ゴルフ7.5ハイラインマイスターの試乗レビュー、今回は大切な走りの部分をご紹介します。
1.4Lターボエンジンなので、あまり過度な期待をしてはいけませんが、DSGの小気味良いシフトチェンジと相まって街乗りではイイ感じです。
少し硬めの足回りやダイレクトなシフト感覚は魅力的で、ドイツ車らしさを存分に味わうことができます。
- 加速感
出足はかなり軽快で心地良いが、60km/h辺りで頭打ち感が強くなる。だが強く踏み込むと、意外と6,000rpmくらいまでイイ感じに回ってくれる。加速感はイマイチ。
- ハンドリング
街乗りには適したのんびり感で、市街地をリラックスして流すにはバッチリ。しかし鋭く切り込むと逆向きへの反動が酷く、峠を攻め込んだりするのはかなり危険。
- 足回り
「ドイツ車のスタンダード」と思わせる感覚がある。路面のいなしは心地よいが、国産車からの乗り換えだと硬いと感じる人もいるかも。
今ゴルフ7は中古しかありませんが、100万円あれば十分狙え、さすが人気車種だけにラインナップも豊富でお気に入りのモデルがきっと見つかります。
ゴルフ7の概要・グレード・オプションやオススメの価格帯まで詳しく解説した「ゴルフ7中古車購入マニュアル」も以下のリンク先よりぜひご覧ください。
コンテンツ
軽快な出足と硬めのイイ乗り味
エンジンは1.4Lターボの140ps/250Nmで、車格から考えるとごくごく平均的なスペックと言えます。
■ ゴルフ7.5の馬力・トルク一覧

最近はCセグメントの1.0Lエンジンが増えてきているので、1.4Lでも小さな排気量とは言えなくなりました。
出足はかなり軽快でグッド
ワーゲンの標準モデルでスポーツ仕様でもないので「あまり走らないのかな…」と思いきや、出足はかなり軽快にスススーッと加速します。

出足はあまりに勢いよく回るから、一瞬アクセルを抑えちゃった。
出足はわざと敏感に設定されてる感じ。
信号スタートではキビキビと気持ちよく加速してくれるので、十分に優越感を感じられます。
次に強めにググッと踏み込んでみると6,000rpmくらいまで一気に勢いよく回り、TSIエンジン特有のターボラグを伴っての急加速が始まります。

やっぱりDSGだとシフトアップ速いよねぇ。
「0.2秒の電光石火」と言われてるからね。
しかし速度が上がるほど加速は鈍く…
ただ踏み込み始めは出足の軽快感を残したまま速度が乗っていきますが、50km/h付近からエンジン音ばかりが響いて加速は徐々に鈍くなります。
■ ゴルフ7.5試乗 各速度域での印象

パドルシフトを使うと、よりエンジンの美味しい領域を使ってスポーティに走れますが、標準のパドルシフトはポテチのような小ささです。
社外品なら大きくカッコいいパドルシフトがたくさんあるので、操作性を向上させたいならチェックしてみましょう。
中古車なら100万台でも狙える!
ゴルフ7は上位グレードの1.4TSIでも100万台で、かつ走行距離も短い好条件の車両がたくさんあります。
ボディ色もオプションも色々選べるほど台数があり、好きな色&好きなオプションを探すのもそれほど大変ではないハズです。
■ ゴルフ7 グレード別中古車価格

グレードとしては2017年に展開されたマイスター仕様がオプションてんこ盛りなので非常にオススメです。コストパフォーマンス抜群で人気を博したマイナーチェンジです。
マイスター仕様だと流れるウインカーもデジタルメーターも付いており、特にこの時代はアナログメーターからデジタルメーターへ切り替わった時期でした。
今はアナログメーターだと古くさく感じる人も少なくないので、多くの人にはゴルフ7の集大成とも言えるマイスター仕様がオススメできると思います。
※ゴルフ7&7.5の中古車購入マニュアルはこちら!

DSGはGTI/Rと大きな差
現在のフォルクスワーゲンでは、GTIやRといったハイパフォーマンスモデルに設定されるDSGは湿式で、標準のゴルフは乾式DSGです。

そうなの?ゴルフ8の7速DSGも乾式ってこと?
うん、そうだよ。
ゴルフ7が発売された頃(2013年当初)は、この7速乾式DSGがとにかく壊れやすい時期があったので、今も穏やかでないウワサが流れていたり…。
しかしその後は改善を重ねているため、ゴルフ7.5世代であれば特に気にすることなく乗れるハズです。
今回は7速乾式DSGだったので直にギアが接触する機構でしたが、ダイレクト感はそこそこで大人しめの躾となっていました。

ギアチェンジするときも一度コンピューターで調整されてから、必要以上に変速ショックを抑えている感じでした。
GTIやRと比較するとシフト速度が明らかに遅いため、ギアの保護という目的以上に差をつけられている印象は感じました。
以前アウディA3に乗っていたときは、名称違いの同機構(Sトロニック)でもパドルシフトには敏感に反応していました。

ゴルフ7.5はすこぶる穏やかで、シフトアップもダウンも同様にアグレッシブな操作は拒否されて反応しません。

まぁ安全と言えば安全だけど…。スポーツ走行には向かないよねぇ…。
もう少し刺激がほしい気はするよね。
走行モードをスポーツにしてもどこが変わったのか分からず、エンジン音やステアリングの変化もほぼ感じません。
おそらく元々の走行性能が高くないため、多少変わったとしても体感できるレベルではなく、変化が乏しく感じるのだと思います。
ポロGTIではもう少し変化があり、少しレスポンスが良くなった印象がありましたが、やはり「別の車」とまではいきません。

しかし、最速のフォルクスワーゲンであるゴルフRでは、レースモードだと随分と印象が変わり攻めた走りもできるようになります。


ゴルフRではスポーツモードをレースモードって呼ぶんだよね。
うん、呼び方は同じでいい気がしたけど。
ちなみにアウディS3だと、EfficiencyとDynamicの2つはハンドリングもエンジン反応も別モノで、同じ車だとは思えない乗り味です。
モードを切り替えた瞬間にアイドリング音が全然変わり、ステアリングの重さも2〜3倍になるので初めて乗った時は驚きました。

限界の低いステアリング
ハンドル操作してみると、ドイツ車にしてはかなり軽めの設定で快適性を重視している印象です。
ゴルフGTIやゴルフRでは同じような軽めの感覚を保ちつつも、ガシッとした重量感も出てくるため、ここでも差別化が図られています。


ゴルフGTIとも大分違う感覚だね。
しっかり差別化してるよねぇ。
街乗りで乗る場合は低速で右に左にと頻繁に曲がるため、軽くハンドルを切れた方がラクに運転できて便利です。
しかしスポーツ走行となると、手足のように機敏に反応してくれないと、なかなか心地良いドライビングとはなりません。

また激しく走る時はギリギリを攻めることも多いので、思い通りにクルマが動いてくれないと運転の危険度がグッと増してしまいます。
楽しくスポーツ走行するには、しっかりクルマと対話できることが重要なポイントの1つです。街乗りでは全く問題ありませんが、スポーツ走行にはかなり厳しめであると言えます。

ここはもちろんスポーツモードにしての話だよね?
うん、もちろんもちろん。
時速40㎞前後であっても、ググッと急ハンドルを切ると少し遅れてから車体が大きく傾いて、相当ロールして滑っていく感覚があります。
さらにハンドルがセンターに戻る力が非常に強く、クルクルっと一気にハンドルが戻り始めます。
その勢いで今度は勝手に逆ハンドルを切る形となり、速くコーナーを曲がる度に車体が左右に大きく揺すられます。

車体が左右にグイングイン振り回される感じね。
そう、上手くハンドルを切れない感じ。

アクセルと同時にハンドルを切ると制御不能になるような感覚があり、とても危なく感じます。
逆に普段の運転では勝手にハンドルが戻ってくれるので、無駄な力を使わず運転できて便利なのかなとも思います。
硬くドイツ車らしい足回り
ハンドルを握ると路面の情報が手のひらに細かく伝わり、これぞドイツ車!な走行フィールです。ドドッという突上げは一瞬ありますが、すぐに姿勢変化が収まって心地良いです。
ただ逆に考えると路面の細かな情報はほとんど拾い上げて伝わるため、初ドイツ車だと疲れるかもしれません。
乗り味はタイヤによっても随分と変わるので、どうしても疲れてしまうならタイヤ交換の時に違うタイヤに履き替えてみることをオススメします。
輸入車向けタイヤも豊富に揃っているタイヤフッドなら、車種&グレードをポチポチと選ぶだけで簡単に適合タイヤが調べられます。

ネット購入でも無料6ヶ月パンク保証が付いていて安心な上、タイヤ取付予約まで一発と非常に便利なシステムとなっています。
タイヤ交換工賃もディーラーよりは当然安く、タイヤ専門店と比較しても遜色ない安さです。基本工賃は協定済みで変わることが無いので、後から追加料金を請求されることはありません。
■ 場所別のタイヤ交換費用目安
交換する場所 | タイヤ交換費用(4本) |
ディーラー(国産車) | 12,000円~ |
ディーラー(輸入車) | 15,000円~ |
オートバックス | 10,900円~ |
タイヤ館 | 11,160円~ |
イエローハット | 11,000円~ |
ジェームズ | 10,120円~ |
オートウェイ | 7,920円~ |
タイヤフッド | 10,560円~ |
タイヤは気づくと擦り減っていて、放っておくと車検不適合・事故の原因となります。今履いているタイヤが交換時期かどうか簡単なチェック方法もあるので、一度見てみましょう。
首や腰が突き上げで辛いなら
一般的にドイツ車は国産車より硬めで小気味良い乗り味が人気で、思い通りに操れる感覚は大きな魅力です。
ただ、その分接地感が強く突き上げも強いことから、人によっては腰やお尻が辛いと感じるかもしれません。そんな時はシートクッションをお尻に敷くと多少はマシになります。
しかし、安いシートクッションはその効果がしっかり検証できているかは疑問が残るため、本当に身体に良いのか不安な人もいるはずです。
そこで少し値は張りますが、安心の日本製で50年以上の歴史があり、医療現場でも人気のシートクッションがあります。
その名はエクスジェルで、低反発でも高反発でもない体圧”分散”流動をコンセプトとした独自開発の素材が身体を守ります。

今も医療現場やカーレースで実際に使われているシートクッションであり、その信頼性は折り紙付きと言えます。

値段は張るけど健康には変えられないもんね。
一度買えば長く使えるしね。
運転による腰痛は血行不良が原因と言われていますが、実はクルマ自体に原因が潜んでいる場合もあります。
腰痛予防の対策3選と一緒にご紹介していますので、お金をかけずに解決してみたい人はまずこちらの記事を参考にしてみましょう。
まとめ
ゴルフ7.5の走行性能は、街乗りではサクサクと流れに乗れますが、スポーツ走行はかなり厳しい印象です。
それでもドイツ車的な乗り味はしっかりと味わえ、やはりコストパフォーマンスで見ると非常に優秀なモデルです。
もし維持費が心配な人は、新車に乗れてメンテナンスも月額コミコミの自動車サブスクなら月額5万円台から乗れるので検討してみましょう。
では次の最後の記事では、これまでのエクステリア・インテリア・走行性能を総合的に判断して10点満点で評価したいと思います!
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