に入りスイッチ3選」なんてマニアックな記事書くくらいだもんね…。
スイッチフェチと呼んでくれぃ!
アルミパーツは質感がイマイチ
A3と異なる部分としては、
インパネ中心を貫くパーツが、
滑らかなアルミ製となっています。
本物のアルミではありますが、
なぜか塗装プラスチックのように見え、
金属という感覚が薄い印象があります。
う~ん、そこまで低品質には見えないけど…。
のっぺりした感じと言うのかなぁ…。
何も本アルミでなくても、
例えばA1のダッシュボードは、
とても高品質な硬質パネルです。
何だかあまり見ない個性的な材質だけど、一応プラスチックなのかな?
型押しされてるから高級に見えるね。
8年ぶりにモデルチェンジされた、
新型のA3スポーツバックを見ても、
似たような材質が用いられています。
異なる材質を使い分けることで、
限られた空間で上手く立体感を演出し、
インテリアの質感を押し上げています。
一方Q2はほぼ遊びが無いため、
せっかくカッコいい外観なのに、
車内ではその魅力が伝わりません。
せめてシルバーのドアハンドル部分をビビッドな挿し色にするとかすればよかったのに。
どこにも遊びが無いのはなんだかなぁ…。
ドライブセレクトボタンの位置
もう1つ気になったのは、
センターのドライブセレクトボタンが、
未だに端っこの場所のままだったことです。
左ハンドルなら運転手から近く、
手軽にポチポチ触れて便利ですが、
右ハンドルなら助手席側にあります。
確かにステアリングにある、
マルチファンクションボタンを使えば、
手元で切り替えることは可能です。
しかしそれだと、
一周するのに4~5回押す必要があり、
毎回フラストレーションが溜まります。
S3の場合は5つのドライブモードがあるけど、これはモデルによって数が違うんだよね。
Q2の場合は「efficiency」が無いね。
右ハンドルに変える時に、
スイッチの並びも変えてくれれば、
より便利だったのにと思います。
USB端子は合計3ヶ所
ちなみにシフトノブ付近は、
A3とは少し違う仕様となっていて、
スマホ接続用のUSB端子があります。
ただフロント部分は、
スタンダードなType-A端子なので、
接続時はType-Cなどに変換が必要です。
美しいバーチャルコックピット
MMIナビに自動的に付帯する、
アウディのデジタルコックピットは、
バーチャルコックピットと呼ばれます。
※10:38~10:58の20秒間
当初は50,000円のオプションだったけど、今はMMIナビパッケージにセットされたね。
もう標準装備の時代になったんだねぇ。
画面は太陽光の反射を抑えた、
マットな質感で非常に見やすい上、
機能も豊富に用意されています。
左右2つのメーターの間に、
挟み込むようにナビ画面を表示して、
さらに時刻や曲名も確認できます。
ガソリン残量の目盛りは、
残り1目盛りになると赤色に変化し、
ドライバーにきちんと注意を促します。
また中央部分の表示は、
ナビ以外にも色々選択できるため、
好みに応じて変更可能です。
また、
メーターを両端に小さくすると、
ナビを全画面表示することが可能です。
これ結構表示範囲広くて便利だよね。私たちみたいに運転慣れてる人だとセンターナビでも大丈夫だけど、まだ慣れてない人だと視線移動が少なくて見やすいね。
縮小・拡大も実用的な反応速度だね。
メーター針が短い点は残念
視認性も良く、
表示の自由度も高くて便利ですが、
もちろん気になる点もあります。
最も気になるところは、
表示領域を有効活用したおかげで、
メーター針が短くなっている点です。
スポーツ走行をしている時に、
サッと速度計や回転計を見ても、
瞬時に読み取れない場合があります。
でもそれってかなり偏ったデメリットだよね…。そんなの気にする人いるのかなぁ?
ま、まぁほとんどの人には関係無いね…。
アクセルやブレーキに対応して、
速度計や回転計の反応を見ることも、
車との対話を楽しむ1つの方法です。
少なくとも表示変更で、
針が長く見える画面があると、
良かったのではないかと思います。
ベンツではクラシックモードで長い針が表示できるんだよね。
MBUXは超多機能で何でもできちゃうね。
ただメーター針の動き自体は、
強く踏み込んでも滑らかに動くので、
反応速度自体は全く気になりません。
※SQ2でのフル加速の様子
これはSQ2の0-100km/h加速だね、やっぱり速いなぁ。
4.8秒だから完全にスポーツカーだね。
ベンツやBMWと比べても、
アウディの質感は最も美しく、
使い勝手もよく考えられています。
デジタルコックピットについては、
ベンツ・BMW・アウディ・VWの4社を、
別記事で徹底比較しています。
イメージ画像も多く、
見ているだけで楽しい記事なので、
検討中の人はぜひチェックしてください。
アンビエントライトがオシャレ!
Q2のインテリアには、
当時のアウディでは珍しい、
アンビエントライトがあります。
10色からカラーを選択でき、
細かなLEDが均等に輝く様子は、
とても質感が高くオシャレな印象です。
単なる直線LEDでない点は、
さすがアウディという質感の高さで、
ハプティックチームの拘りを感じます。
明るさやカラーを変更する時は、
車両メニューから操作できるので、
いつでも気分に応じて変更可能です。
上の動画を見ると、ちょっとメニュー階層は深そうな感じがするかな。
頻繁に変えるには少し面倒そうだね。
かなり高価な価格設定
しかし、
このアンビエントライトは、
簡単に付けることはできません。
まず基本的にはSQ2専用である、
インテリアパッケージを選ぶことで、
追加装備されるオプションとなります。
- ファインナッパレザー(マグマレッド)
⇒渋い赤色のレザーシート
- マルチカラーアンビエントライティング
⇒足元とグローブボックスの2ヶ所が光る
- レッドアクセントリング付きエアコン吹き出し口
⇒吹き出し口の周囲が赤く縁取られる
上記3点で260,000円のオプションとなっている。
ちなみに、
エアコン吹き出し口の色変更は、
社外品でもステキな商品があります。
このリングを使えば、
シルバー・ゴールド・ブルーなど、
自分好みのカラーに変更できます。
見た目はとってもキレイで純正パーツみたいだね。
価格も安いし買いやすくていいね。
Q2の場合は、
アンビエントライトだけ選べるような、
適切なオプション設定がありません。
唯一の方法は、
black stylingパッケージに含まれる、
アンビエントライトを付ける方法です。
- MMIナビゲーション
⇒必須オプション。オンライン検索(POI)は別途契約が必要。
- アシスタンスパッケージ
⇒自動的に白線の内側を走る「アクティブレーンアシスト」など。クルーズ機能(ACC)は標準装備なので、このオプションは不要。
- マルチカラーアンビエントライティング
- エクステンデッドブラックスタイリングパッケージ
⇒フロントグリルとバンパー、リヤバンパーが黒塗りとなり、特別デザインの18インチホイールが付く。
- バーチャルコックピット
⇒単品50,000円でオプション設定あり。
- オートマチックテールゲート
⇒単品70,000円でオプション設定あり。
上記が1つのパッケージとなり、税込700,000円となっている。
えぇー!アンビエントライトだけに700,000円も払えないよー!
ちょ、ちょっと待って待って!
金額の700,000円だけ見ると、
なんだかびっくりしてしまいますが、
これには必須オプションも混じっています。
おそらくほとんどの人が、
- MMIナビゲーション(360,000円)
- バーチャルコックピット(50,000円)
はオプション設定すると思います。
そのため、
700,000円-410,000円を計算すると、
差額としては290,000円となります。
この金額で、
特別なエアロやホイールに加えて、
アンビエントライトが付いてきます。
確かにこう考えると、アンビエントライトと各種エアロパーツで90,000円なら安く見えるね。
純正エアロはいい値段するからね。
ちなみに、
「S line plusパッケージ」には、
アンビエントライトは付きません。
購入を検討している人は、
ますます迷ってしまいそうですが、
カタログを眺めて色々比べてみましょう。
《走行性能編》プログレッシブステアリングはこのクラスでは貴重
元気な出足とハンドリング
エンジンスイッチを押し込むと、
ブルルン…と静かな音とともに、
1.0Lエンジンが目覚めました。
排気量の関係もありますが、
ゴルフ7.5やA3と比較すると、
静かなアイドリングが好印象です。
クリープ走行から、
軽くアクセルを踏み込んでみると、
ラグも無く軽快に加速を始めます。
A1の1.5Lターボである、
35TFSIよりも敏感な出足で、
走り始めはとても気持ち良いです。
またハンドリングも、
プログレッシブステアリングという、
切れ味を鋭くする機構が装備されます。
この機構は、
A1やA3やA4にすら付いておらず、
現在は貴重なオプション設定です。
そのおかげで、
少し鋭くハンドルを切ってみると、
鼻先がクイッと向きを変えてくれます。
静かに運転する分には、
その違いはほとんど分かりませんが、
クイックな操作では明確に違います。
Sモデル以上にしか付いてないと思ってたから、やっぱりQ2は少し優遇されてる気がするね。
ここはさすが「#型破る」モデルだね。
そのため、
背が高いボディにも関わらず、
A3よりもハンドルはクイックです。
感じる車の大きさは、
確かにQ2の方が大きく感じますが、
操作の応答性は速く快適です。
制御もとても自然なので、
この機構を知らない人が乗っても、
教えるまで気がつかないと思います。
ドライブモードを変えてみると?
次に30TFSI sportには、
アウディドライブセレクトがあるので、
スポーツモードに変えてみました。
Q2では、
4つのドライブモードがあり、
好みに応じて変更することができます。
- Comfort…長距離移動に最適
- Auto…快適かつダイナミック
- Dynamic…パフォーマンス重視
- Individual…項目ごとに個別設定
あれ?S3にある「efficiency」は無かったんだね。
モデルによって項目が違うみたい。
全5種類のドライブモードについて、
まずは全体の概要ページを見てから、
個別の項目を見ると分かりやすいです。
スポーツモードに変更すると、
ハンドルがある程度重たくなり、
エンジンレスポンスが上がります。
ちなみにS3では、
「エンジン音」がありますが、
3気筒だからなのかQ2にはありません。
青信号に変わった時に、
強めにアクセルを踏み込んでみると、
キュキュッと足元がスリップしました。
FFだからということもありますが、
意外と過激な設定となっているようで、
走り好きとしては嬉しくなりました。
最も激しくスリップしていたのは、
フォルクスワーゲンのポロGTIで、
かなり過激で痛快な乗り味でした。
しかしそれ以外では、
BMWの118iもスリップしないので、
やはり元気な設定なのだと思います。
ただその後は、
1.0TFSIの限界がすぐに見えるため、
スポーツ走行はなかなか厳しい印象です。
50km/h前後からは、
鈍い加速感が変わらず続くため、
上まで回すエンジンではありません。
ただ音はそれなりに響き、
音質は軽く振動も微小ではありますが、
加速している感はそれなりに感じます。
またSトロニックの仕立ては、
全開加速では遅く感じるものの、
日常域では素早く心地よいと思います。
ただSモデルとは随分違うので、
よりパキパキッとした感覚が欲しいなら、
SQ2を検討する必要があると思います。
ローンチコントロールは非対応
せっかくスポーツモードにしたので、
ローンチコントロールを試そうと、
ESCを切り替えて準備してみました。
しかし、
アクセルとブレーキを同時踏みしても、
エンジン回転数は全く上がりません。
どうやら、
Q2の30TFSI(1.0Lモデル)には、
ローンチコントロールは無いようです。
ローンチコントロールとは、
車両の最大加速を引き出す機能で、
その方法はマニュアルにも記載があります。
スポーツモードにするだけで、
タイヤがスリップしてしまうため、
綺麗に発進できないのかもしれません。
でもそれはそれで、アクセル開度を調整してスリップさせないようにする楽しみもあるのにね。
ギアの負担を考慮してるのかなぁ。
0-100km/h加速は、
およそ10秒少々となっていて、
決して速いタイムではありません。
しかし、
1.0Lターボエンジンと考えると、
心地よい加速感があると言えます。
《総合評価編》「#型破る」Q2は個性を出したい人に
高評価なポイント
Q2の試乗を通して、
最もいいなと感じたのは、
やはりその型破りなエクステリアです。
8角形のグリルもそうですが、
特にサイドの削り込んだラインは、
Q2でしか見られない特徴です。
角張った印象が強く出ると、
SUVらしい押し出しと迫力が表れるので、
サイズを越えた魅力を感じられます。
細かなデザインの隅々まで、
ポリゴンのコンセプトが貫かれ、
特別な存在だと強くアピールします。
確かアウディは、A1のお兄ちゃんでもQ3の弟分でもないって言ってるんだよね?
既存のモデルとは無関係みたいだよ。
アウディでは永らく欠番となっている、
「2」ナンバーが使われている点からも、
その特別度合いが伺える気もします。
またR8のようなブレードは、
ひと目で分かるカッコよさで、
Q2の大きな魅力の1つだと思います。
ただブレードカラーは、
ベースグレードの30TFSIではボディ同色で、
ブレードと感じないので要注意です。
その他のオプションも、
30TFSIだけかなり少なくなり、
ひどく差別化されている印象です。
ハロゲンヘッドライトとか…、もう売る気ないのバレバレだよ…。
あと装飾パネルもアルミじゃないね…。
とにかくQ2が欲しいなら、
300万円少々から買うことは可能ですが、
満足感できるか微妙でオススメできません。
なので実質的には、
400万円からのクルマだと想定してから、
購入を検討すべきモデルだと思います。
さらにQ2には、
新車価格にMMIナビは含まれていないので、
プラス30万ほどを見込む必要があります。
A4以上だと標準装備だけど、その分の差額は結構大きいよねぇ…。
A3とかも一見安く見えるんだけどねぇ…。
もう一歩なポイント
一方、
ここは残念だなぁと感じた部分は、
全くもって♯型破らないインテリアです。
ほとんどがA3の流用となり、
素敵なポリゴンコンセプトは何処へやら、
「#型破る」仕様がほぼ見られません。
せめて予算が無かったとしても
バーチャルコックピットの画面くらいは、
多角形の要素が欲しかったところです。
デジタル領域ならお金もかからないのにねぇー。
メーターを正12角形にするとかどう?
ただ定評のあるインテリアなので、
デザイン面に一定の不満は残るものの、
機能面に不足は無いのは良いところです。
できればスマホ端子は、
Type-Cだとさらに良かったですが、
通常のType-Aなので変換が必要となります。
バーチャルコックピットは、
操作や動作もスムーズで心地よく、
必ずオプション設定すべきです。
他のメーカーと比べると、
アウディの画面は非常に美しく、
ナビの全画面表示も広くて便利です。
最近だとゴルフ8もいい感じのグラフィックだったね。
アニメーションもオシャレだよね。
運転に慣れていない人なら、
コックピットは視線移動が少なくて、
運転は楽になるような気がします。
10段階評価すると?
「#型破る」Q2 30TFSI sport、
すべての要素を総合的に評価すると、
10段階のうち5です。
コンセプトは面白く、
エクステリアは魅力的なモデルですが、
見た目で開発費を使い果たしました。
ちょっと、勝手に決めつけちゃダメーッ!
もしくはやる気が無くなったか…。
特にインテリアは、
インパネの色が違うくらいで、
ポリゴン要素はどこにもありません。
せっかく、
これまでに無いコンセプトなのだから、
もっと造り込みが欲しかったと思います。
一方このクラスでは珍しい、
走行性能における貴重な装備が、
プログレッシブステアリングです。
S3にも付いている機能ですが、
この機能が無いモデルと比較すると、
明らかに軽快なハンドリングを示します。
走行性能はこの機能のおかげでプラス1点になったんだよね。
うん、これが無かったら3点だったね。
ハンドルを深く切るほど、
鋭い反応を示すようになるため、
スポーツ走行では非常に重宝します。
1.0Lターボエンジンは、
出足こそ機敏に反応してくれますが、
その後はかなり厳しい加速です。
静かに街乗りするには、
それほど気にならないと思いますが、
3気筒のサウンドも好みが分かれます。
アウディでは最小のエンジンなので、
走行性能がどれくらいか気になる人は、
必ず一度試乗することをお勧めします。
またできれば、
アウディドライブセレクトがあると、
よりキビキビと走ってくれるはずです。
ただ「sport」グレードだと、
価格がずいぶん上がってくるため、
オプション装備も確認しておきましょう。
まとめ
新しいコンセプトで登場した、
プレミアムコンパクトSUVのQ2は、
「#型破る」エクステリアが魅力です。
インテリアや走行性能は、
他のモデルと大きな差別化は無く、
順当な価格・仕様となっています。
しかし、
Q2はこれまでの系譜とは無関係の、
新しいアウディという位置づけです。
エクステリアはかなり特別なので、
街中でカッコよく目立ちたいなら、
Q2は魅力的な選択肢だと思います。