A3スポーツバック(30TFSI advanced)試乗レビュー、今回は価格・エクステリア・インテリア・走行性能を総合評価して、10点満点で点数を付けます。
2013年より8年振りのモデルチェンジとなり、見た目もエンジンも大きく変更されました。エッジの効いたデザインですが、威圧的過ぎないのがアウディの素敵なトコロです。
エンジンは3気筒の1.0TFSIと少々テンションが下がってしまいますが、マイルドハイブリッドの効果が効いていてストレスのない加速フィールを味わえます。
現在、1つ前のA3(通称8V)なら1.4TFSI・2.0TFSIといった大きめの排気量でも100~200万で状態の良い中古車が狙えます。
バーチャルコックピットやLEDデイライトも搭載しているので、現行モデルと変わらない感覚で乗れるので、安くアウディの愉しみたい人にはとってもオススメです。
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◎サイズ…全長4,345mm×全幅1,815mm×全高1,450mm
ひと言…先代(8V)から巨大化し全幅1,800mmを超えている。見た目の迫力はあまり変わってないのに…。
◎エンジンスペック
30TFSI…110ps/200Nm(2,000~3,000rpm)
40TFSI…190ps/320Nm(1,500~4,100rpm)
◎ホイールベース…2,635mm
ひと言…先代と同じ。
◎最小回転半径…5.1m
ひと言…これも先代と同じ。
◎トランスミッション…7速Sトロニック
ひと言…同じSトロニックでも、実はS3とはフィーリングが段違い。ゴルフ8と比べるとわずかにリニアな印象があるが、大きくは変わらない。
◎車両重量
30TFSI…1,320kg
40TFSI…1,490kg
ひと言…40TFSIは+30kgとなった。
◎WTLCモード燃費
30TFSI…17.9km/L(WTLC)
40TFSI…13.5km/L(WTLC)
ひと言…実燃費は大体カタログ値の60~70%が目安です。WTLCはJC08よりは正確だと言うけれど…?
◎タイヤサイズ…16インチ 205/55、17インチ 225/45
◎特長…48Vマイルドハイブリッド初搭載
ひと言…ゴルフ8と同じ機構を積んでいるが、40TFSIには搭載なし。800~1500rpmの回転域で50Nmのパワーがある。
◎価格…税込300万~500万前後
- A3 30TFSI⇒3,100,000円
(1.0L、ドライブセレクトなし)
- A3 30TFSI advanced⇒3,460,000円
(1.0L、ドライブセレクトなし)
- A3 30TFSI S line⇒3,890,000円
(1.0L、ドライブセレクトあり)
- A3 40TFSI quattro advanced⇒4,400,000円
(2.0L、クワトロ、ドライブセレクトなし)
- A3 45TFSI quattro S line⇒4,830,000円
(2.0L、クワトロ、ドライブセレクトあり)
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コンテンツ
《概要編》サイズ・価格・スペックは?
サイズは先代より大型化
まずスリーサイズを見ると、
全長と全高はほぼ同じですが、
全幅が拡大され迫力が増しました。
- 全長4,345mm
(参考)ゴルフ8 4,284mm
- 全幅1,815mm
(参考)ゴルフ8 1,789mm
- 全高1,450mm
(参考)ゴルフ8 1,456mm
ライバルのゴルフ8とは、
全長と全幅が少しずつ大きいので、
一回り大きく感じると思います。
ちなみに全高は、
S-line仕様だとサス変更により、
標準-15mm低くなっています。
ただ意外なことに、
パッと見た印象は現行と変わらず、
さほど大きくなった感じはありません。
全幅が1,800mmを超えると、
乗り回しが気になる場面も増えるので、
印象が同じだと損した気分です。
一方サイドから見たときの、
Cピラー付近の量感が増していて、
後ろ姿の色気がプラスされています。
またA3スポーツバックは、
正統派ハッチバックである上に、
何となく車格が高く感じる気がします。
まぁこの辺りは好みの問題だけどね。私もBMWとワーゲンよりは好きかな。
ベンツはA45のクールな印象があるね。
VWはコロンとした可愛らしさで、
車格を高く見せる感じではありませんが、
ココは好みが分かれるポイントと言えます。
またBMWは、
モデルチェンジでFF仕様に変わり、
FRの美しいフォルムが失われました。
私はロングノーズだと車幅が分からないからちょうどいいけど…。
確かに運転は楽になったかもね。
グレード・価格一覧
新しくなったA3では、
30TFSIで3つと40TFSIで2つという、
合計5つのグレード展開となっています。
- A3 30TFSI⇒3,100,000円
(1.0L、ドライブセレクトなし)
- A3 30TFSI advanced⇒3,460,000円
(1.0L、ドライブセレクトなし)
- A3 30TFSI S line⇒3,890,000円
(1.0L、ドライブセレクトあり)
- A3 40TFSI quattro advanced⇒4,400,000円
(2.0L、クワトロ、ドライブセレクトなし)
- A3 45TFSI quattro S line⇒4,830,000円
(2.0L、クワトロ、ドライブセレクトあり)
価格帯は310万からスタートで、
最上位の40TFSI S-lineモデルでは、
480万とA4も狙える500万級に達します。
30TFSIは1.0Lエンジン、
40TFSIは2.0Lエンジンと出力が分かれ、
馬力・トルク幅は以下の通りです。
- 30TFSI
1.0TFSI…110ps/200Nm
最大トルクは2000rpm~3000rpm
- 40TFSI
2.0TFSI…190ps/320Nm
最大トルクは1500rpm~4100rpm
30TFSIでは少々物足りませんが、
乗り味はしっかりドイツ車なので、
国産車からの乗り換えなら満足できます。
40TFSIになると、
320Nmまでトルクが高まることから、
街乗りはとても快適に走れるはずです。
最大トルクも1500rpmからと、
日常域で最大トルクを使えるので、
よりパワフルに感じられると思います。
1.0TFSIよりも2.0TFSIの方が、
より低回転から最大トルクを発揮し、
スペック以上に身軽に感じられます。
またS-lineグレードになると、
足回りもスポーツサスへと変わるため、
よりシャキッとした感覚が強まります。
アウディのスポーツサスは意外と固いから、初めてなら試乗がオススメかな。
段差の突き上げもなかなか感じるよね。
もし硬すぎると感じるなら、
シートクッションを下に敷くと、
突き上げが柔らかく乗りやすくなります。
しかしそれだけでは、
完全に負担ゼロとはいかず、
身体の疲労が残る可能性があります。
日本の医療現場や、
実際のレースでも使用されている、
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A3の最安グレードは310万ですが、
最近のアウディのエントリーグレードは、
差別化が酷くあまりオススメできません。
- マニュアルエアコン
- アンビエントライトなし
- テールライトが流れない
- アルミルックインテリアなし
- 16インチホイール
エアコンの温度設定が手動なんて…、ブランドスローガンって何だっけ?
「技術による先進」だったような…。
今回試乗した、
1つ上の「advanced」グレードになると、
装備はかなり充実してきていい感じです。
A3を狙っているなら、
最低でも「advanced」を買った方が、
後々の満足度は高くなる気がします。
もう1つ上の「S line」では、
エクステリア・インテリアの見た目と、
サスペンションがスポーツに変わります。
実はステアリングは変わらず、
パドルシフトは全グレードで付くのが、
BMWの1シリーズとは違うところです。
M135iしかパドルシフトないんだよね、駆けぬける歓びはいずこへ…。
今回はよくスローガンが出てくるねぇ…。
確かにS lineになると、
見た目はそれなりに変わりますが、
40万アップは結構迷うところです。
ホイールだけ18インチに変えれば、
おそらくルックスにも迫力が出て、
価格も抑えられるのではと感じます。
また忘れてはならないのは、
走行モードをボタン1つで変化できる、
アウディドライブセレクトの機能です。
なんと今回のA3では、
40TFSI以上しか設定されておらず、
30TFSIのS-lineでも付いていません。
ええぇぇー、S-lineの「S」って何の略だったっけ…?
たぶん「スポーツ」だよねぇ…。
以前の1.4TFSIでは設定があったので、
1.0TFSIに付けても効果が薄いという、
アウディ側の理由ではと思われます。
ただ同じ1.0TFSIでも、
Q2 30TFSIには付いているので、
何となく差別化された感が否めません。
Q2ではドライブセレクトに加え、
プログレッシブステアリングもあり、
なかなか豪華な仕様となっています。
《エクステリア編》より攻撃的に進化を遂げた
フロント部の素敵ポイント5選
まず全体を見てみると、
先代と同じく程よい大きさで、
コンパクトで高級感があります。
ちなみに、
先代のデザインは以下の通りで、
随分アグレッシブに変化しました。
大きく変わったのは、
フロント部の3つのポイントで、
どれもカッコよさを引き立てます。
ヘッドライトが刻まれているのは、
新しいアウディのデザインの特徴で、
A1やQ3でも同様となっています。
Q3は3分割の雰囲気が少し違うけど、イメージとしては同じだね。
Q3はスポーツバックがイイねぇ。
ハニカム調のフロントグリル
まず1つ目は、
グリル内がハニカム調となり、
RSシリーズ的な見た目となりました。
正直アウディを知らない人には、
全く気付かないポイントですが、
知っている人は羨ましいはずです。
うん、だって憧れのRSシリーズと同じ感じだもん。いいないいな~!
美味しいトコを付くよねぇ。
先代はルーバー調で、
横方向の広がりを強く感じさせ、
スタイリッシュな印象でした。
先代の30TFSI(1.4TFSI)も試乗レビューしたんだよね。
うん、基本コンセプトは同じだね。
今回のハニカム調では、
アグレッシブさを押し出して、
より迫力を感じさせるデザインです。
色違いのエアインテーク
2つ目の素敵ポイントは、
ボディ色に関わらずシルバーの、
大型エアインテークの存在です。
ただS-line仕様では、
少し暗めのグレーに変更され、
渋めのクールな感じとなります。
なんかシルバーの方がアグレッシブでイイ感じなのに…。
まぁ渋いっちゃ渋いけどねぇ。
ボディ色が青でも黒でも、
固定色でしっかり枠取りされるため、
スポーティさを印象付けてくれます。
ちなみに、
ベースグレードだと黒色枠なので、
ボディが白だと相性が良さそうです。
デザインはバンパーに馴染み、
程よい大きさで派手過ぎることもなく、
立体感とオシャレさをプラスします。
この固定カラーデザインは、
Q2のブレードにも採用されていて、
最近のアウディのトレンドと言えます。
たぶん起源はR8のサイドブレードだろうね。カッコいいよねぇ~。
最近はヤンチャなR8さま…。
ボンネットにプレスライン
3つ目のポイントは、
ボンネットのプレスラインが増え、
センター寄りに2本追加されました。
先代はデザインに溶け込んでいて、
迫力を感じさせるというよりは、
上質さを強調するイメージでした。
しかし今回は、
中央よりの目立つ位置に追加され、
より攻撃的な雰囲気となりました。
うん、随分と迫力が増した感じがするよね。
ここも新型がいいよなぁ…。
ボンネットが盛り上がる、
パワードーム的な演出はありませんが、
それでも十分に魅力的なポイントです。
ちなみに永遠のライバルである、
ゴルフ8もプレスラインが2本追加され、
よりアグレッシブな見た目となりました。
変わりようで言えばゴルフ8の方が随分シャープになったよね。
可愛らしさはかなり薄まったよねぇ。
新型のLEDヘッドライト
LEDヘッドライトも刷新され、
オシャレなアニメーションが付き、
先代とは差別化されています。
リービングホームという、
車に乗る時にはライトを点灯させ、
周囲を安全に照らす機能があります。
「ホーム」はお家のことだから、お家から離れてクルマに乗る時だね。
そうそう、どっちか分かりづらいよね。
その時に、
キーのロック解除をすることで、
ライトのアニメーションが見れます。
※フロントは0:00から、リヤは1:29からご覧ください
その他には、
左右ウインカーも流れるので、
最近のハイテク感を味わえます。
ただし30TFSIの場合、
フロントもリヤも流れないので、
エントリー仕様は差別化されています。
もうベースグレードの30TFSIは売る気ないよね…。
310万からって言いたいだけの…。
30TFSIはヘッドライト自体も、
便利機構の無いベーシックタイプで、
ここもこっそり差別化されています。
- コーナーリングライト
⇒コーナーを曲がる時に、照射方向を進行方向に対して傾けて見やすくする機能。
- ハイウェイライト
⇒時速110kmを超えると、ライトの照射幅を広げることで安全性を高める機能。
ただし「advanced」以上でも、
オシャレアニメーションを見るには、
オプションが必要となっています。
ライティングパターンが美しい、
3×5のセグメントLEDが欲しいなら、
「マトリクスLED」が必要となります。
実はこのオプションは、
なんとS-lineモデルしか選択できず、
「advanced」でも選ぶことはできません。
S-lineを選んでさらにヘッドライトだけで11万のオプションかぁ…。
でもウリにしてるからなぁ…。
そのため、
マトリクスLEDが欲しいなら、
最低でも400万以上は必要です。
- グレード
A3スポーツバック 30TFSI S line…3,890,000円
- 必須オプション
ナビパッケージ…260,000円
- マトリクスLED
オプション名「マトリクスLEDヘッドライト、ダイナミックターンインジケータ(フロント・リヤ)」…110,000円
総支払額…4,260,000円
歴代リスペクトの3分割スリット
そして最後は、
A1スポーツバックにも採用された、
名車クワトロのオマージュです。
ボンネットとグリルの間に、
薄~く見えるスリットのデザインは、
ラリーカーの復刻版となっています。
初めはA1スポーツバックで採用され、
知る人ぞ知る拘りポイントでしたが、
今回A3にも採用されることとなりました。
A1スポーツバックの方がすき間が広くてパかッと割れてるように見えるね。
A3はもう少し控えめだよね。
このボンネットダクトは、
「3分割スリット」と呼ばれていて、
アウディ好きには魅力的なポイントです。
原点回帰というとポルシェとかもそうだよね。最近は流行りなのかなぁ。
水平基調のデザインがカッコいいよね。
中古車なら100万から買える!
2013年~2021年に販売されていた、先代の「8V」と呼ばれる型式なら100万から走行距離の少ない中古車が狙えます。
走行距離は何万km以下で絞ってたんだっけ?
とりあえず3万km以下だね。
カッコいいエアロやスポーツシートを装備したS line仕様でも200万前後で購入できるので、新車に拘らない人には先代モデルもオススメです。
中古車だと維持費を心配するかもしれませんが、故障の頻度は国産車と大差なくそこまで心配する必要はありません。気になる人は、私が8年間乗ったA3スポーツバックの維持費をまとめていますのでチェックしてみてください。
おぉ…なぜ不安にさせる高額修理を例に出すの…?
いやいや、このエアコンで最高額だから!
サイドはプレスラインが美しい
次に横から見てみると、
複雑に入り組んだプレスラインが、
立体的な造形を演出しています。
特にサイド下部が、
先代と違い折り曲がっていて、
非常にクールな印象を受けます。
ホイールサイズは、
グレードごとに1インチずつ上がり、
標準では18インチまで用意されます。
- 30TFSI⇒16インチ(205/55)
- 30TFSI advanced⇒17インチ(225/45)
- 30TFSI S line⇒18インチ(225/40)
- 40TFSI quattro advanced⇒17インチ(225/45)
- 40TFSI quattro S line⇒18インチ(225/40)
- S3⇒18インチ(225/40)
S3だけ19インチ(235/35)がオプションで用意されてるね。
さすがに硬そうだけどなぁ…。
18インチは最高にクールですが、
16インチだと迫力不足な感じなので、
維持費を考えると17インチがお勧めです。
私のS3は18インチですが、
タイヤ交換は軽く10万超なので、
頻度も考えるとなかなか高価です。
タイヤ代は維持費でも高額なんだよねぇ…手間もかかるし…。
それならタイヤフッドがオススメ。
タイヤフッドならWeb上で、
購入だけでなく取付予約もネット完結で、
当日は手ぶらで現地に向かうだけ!
しかしタイヤサイズに関わらず、
そもそものデザインが整っていて、
車格が高く見えるのは魅力です。
例えばBMWだと、
118iはFRからFF仕様へと変わり、
コンパクトカー的な雰囲気が見られます。
個々の感性にもよりますが、
VWゴルフ等と比較してみても、
A3スポーツバックは魅力的です。
まぁワーゲンとは価格が違うから当然と言えば当然だけど…。
アウディのブランド戦略は上手だねぇ。
リヤビューは賛否両論かも?
最後に後ろから見ると、
先代とは随分印象が変わり、
鋭さを感じさせる造形です。
目につくポイントは、
大きく2つあると思いますが、
どちらも賛否が別れそうです。
鋭い目つきのテールライト
まずはテールライトを見ると、
斜めに切り込むシャープなラインで、
ヤンチャで攻撃的な印象があります。
正直この部分は、
オシャレ&スタイリッシュという、
アウディの印象から少し離れた感じです。
そう?BMW的なアグレッシブさで私はイイと思うけどなぁ。
まぁ好きな人も多いかもしれないけど。
BMWの118iを見てみると、
シュパッと折れた鋭いライトが、
後続車に対して迫力を感じさせます。
アウディでは、
先代辺りで留めておいた方が、
攻撃的過ぎずいいかなと思います。
特に攻撃的デザインでは、
BMWの新しいキドニーグリルが、
各地で様々な話題を呼んでいます。
好みが分かれるトコだねぇ~。中国人は激しいの好きみたいだし…。
少し押し出し過ぎじゃないかなぁ…。
完全ダミーのエアダクト
2つ目の賛否両論ポイントは、
左右のバンパー下部に設けられた、
スポーティなエアダクトです。
デザイン自体は好印象で、
やり過ぎない開口部の大きさが、
アウディらしくてスマートです。
しかし問題なのは、
実際には全く空気が抜けておらず、
完全なるダミーダクトである点です。
最近はQ3スポーツバックでも、
大口径のダミーダクトがあるなど、
アウディのトレンドではあります。
アウディらしくない商売人トレンドというか…。
ま、まぁ営利企業だしねぇ。
昔はこのような、
見た目だけの装飾は少なく、
そこが堅実で好感を持っていました。
それが最近は、
30TFSIの酷い差別化も含めて、
商売っ気が出てきていると感じます。
マニュアルエアコンは酷いよねぇ…。昔はそんな人じゃなかったのにっ!
信じてた彼氏に裏切られたみたいな…?
しかし、
テールライトもエアダクトも、
迫力アップには一役買っています。
BMWやベンツに比べて、
押し出しが弱いと感じていた人には、
今回のデザインは嬉しいのだと思います。
ただ、
10年来のアウディオーナーとしては、
何だか変わってきているなと感じます。
強く前に出ていくのではなく、
静かな闘志を燃やし続けるような、
クールな姿勢を貫いてほしいと感じます。
《インテリア編》大幅変更でパドルシフトは標準装備
インテリア素敵ポイント3選
まず運転席に座って感じるのは、
先代と比べて様々な材質が使われて、
同時に立体感も増しているところです。
今回のモデルチェンジの中で、
特に良いなと感じたポイントを、
3点に絞ってサクッとご紹介します。
ランボルギーニ風エアコン!
発表時から話題になっていたのは、
ドライバー側に傾いたインパネと、
コックピット感満載の吹出口です。
ランボルギーニ風とも言われていた、
液晶画面と平行した横長の吹出口は、
確かに戦闘機っぽくやる気にさせます。
ランボルギーニもアウディの部品たくさん使ってるから、実質ほぼ同じだよね。
まぁ確かに見た目は似てるねぇ。
ただカッコよさはプラスされましたが、
ダッシュボードのスッキリ感は失われ、
多少凸凹した感じにはなっています。
装飾パネルの高い質感
2点目はデコラティブパネルで、
助手席前方にあるシルバーパネルは、
非常に高い質感とデザイン性を誇ります。
また手前と奥では材質が異なり、
上手く単調な印象を避けながら、
アクセントとしての役割を果たします。
何だか平面部分が多いから物置きにも使えるかなぁ?
い、いや傷ついたらイヤじゃない…?
グレードが変わると、
微妙にカラーリングも変更されるので、
気になる人は実車をチェックしましょう。
ちなみに、
パネル上面に設置される金属製ロゴは、
クワトロなら「quattro」ロゴとなります。
パドルシフトは標準装備!
最後の素敵ポイントは、
ステアリングに付くパドルシフトで、
グレードに関わらず必ず装備されています。
1.0TFSIモデルだと、
パドルシフトで超爽快かと言われると、
確かにそこまで機敏な操作はできません。
しかしやはり、
車を駆っている感覚を味わうには、
パドルシフトは欠かせない存在です。
また実用性の面でも、
加速時やエンジンブレーキ時など、
意外と便利に感じるシーンは多くあります。
ただサイズは小さく、
押し心地もそこそこのクリック感で、
特に気持ち良いという印象はありません。
もし物足りないのであれば、
後付けでパドルシフトを大型化する、
様々なパーツが販売されています。
他にもアウディで使える、
50種以上のアクセサリーをまとめたので、
気になる人はチェックしてみましょう。
ちなみにパドルシフトの操作感は、
ベンツのAMG仕様が非常に素晴らしく、
ぜひ一度は触ってみる価値アリです。
AMGのパドルシフト、ガチガチに硬くて素敵だよね…はぁぁ…。
ん?コンテンツポリシーだいじょぶ?
BMWやワーゲンと比較しても、
AMGのパドルシフトは硬派で、
常にアドレナリンが溢れ出します。
気になる残念ポイント3選
斬新なインテリアのA3ですが、
試乗で少々気になった部分もあるので、
今度はネガティブ要素をご紹介します。
細かい部分もありますが、
10年来のアウディオーナーとしては、
熱意不足に思えて気になってしまいます。
いつからそんな熱い人になったの…?
いいクルマだからこそ気になるのだ…!
ピアノブラックは豪華だけど…?
早速クルマに乗り込んでみると、
先代までのスッキリとした感じよりは、
随所に豪華さが感じられるデザインです。
これまであまり使われなかった、
ピアノブラックがコンソール等に見られ、
先代より高級感をアピールしています。
右奥のライトスイッチにも、
ふんだんにピアノブラックが配置され、
見た目にはなかなかリッチになりました。
Cセグメントなのに高級感増したよねぇ。
高級車って感じが強まったかな。
ベンツのAクラスでは、
随所にピアノブラックが多用され、
「これぞ高級車」といった雰囲気です。
ただピアノブラックは、
確かに見た目は豪華になりますが、
多用するとゴテゴテした印象が付きます。
また光沢があり目立つので、
スキッとした印象から遠ざかりやすく、
スタイリッシュさとはトレードオフです。
特にセンターコンソールは、
一面がピアノブラックであるため、
少々のっぺりした印象を受けます。
助手席の高品質なパネルを持ってきてもよかったんじゃない?
そうだねぇ、値段が高いのかなぁ。
シフトセレクターは小さいけど…?
次に、
こちらも今回から大きく変更された、
超小さいシフトセレクターです。
確かに走行中には、
それほど頻繁に切り替えることもなく、
使いづらくは全然感じません。
コンソール付近もすっきりするので、
利便性が向上しそうな気もしますが、
実際はさほどメリットは感じません。
以前のA3にあったような、
コインケースも用意されず、
むしろ小物入れは減っています。
先代のコンソールにあった謎のスリットだね。500円玉収納いいよねぇ。
代わりにコインケースがあるといいかな。
またピアノブラックの鏡面は、
上に傷が付くと非常に目立つので、
気軽に物を置くこともできません。
むしろドライバーとしては、
シフトレバーに左手を置くことで、
安定した姿勢を取れていた気もします。
うん、ずっとハンドル握ってると姿勢変えたくなるよねぇ…。
素早くSモードに切り替えたりも。
確かに先進的で、
斬新なデザインには一役買っていますが、
本当に必要だったのかは少々疑問です。
同じ機構を採用している、
ポルシェオーナーはどう思うのか、
機会があれば聞いてみたいところです。
永遠のライバルであるゴルフ8も、
同じようなシフトセレクターとなり、
代わりにパドルシフトが標準装備です。
スイッチの質感が落ちた…?
最後の残念ポイントは、
各部のスイッチの押し心地やサウンドが、
先代より質感が落ちた気がする点です。
アウディには人が感じる、
触感やサウンドや匂いを調整するため、
専門のハプティックチームが存在します。
そのため、
アウディのスイッチ等の操作系は、
常に高品質で心地良いと感じます。
もちろん今回のA3も、
しっかりと拘りは感じるものの、
質感が落ちたと感じる所があります。
- エンジンスイッチ
⇒押し込みがかなり浅くなりプラスチック感が増した。サウンドも小さく柔らかくなっている。
- センタークラスター
⇒スイッチのデザインが平面的になりクリック感も減った。またサウンドも小さくなり、押した時の心地よさが幾分失われている。
先代のセンタークラスターにあるドライブセレクトとかハザードスイッチは本当に気持ちよかったよねぇ。
コストダウンが進んでるなぁ…。
《走行性能編》速くはないが街乗りでは必要十分
軽快でサッパリした出足
乗り込んでエンジンをかけると、
ほぼ無音と言える静かさで立ち上がり、
静粛性が高くなっていると感じます。
もちろん3気筒なので、
エンジン音はもともと静かですが、
外の音もしっかり遮音してくれます。
ただ先代と比べると、
少しアップしたかなという印象で、
劇的に変わったとまではいきません。
ただ私たちのS3(H26年式)よりは静かだよねぇ。
排気音が聞こえるのもいいけどね。
行動に出て軽く踏み込むと、
スルスルーっと軽やかに加速を始め、
とても3気筒とは思えない身の軽さです。
おそらくハイブリッドが効いていて、
前に試乗した30TFSI(1.4TFSI)よりも、
加速感を強く感じるほどの出足です。
以前試乗したQ2 30TFSIと比較しても、
A3の方がシュッとした速度の上がりで、
「なるほど!」と思わせる仕上がりです。
しかも、
アクセルに過敏に反応するような、
突然飛び出す挙動は一切見せません。
ゴルフ7.5やアルテオンだと、
出足が踏み込みに対して相当敏感で、
軽く踏んでもキュッ!と飛び出しました。
特にアルテオンは、
一体誰が最終調整したのかと思うほど、
車体が前後にギッコンバッタンします。
ワケガワカラナイヨ状態だったね…。
今はもう治ってるかもしれないけど。
ゴルフ8はA3と同じ電動アシストですが、
パワフルさではゴルフ8の方が優れており、
先代ゴルフ7の1.4TSIより速いと感じます。
速度が上がると厳しい!
街乗りの速度域だと、
50km/h辺りまでは快適に乗れて、
前の2.0TFSIに近い感覚すらあります。
しかしそれは、
アクセルを緩やかに踏めばの話で、
強く踏み込んだ時の感覚は違います。
4割くらいまでの踏み込みなら、
滑らかで非常に心地よく乗れますが、
それ以上はすぐに頭打ち感があります。
そう、底は想像よりかなり浅いんだよね。
パラメータを日常域に全振りしてる感じ。
7割くらい踏み込むと、
3気筒らしい薄くて軽いサウンドと、
動力が伝わっていない感覚を受けます。
身体に響くような振動もなく、
うぉーんといういかにも軽そうな音は、
ドライビングプレジャーを削がれます。
また60km/hを超えると加速感は鈍く、
踏み込みが優しかろうが強かろうが、
同じようなのんびり加速の印象です。
そのため、
激しく峠道を攻めたりはできず、
高速での急な追い越しも難しいです。
0‐100km/h加速は、
少々寂しい10.6秒というタイムで、
速さを競うモデルではありません。
高速域では、
マイルドハイブリッドの恩恵はなく、
通常の1.0TFSIといった感覚です。
アウディは常に硬めの足回り
アウディの足回りは、
ドイツ車では結構硬めの印象で、
S-lineだとさらに締まってきます。
今回は30TFSI advancedなので、
S-lineではないもののガシッとしていて、
路面をしっかり掴んでいる感覚があります。
ステアリングを握っていると、
路面の情報が手のひらに細かく伝わり、
これぞドイツ車というフィーリングです。
段差にはそれなりに反応し、
ドドッという突上げは一瞬ありますが、
すぐに姿勢変化が収まって心地良いです。
ただ路面の細かな情報は、
ほとんど拾い上げて伝わるため、
初ドイツ車だと疲れるかもしれません。
advancedだと17インチですが、
それでも決して柔らかくはない上に、
S-lineだと18インチでさらに硬くなります。
もしゆったりと乗りたい時は、
レグノ等のコンフォートタイヤなら、
また乗り味は全然異なってきます。
タイヤはネット購入が安く、
輸入タイヤならタイヤフッド、
安価なタイヤならオートウェイがお勧めです。
タイヤフッドは、
6ヶ月パンク補償が付くので、
もしもの時も安心です。
パンクやバーストを起こすと、
交通事故の可能性が高まるので、
事前に原因や対策を知っておきましょう。
ドイツ車の硬い足回りで、
腰やお尻が痛くなる場合は、
新素材の「エクスジェル」がお勧めです。
弾力があるけど柔らかい、
「奇跡の新素材」と呼ばれる物質が、
あなたの身体を優しく包みます。
【エクスジェル シーティングラボ】《総合評価編》クールな見た目の高級コンパクト
高評価なポイント
今回の試乗で感じた、
最も印象に残った部分は、
シャープな造形のエクステリアです。
キープコンセプトながらも、
確実に進化を遂げたそのルックスは、
先代オーナーは羨ましいはずです。
幅広になったフロントグリルや、
色違いのエアインテーク等は、
明らかに先代と印象が異なります。
サイドを見ると、
下部プレスラインが折り曲がり、
スタイリッシュさをアピールします。
先代より腰高になっているから、ドア付近ののっぺり感を隠すためにラインが入ったんだよね。
途中で折れ曲がってカッコいいよね。
またLEDヘッドライトも、
セグメントが分かれていて、
一目見て新型だと分かります。
3×5配列のLEDライトは、
アニメーションもついていて、
アウディらしい先進性を感じさせます。
リヤビューも、
鋭いライトやエアダクトにより、
先代よりアグレッシブな印象です。
ただ1つ、
エアダクトが明らかにダミーなのは、
少々マイナスポイントかなと思います。
まぁ最近のアウディはダミーダクト多いからねぇ。
Q3スポーツバックもそうだったね。
もう一歩なポイント
一方今回の試乗で、
もう少し頑張ってほしかったのは、
3気筒1.0TFSIの走行性能です。
48Vマイルドハイブリッドは優秀で、
出足や低速域でのアシストはよく効き、
110ps/200Nmとは思えない走りです。
しかし、
60km/h付近から加速が鈍くなり、
お世辞にも爽快感溢れるとは言えません。
ま、まぁ穏やかに走る分にはとっても良かったよ?ね?
常にアクセル4割以下で我慢できれば…。
2,500rpmくらいまでの、
常用回転域に全力を注いだ結果、
急加速や高速域はスカスカな印象です。
兄弟車と言えるゴルフ8も、
同じハイブリッドシステムですが、
コチラの方が回転域によらず優秀です。
出足もA3よりパワフルに感じ、
4,000rpmくらいまでは余裕の加速で、
先代ゴルフ7の1.4TSIを上回っています。
※ゴルフ7.5試乗レビュー
普通に走る分には、
何の引っ掛かりもなく快適なので、
デメリットと感じるかは人によります。
乗り味はドイツ車らしく、
硬くて締まった足回りも相まって、
日常使いでは質の高い乗り味です。
しかし峠に持ち込んだ瞬間に、
雑味のある排気音が聞こえるだけで、
全く加速しない印象を感じるはずです。
もしスポーツ性を求めるなら、
1stEditionは一旦見送ってから、
ムリしてでも40TFSIを狙いましょう。
見た目はとってもスポーツできそうなのにねぇ…。
峠走りに見た目はいらんのだ!
10段階評価すると?
アグレッシブに生まれ変わった、
リッターカー新型A3の総合評価は、
10点満点中の6点です。
相変わらずエクステリアは優秀で、
A4やA6とも見間違えそうな風貌で、
クラスを超えた迫力が感じられます。
グリル・ライト・ボンネット等、
クルマの「顔」が大きく変更され、
随分と雰囲気がカッコよくなりました。
インテリアは最新装備に置き換わり、
確かに先進性は感じさせるものの、
コストカットした印象は拭えません。
スイッチの操作感・サウンドは、
明らかに先代の感覚と比較すると、
小気味良さが失われた気がします。
押したときのクリック感もそうだし、カチッというサウンドも少し小さくなったような…。
初めてなら分からないと思うけど…。
走りの面を見ると、
出足から低速域にかけては、
明らかにアシストが効いています。
レスポンスの印象としては、
先代2.0TFSIに相当するレベルで、
しっかりとトルク感も感じます。
しかも非常に自然なので、
意識していても全く違和感なく、
快適な加速を体感できると思います。
ただ高速域になるにつれて、
1.0Lエンジンの限界が露になり、
リッターカーだったと痛感します。
排気量での「リッターカー」ね。確か輸入車ではAセグを指すんだっけ。
うん、でも最近はCセグも1.0L多いからなぁ。
峠やサーキットに持ち込まなければ、
十分に楽しい街乗りを楽しめますが、
スポーツ走行は難しい印象です。
まとめ
新型A3スポーツバックは、
実に8年振りのモデルチェンジで、
各部にテコ入れが施されました。
全体的なルックスはそのままに、
細かな箇所や動力性能は刷新され、
先代オーナーもびっくりです。
最も心配していた走りは、
素敵な電動アシストのおかげで、
むしろ心地よさが増していました。
ただやはり、
ガッツリと走り込みたい人には、
パワフルな40TFSIをオススメします。
価格は上がりますが、
出足も含めた普段乗りの快適さは、
価値のあるエクストラコストです。