アウディのクールな人気モデルであるスポーツバック&クーペについて、今回は加速感等に直結するパワーウエイトレシオで徹底比較してみます。
馬力・トルクではなく車重に対してどれくらいの性能があるかを示すのがパワーウエイトレシオ(kg/ps)で、乗り味の軽さを数値で示せる便利な指標となっています。
「なるべく安い価格で、クルマが軽く感じるモデルが欲しい」という人には、今回のパワーウエイトレシオは非常に有用な基準だと思います。
そうそう、パワーがあってもクルマが重たいと全然走らなかったりするからね。
意外とマニアックな指標だから、知らない人も多いんじゃないかな。
アウディの新車価格の一覧表は以下のリンク先でもまとめていて、こちらは価格・排気量等で並び替えもできるのでより徹底的に比較することが可能です。
コンテンツ
「パワーウエイトレシオ」とは乗り味の軽さを示す指標
パワーウエイトレシオ(PWR)とは、
馬力と車重を基準に比較して、
車の性能を見る指標の1つです。
この指標は「kg/ps」という単位で、
細かいことは抜きで感覚的に言うと、
数値が小さいほど車が軽く感じます。
この「kg/ps」という数値は、
1馬力で何kg引っ張るかという意味で、
数値が小さいほど優秀です。
10kg/ps程度あれば、
それなりにスポーティな印象で、
性能も十分だと言えるでしょう。
ちょうどプリウスの標準的なグレード(150ps)で10.3kg/psだね。
街乗りでは不満は無いと思うよ。
数値が小さくなればなるほど、
車重に対してエンジンが強く、
よりパワフルな走行が可能です。
ちなみにトップモデルである、
R8のパワーウエイトレシオは、
なんと驚きの2.7kg/psです。
数値なんて関係なくカッコいい、惚れちゃう…。
うん、これは数値関係なかったね…。
このR8が誇る、
2.7kg/psは驚愕のスペックですが、
平均値はどれくらいなのでしょうか。
パワーウエイトレシオをA1~A7&TTで徹底比較!
では、
まずは各モデルを一覧表にして、
数値が小さい順に並べてみます。
■ アウディ スポーツバック・クーペ パワーウエイトレシオ&価格比較(PWR順)
PWR(パワーウエイトレシオ)が低い順だから、速い順ってコトだね。
うん、平均は10kg/ps程度だからどれも結構速いね。
おおよその目安として、
街乗りなら9~10kg程度あれば、
普通に運転する分には十分な性能です。
A1・A3を比較してみると?
最も低い数値なのが、
A1の25TFSIの12kg台で、
これはある意味仕方ありません。
A1はエントリーモデルであり、
唯一300万以下で乗ることができる、
非常に貴重なアウディと言えます。
しかし侮るなかれ、
乗り味は重厚感に溢れていて、
A3をも凌ぐ素晴らしい乗り味です。
その次に来るのが、
A3のベースグレード30TFSIで、
ここで10kg台へと突入します。
A1のベースグレードと比べて、
+30万少々でA3に格上げできて、
さらにPWRも2割ほど向上します。
12.3kg⇒10.8kgだから、ざっくり15%程アップしてるね。ふむふむ、これはお得だねぇ。
小さいのが好きならA1がいいけどね。
A1 35TFSIやA3 40TFSIでは、
8kg前後まで数値がアップするので、
さらに身軽に感じるようになります。
A1 35TFSIになると、
A3 30TFSIより高い数値となり、
走行性能では逆転現象が起きます。
ただ価格も、
A1 35TFSIの方が高くなるため、
コスパが良いわけではありません。
ライバルのゴルフGTI/Rは相当速い
ちなみに同じVWグループで、
ゴルフGTIを見てみると6kg/psで、
ゴルフRだと5kg/psを割ってきます。
ゴルフRだと、
4.8kg/ps程度までアップするので、
GTIともまた全然軽さが違います。
A3の40TFSIは、
優秀な2.0TFSIエンジンですが、
それでもGTI/Rにはまだ敵いません。
やっぱり元祖ホットハッチの名は伊達じゃないよね。
ゴルフGTIは430万で安いんだけどね。
TT・A5・A7の高額モデルは?
A5以上のアッパーモデルでは、
PWRを考えるに当たっては、
ディーゼルは分ける必要があります。
ディーゼルエンジンは、
馬力は低くてもトルクが高いため、
乗り味は数値以上に軽くなります。
グレード名に「TDI」とあると、
ディーゼルエンジンを指すので、
これらは非常に高トルクと言えます。
街乗りだと、
アクセルを軽く踏むだけでよく、
非常に快適かつ速く走れます。
以前はディーゼル特有の、
ガラガラした音が聞こえましたが、
最近は随分小さくなりました。
そのため、
音も静かでトルクも大きいので、
最近のディーゼルは人気があります。
しかしディーゼルは、
高回転まで気持ち良く回らないため、
良し悪しはそれぞれの感覚によります。
一部例外もあって、
ベンツのG200dに試乗した時は、
とってもパワフルで元気がありました。
ディーゼルにしては良い感じに上までスカッと回ったよね。
ベンツの底力を見た気がするなぁ。
また同じ40TFSIでも、
TTは6.7kg/psまで軽くなり、
車重分でさらに身軽となります。
500万弱で買える、
身軽なスポーツカーとして、
TTはかなり魅力的だと思います。
ちなみにS3のPWRはいくらなの?
現行S3だと5.2kg/psだね。
ちなみに参考として、
トヨタが誇るスープラ(SZ-R)も、
5.6kg/psとS3とほぼ同じです。
さすがにRZグレードには負けちゃうけどね。
もう完全なスポーツカーだもんね。
ただTTは、
現行で生産終了となったため、
新車で買うなら今しかありません。
新車が高いと感じる人や、
維持費が気になる人の場合は、
サブスクなら月額定額で乗れます。
月額費用には、
維持費もしっかりコミコミなので、
高額修理に怯えることもありません。
輸入車でサブスクするなら、
「SOMPOで乗ーる」しかありませんが、
充実のサポートでオススメできます。
次に、
A5・A7のハイクラスモデルでは、
ディーゼルとガソリンがあります。
ディーゼルモデルは、
トルクの方が重要視されるため、
このPWRはあまり参考になりません。
まぁ走るためにディーゼル選ぶ人はいないから、特段問題も無いんじゃないかな。
ディーゼルで峠ってどうなんだろ…。
ガソリンエンジンを見ていくと、
A5クーペの45TFSIが6.4kg/psで、
A7だと7.3kg/psとなっています。
A5クーペは2ドアで、
とてもラグジュアリーなモデルなので、
ガソリンエンジンがよく似合います。
ディーゼルの方が高トルクで、
街乗りは便利かもしれませんが、
やはり回してナンボかなと思います。
またA7は相当重いため、
800万もする車両と考えると、
PWRは高めと言わざるを得ません。
A7は上位モデルの55TFSIだと、
なんとTT以下の5.5kg/psとなり、
エンジンの凄さが数値でも分かります。
しかし今回のラインナップでは、
唯一の大台1,000万に乗っていて、
簡単に買える価格ではありません。
そう考えると、
約半額で買えるTTの45TFSIが、
ほぼ同スペックというのは魅力的です。
S3も同じく600万少しなので、
単純にクルマの身軽さを見ると、
相当お買い得なのが分かると思います。
しかしS3は、
全幅1,785mm・全長4,335mmと、
見た目の威圧感はそれほどありません。
せっかく輸入車に乗るなら、
迫力のあるクルマが欲しい人には、
やはりA5以上がオススメかなと思います。
ただサイズが大きくなるほど、
PWRも大きくのっそりしてくるため、
ここはトレードオフの関係となります。
まとめ
今回は、
パワーウエイトレシオという、
独特な視点で比較してみました。
ぜひ気になっているモデルと、
乗り味の軽さを天秤にかけて、
購入検討の参考にしてください。
クルマは何を買おうか選んでる時も楽しいもんね!
試乗レビューとか読み漁るよね。
おおよそ8kg/psを境界として、
ある程度スポーツ走行できるかが、
分かれる感じじゃないかと思います。
もし、
たまには峠も走りたいならば、
A3なら40TFSIは欲しいところです。
逆に攻めた走りはしないけれど、
アウディの質感を味わいたいなら、
A1でも十分クオリティを堪能できます。
「走りの軽快さ」という観点では、
この指標は非常に役立つので、
ぜひ1つの参考にしてみてください!