フォルクスワーゲンでは、
人気ハッチバックとされる、
3台のゴルフを比較してみます。
前回までの記事では、
エンジン性能や価格といった、
数値的な部分を見比べてみました。
今回は、
実際に試乗した感覚について、
詳しくご紹介してみたいと思います。
新車・中古車を買うよりも、
さらに安くクルマが欲しい人は、
ぜひ自動車サブスクも検討しましょう。
- スペック編
- 価格編
- 走行性能編(本記事)
- 総合評価編
加速感の違いは歴然
まず、
走行性能として最初に気になるのは、
踏み込んだ時の加速感だと思います。
ゴルフ7.5では、
出足は敏感で心地よいものの、
最初の30km/hくらいまでだけです。
その後は、
エンジンが大きく唸りますが、
動力には繋がらない感覚が続きます。
まぁでも、そこまで遅いって感じでも無いけどなぁ…。
同サイズの国産車よりは速いかな。
ちなみに、
0-100km/h加速は8.7秒で、
ゴルフ8でも似たような数値です。
街乗りで流すだけなら、
特に不満の無い動力性能ですが、
スポーツ走行はほぼムリだと思います。
それがゴルフGTIだと、
余裕を感じるフィーリングとなり、
そこに50万円分の価値があります。
ゴルフ7.5みたいに、エンジンががんばってる感はほとんどないよね。
いつも余裕があって気持ちいいね。
0-100km/h加速も6.4秒となり、
ホットハッチと呼べる加速感があり、
街乗りでも高速でも常に余裕があります。
ただ、
味付けはかなりマイルドとなっていて、
ジェントルで緩やかな加速が特徴です。
アクセルを7割ほど踏み込んでも、
大きくキックダウンすることはなく、
シートに張り付く加速ではありません。
スポーツモードに変えると、
多少レスポンスは敏感になりますが、
気にすると気づくかなという程度です。
「急加速」という印象は無いものの、
余裕たっぷりの走りは十分に心地よく、
贅沢な時間を味わうことができます。
いい音してるよね、やっぱりホットハッチはこうじゃなくちゃ。
外から聞いてもいい音だよね。
最後はゴルフRですが、
こちらはゴルフGTIとは趣向が異なり、
スポーツ寄りのドライブフィールです。
特に出足は鋭く、
少しやりすぎ感もありますが、
これはこれで気持ち良いと思います。
走行性能も去ることながら、
さらに過激な演出なのはサウンドで、
トップモデルらしい荒々しさです。
低速では低く迫力のある音ですが、
踏み込むと抜けの良い音に変わって、
速そうな快音を響かせながら加速します。
またアクセルオフすると、
ボボボッとバックファイヤー的な音で、
さらに気持ちを盛り上げてくれます。
これはやる気がバリバリでちゃうよね。何度も試したくなっちゃう。
S3には付いてない機構だよね。
ハンドリングは似ている!?
次に、
ハンドリングを見てみると、
こちらは加速感ほど変わりません。
ゴルフ7.5・GTI・Rのどのモデルでも、
ステアリングの反応は意外と穏やかで、
鋭い操作はあまり受け付けない印象です。
ゴルフ7.5では、
操舵からワンテンポ遅れて反応するため、
峠でのスポーツ走行はかなり厳しいです。
またハンドルを切った後に、
元の位置に戻ろうとする力が強く、
急ハンドルでは車がひどく揺れます。
まぁ70kmくらいで軽く走り抜ける程度のスポーツ走行なら大丈夫かな。
気持ちスポーツくらいならOKだね。
ゴルフGTIになると、
カーブを曲がるだけでも心地よく、
しっかりとした接地感を感じられます。
ステアリング反応も向上しますが、
急ブレーキ+急ハンドルという操作だと、
少しレスポンスに不安が残ります。
ゴルフ7.5よりは、
もちろん俊敏な動作にも反応しますが、
限界まで詰める走り方は危険です。
ゴルフRになると、
やはりトップモデルらしく、
さらに俊敏なレスポンスとなります。
ノーマルの走行モードでは、
素早い操作にもよく追従するため、
心地よい操舵感を得ることができます。
ただ意外と、
レースモードでも変化は少なく、
もっと緩急を付けてほしいところです。
もっとギリギリまで詰めれそうな気がするんだけどなぁ。
「Think People.」で安全第一なのかも…?
しかし、
峠で追い込むような走りも可能で、
思いっきり性能を開放できます。
スポーツ走行はできる?
まず、
ゴルフ7.5は出足は鋭いものの、
ほぼ街乗り専用といった印象です。
スポーティさはありませんが、
ゆったり流すには心地よく、
ドイツ車の剛性を感じられます。
国産車と比べると、やっぱり剛性感は随分と違うよね。
これぞドイツ車って感じだね。
1.2Lモデルなら、
税込320万ほどで狙えるため、
ドイツ車の入門モデルではお勧めです。
ゴルフGTIになると、
かなりエンジンには余裕ができ、
息の長い加速感を得られます。
ハンドリングも、
ゴルフ7.5よりはリニアな感触で、
カッチリした操作感が特徴です。
しかし、
全体的に動作がとても穏やかで、
ラグジュアリーな感覚があります。
確かに、
ゴルフ7.5より高級感があるものの、
GT色が色濃くなっている印象です。
ポロGTIのような、
シャキシャキした反応ではなく、
大人なスポーツ感が漂っています。
ポロGTIは本当にキレッキレだったよね。まさにホットハッチって感じだったよ。
価格も400万以下だしお得だよね。
スポーツ走行は可能ですが、
50万円の価格差の多くは、
質感の向上に使われている印象です。
激しい走りを求めて、
ゴルフGTIを購入しても、
肩透かしを食らうかもしれません。
実は総合評価で、
高評価な点が何もなかったのは、
このゴルフGTIperf.くらいです。
ただ、
軽く攻めるような走り方なら、
抜群の安定感が気持ちよいです。
それがゴルフRになると、
しっかりとスポーツ寄りの設定で、
走るための車という感覚があります。
出足はかなり鋭く、
トラクションがかかった瞬間に、
身体がシートに押し付けられます。
しかし、
中間加速は思ったより穏やかで、
街乗りでも扱いやすいです。
0-100km/h加速は4.6秒ですが、
そこまで速く感じることはなく、
加速感は意外とジェントルです。
また加えて、
ハンドリングは少し緩く、
急ハンドルだと反応が遅れます。
よく巷では、
アウディS3と比較されますが、
レスポンスは随分と差があります。
S3はオートモードでは、
加速もハンドリングも程よいですが、
ダイナミックモードで豹変します。
ダイナミックモードでは、
まさに意のままといった感じで、
アウディらしい走りを実感します。
スポーツ走行を楽しむなら、
同価格帯ではゴルフRよりS3の方が、
どちらかというとオススメな気がします。
まとめ
ゴルフ7.5・GTI・Rは、
どれもフォルクスワーゲンでは、
人気のCセグメントモデルです。
しかし、
スポーツ性能を基準とすると、
各モデルには大きな差があります。
ある程度、
峠・サーキットを攻めて走るなら、
最低でもゴルフGTIは欲しいです。
ただゴルフRでも、
どこかに穏やかさが伴うため、
追い詰めると物足りなさを感じます。
より激しい走りがしたいなら、
アウディS3やベンツA35など、
他メーカーがオススメだと思います。
まぁでも「羊の皮をかぶった狼」が好きならゴルフRが一番だね!
見た目は一番カワイイよね。
では最後に、
価格・スペック・走行性能を含めた、
総合評価を考えてみたいと思います。